ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

制作 : 嘉村賢州 
  • 英治出版
3.95
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本棚登録 : 2004
レビュー : 100
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762269

作品紹介・あらすじ

上下関係も、売上目標も、予算もない!?従来のアプローチの限界を突破し、圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。膨大な事例研究から導かれた新たな経営手法の秘密とは。

感想・レビュー・書評

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  • 組織開発関係の本は、いろいろ読んで、最近は、なんとなくどこかで読んだような話が多い感じがしていて、以前ほどは熱心にいろいろ読むエネルギーが出てこない感じ。

    というなかで、久しぶりに、心を揺さぶられるというか、「これを実現したい」という熱い思いがわき上がってくる本だったな〜。

    要素に分解すると、どこかで読んだ話ではある。

    例えば、「ああ、これはアプリシエイティブ・インクワイアリーと一緒だ」とか、「NVCと一緒」とか、「社会システム的なアプローチだな」とか、色々、元ネタは見えるんです。

    でも、「それが単に色々なツールを組み合わせているだけ」とは全然感じなくて、「ああ、このツールはこういうコンテクストの中で本当に活きるんだな」と頭が整理されつつ、自分の中にすでにリソースがあることに気づき、力が出てくる感じ。

    もちろん、そういうツール的なことを超えて、この本は、なんだか思いが伝わってくるんだよね。

    例えば、自律型の組織論である「ホラクラシー」は、読んでも、そこまで感動はしなかった。どちらかというと仕組み系の話だからかな〜。

    それに対して、「ティール組織」には、人と組織が「全体性」として存在する、そしてそれが自律的に進化していく、という思想があって、そこに大きな希望というか、夢というか、解放があるんだよね。

    現実的に、じゃあ何をやるのかと考えると、障害だらけで(やはり、組織のリーダーのメンタルのパラダイムシフトが必要条件)、全く困ってしまうのだけど、それでも、なんかやりたいという気持ちが高まる。

  • 会社の存在意義が問われてきてるけどティール組織の考えはものすごくしっくりくる。

    会社上位ではなく、自主組織であり、社員が自分をさらけ出せる。上層部の会議はいらないってさ。

    具体例も豊富で読みやすい。

  • 最先端の『組織』理論。これらの組織はピラミッド型の階層型組織ではなく、10数人程度のグループですべてを行う『組織』がこれからの社会では有効だということを論じている。

    ティール組織の実例として、オランダの在宅ケア組織「ビュートゾルフ」を挙げている。この組織は、1チーム約10数名の医療スタッフで実際の介護から、新人のリクルートまでほとんどすべてのことをこなし、現在ではオランダ国内で約890チーム、約10,000人の看護師・介護士らが活躍、地域包括ケアの成功事例として世界的に注目を集めている。

    ティール組織とは
     〇 セルフマネジメント / 自主経営
       上司がおらず、それぞれが自主的に判断して行動する。
     〇 ホールネス / 全体性
       家族といる時や自分一人の時と同じように、職場でも自分らしくある。
     〇 存在目的
       この組織は何のために存在するのかを常に意識する。一度組織を作れば、この組織は生き物のように勝手に成長していく。いかにCEOといえど組織を意のままにすることはできない。
    と定義づけている。

    以前読んだ、『TEAM OF TEAMS (チーム・オブ・チームズ)』(スタンリー・マクリスタル (著), 日経BP社)でもこのような新たな形の『組織』の有用性が論じられている。
    元アメリカ軍司令官の著者が最新鋭の装備で武装したアメリカ軍がろくな装備を持たないテロリスト組織を根本的に倒すことができなかった。敵のリーダーを倒しても、捕まえてもテロリスト組織が弱体化しなかった原因として、このテロリスト組織が従来のピラミッド型組織ではなく、ティール組織に変化していたからだ(実際にはティール組織という言葉は使っていなかったが)と結論づけ、アメリカ軍も新たな『組織』への変革を目指している。

    世界は進み、この100年~200年で過去のどんな時代よりも人類は進歩した。そして今後、組織も社会も進化していく、あと十数年すればこのティール組織が組織のあり方として当たり前になるのかもしれない。

  • 少し自分には難しいかなと思っていましたが、
    頑張って背伸びして読んでみました。
    分厚い本ですが、予想していたよりも読みやすかったので、何とか読み切れました。

    内容はというと、組織形態について、革新的なアイデアにもかかわらず、
    自分の中にとてもすーっと入ってくる内容でした。
    ティール組織というと、単にフラットな組織なのかと思っていましたが、
    それだけではなく、お互いの弱さをチーム内でさらけ出し、
    助け合う自分が前々から考えていた理想的な組織に近いように思えました。

    こういう革新的な組織形態は、日本の大企業に当てはまらないだろうな、と思いながら読み進めていましたが、
    本によると、トップの意思次第では大人数の組織でも成り立つとのこと。
    何かと変化が嫌いな保守的な企業では、実践するのは難しいでしょうが、
    それでもどんな組織でも適応可能という点は驚きです。

    こういう組織で働いてみたい、又は、
    こういう組織をつくってみたいと思わせてくれるような本でした。

  • (1)マッキンゼーの7Sモデルを想起させる。
    システムを変えることで価値観や人材、文化を変える。
    昔は、組織構造をいじって、文化などのソフトを時間をかけて変えようとする。
    そのために、目標管理制度や成果主義型賃金制度などを導入して、失敗した。

    今は、心理的安全性を重視し、個人のパフォーマンスが発揮できる環境づくりに力を入れる。
    ハーズバークの衛生要因を整備し、動機づけ要因を刺激するような仕組みを取り入れる。

    (2)ティール組織はIT発達の恩恵も受けている。
    限界費用ゼロの世界では、有形資源のリソースは溢れてる。
    しかし、人の能力という無形資源が最後の制約。
    だから、人やチームに任せた方が速い。

  • 組織論という一般受けしづらいテーマと、あっさりした表紙で、正直手に取るのを躊躇してしまう第一印象だった。
    しかしその実は、組織運営関係なく万人にお勧めできる良書である。

    ティールの価値観は最近共通して語られている概念、価値観に近い印象を受けた。
    例えば信用を稼ぐ、メタ認知、副業解禁、ストーリーテリング、コーチング、マインドフルネス、WorkAsLifeなどだ。
    それらと最も親和性の高い組織形態は何か、と考えた時にティールという形に帰結するのは、非常に納得感がある。
    単なる組織論ではなく根底の考え方に繋がる話であり、これからの時代は主流になっていくものだろうと感じられる内容だった。

  • 人々の可能性をより多く引き出せる組織とはどのような組織か?という問いを探究する著書。

    人間の歴史的な発達段階とリンクさせた組織の発達段階を整理し、それらを超越している「進化型(ティール)」組織を見出したうえで、その要素を体現しているパイオニア企業の事例をもとに未来の組織像が描かれている。

    過度なトップダウンで社員の意欲を削ぐこともなく、また過度な平等主義によるボトムアップがもたらす「決められない」組織にも陥らないための突破口として、

    ・自主経営
    ・全体性
    ・存在目的

    の3点がキーワードとして挙げられ、規模の大小や業態を問わない多様な事例とともに、その実現可能性が強調されていた(ただし難易度は非常に高い)。

    個人的には「自主経営」と「存在目的」への共感度が特に高く、最近小さいながらもチームで活動した際に意識・実践していたことと似ている概念だと感じた。

    「全体性」については、「自分らしい生き方」と「自分らしい働き方」をイコールで結べる人には受け入れられるだろうが、そうでない人には少し違和感が生じやすい概念かもしれない、と考えた。

    日本各地でも議論を生んでいるため、自分一人で消化するのではなく、様々な人と対話してみたくなる著書。

  • とにかく長い。その割に中身はシンプル。特殊なことは書いてない。

    自分たちの存在目的を共有した上で、社員(仲間たち)の集団的知性に信頼を置き、社員自らが組織のニーズに基づいて自由に動いていける状態を作ろうよという話。外的要因ではなく内在的欲求(または内発的動機)で動く人に価値を置くべきだと。

    そしてリーダーはあれこれ指示命令や管理をするのではなく、組織を複雑なメカニズムで動く生き物と捉え、その生き物は自らの情熱を持ち、自らが何者かを意識し、自らの創造性を発揮し、自らの方向感覚を持った独立したものとして尊重すること。さらには、その存在の声に耳を傾け、連携しそれが私たちをどこに連れて行ってくれるかを悟ればよいと唱えている。

    ゆえに、予測や管理(プランニングや予算策定作業)をするのではなく、その組織の一員として状況を感じ取り、適宜対応するのが良いと。結局、予測をしても自分が統制しているという安心感を得るだけで、エネルギーと時間を浪費しているに過ぎないと過激な説明も。

    なので、上司となるリーダーは、自分が口出ししたいという欲求を抑え、仲間を信頼し続ければ、結果として、社員は常時に自分で考えて実践し、引いては人間の経験の全領域に触れながら成長していくとのこと。

  • 基本的には性善説をもとに考えられた考え方で、日本の雇用形態にそのまま導入するのは少し難しい気がしたけれど、学ぶ点もたくさんあった。

    一人一人が当事者意識を持って、自主的に仕事をするチームの一番進化した形がティール組織だそうだ。

    衝動型
    順応型
    達成型
    多元型
    進化型

    と5段階目にあたる進化型がティール組織と呼ばれており、管理者が存在せずともチームメンバー全員が、業務管理、営業、採用、給料設定、新規事業の開拓など経営意識を持って参加している。

    こんな組織が本当に作れるなんて夢のようだが、一人一人が会社にとって、社会にとってどんな役割を果たしたいかを常に考えているような意識高い集団がティール組織なのだろう。

    とにかく一番大切にされていたことは、透明性。
    給料や休み、仕事内容など、何から何までチームの全員が知ることができるのだと。


    周りの環境でその人のモチベーションが変わるとはいうけれど、
    ティール組織みたいなモチベーションの高い人に囲まれて仲間感を感じられることができれば、チームに対して貢献しようと思えるようになる人が増えるかもしれない。

    ティール組織を作る上でおそらく一番難しいのは、金銭的な妬みなのではないかと思う。
    お金への執着が強い日本ではとくにそうだが、信頼されたり、慕われたり、相手に喜んでもらえたりすることと、お金をもらえることを全てフラットにとらえることができればティール組織に近づけそうな気がしている。

  • マネジメントや組織論はドラッカー本だけで十分と決め込んで10数年経つが、本書でそれが終わった。
    典型的な順応型(アンバー)で、所管官庁から無理やり達成型(オレンジ)への転換を求められてる組織で働いてて、進化型(ティール)組織の3つの突破口(自主経営、全体性、存在目的)は、まさに日頃思ってる“あるある”だ。仲間とのコミュニケーションを通じて少しずつ移行していきたい。
    いみじくも最終章で引用されてたドラッカーの言葉が勇気を与えてくれる。「未来を予測する最善の方法は、それをつくることである」

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