ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

制作 : 嘉村賢州  鈴木立哉 
  • 英治出版 (2018年1月24日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762269

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現の感想・レビュー・書評

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  • 組織開発関係の本は、いろいろ読んで、最近は、なんとなくどこかで読んだような話が多い感じがしていて、以前ほどは熱心にいろいろ読むエネルギーが出てこない感じ。

    というなかで、久しぶりに、心を揺さぶられるというか、「これを実現したい」という熱い思いがわき上がってくる本だったな〜。

    要素に分解すると、どこかで読んだ話ではある。

    例えば、「ああ、これはアプリシエイティブ・インクワイアリーと一緒だ」とか、「NVCと一緒」とか、「社会システム的なアプローチだな」とか、色々、元ネタは見えるんです。

    でも、「それが単に色々なツールを組み合わせているだけ」とは全然感じなくて、「ああ、このツールはこういうコンテクストの中で本当に活きるんだな」と頭が整理されつつ、自分の中にすでにリソースがあることに気づき、力が出てくる感じ。

    もちろん、そういうツール的なことを超えて、この本は、なんだか思いが伝わってくるんだよね。

    例えば、自律型の組織論である「ホラクラシー」は、読んでも、そこまで感動はしなかった。どちらかというと仕組み系の話だからかな〜。

    それに対して、「ティール組織」には、人と組織が「全体性」として存在する、そしてそれが自律的に進化していく、という思想があって、そこに大きな希望というか、夢というか、解放があるんだよね。

    現実的に、じゃあ何をやるのかと考えると、障害だらけで(やはり、組織のリーダーのメンタルのパラダイムシフトが必要条件)、全く困ってしまうのだけど、それでも、なんかやりたいという気持ちが高まる。

  • 2018年14冊目。

    時代とともに人々の意識レベルは進化し、その段階に応じて、組織のモデルも次々と新たに生み出されてきた。
    この本では、それぞれのモデルを色のイメージで、
    ・受動的(無色)
    ・神秘的(マゼンタ)
    ・衝動型(レッド)
    ・順応型(アンバー)
    ・達成型(オレンジ)
    ・多元型(グリーン)
    ・進化型(ティール)
    と名付けてその特徴を振り返り、今この時代に現れ始めている「進化型(ティール)組織」の構造・慣行・文化を解き明かしている。

    「進化型(ティール)」になるための鍵は「自主経営」「全体性」「存在目的」の三つ。
    個人的に目から鱗だったのは「自主経営」。
    「よく言われる権限移譲とどう違うの?」と構えて読んだけど、「え、そこまでやるの?」と思うくらい、想像していたのとレベルが全く違った。
    具体的な取り組み方の事例も興味深いものばかりだけど、特にビュートゾルフのヨス・デ・ブロック氏と、FAVIのジャン・フランソワ・ゾブリスト氏のリーダーとしてのあり方には目を見開かされた。
    この二人自身の本を読みたいと思うほど。

    読んだ人たちの賛否両論が持ち上がってきていて、それをみるのもとても面白い。
    時代の変化が早まり、組織の段階(色)が変わるスピードもますます加速すると思う。
    議論のたたき台になって、建設的な実験がたくさん増えてくるといいなと思うし、自分自身もそれを意識したい。

    ※自社本に対する個人的なメモです。宣伝の意図はありません。

  • 「ティール組織」Frederic Laloux

    青年は幼年に比べて「良い」人間というわけではない。それと同じように、高い発達レベルにいる方が本質的に「良い」わけでは全くない。けれども、青年の方が幼児よりも多くの事が出来るという事実は残る。それは、幼児よりは高度に物を考えられるから。

    どのような発達レベルでも、問題はそのレベルが目の前の仕事に適切かどうかということ。

    どんな組織もリーダーの発達ステージを超えて進化することはできない。

    人々をその気にさせて実力以上の能力を引き出し、自分だけではできなかったはずの結果を成し遂げさせてしまう事が組織の真髄。

    恐れに置き換わるものは、人生の豊かさを信頼する能力。

    生き方の本質は二通りある。「恐れと欠乏感にまみれた人生か、信頼と潤沢に満ちた人生か。」

    ティールでは、意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行する。

    ティールでは、人生とは自分たちの本当の姿を明らかにしていく個人的、集団的な行程と見る。

    職業とは何かを突き詰めていくと、「エゴ」の本音を覗く事になる。それは誰もが日々意識している「自分」ではなく器としての「自分」を通して人生を送ろうとしている事実。我々が「自分の人生」と呼ぶ、表面的な職業の型にはまった経験の下には、実はもっと深い、もっと真実の、本来なりたい自分が送るべき人生がある。この違いを感じ取るには、時間と過酷な経験が必要。

    内なる魂の声を聞き、目的の深い意味に到達する個人は、恐れを全く知らずに自分の使命を追求できる。自分のエゴを抑制し、挑戦せずに後悔するくらいなら失敗する方がましだと考える。「大志を抱いているが野心的ではない人。」

    自分の深い内面と結びついていない人生の目標を設定する、つまり他人の顔を身にまとっていると、私たちは自分自身の強さの中に立っていない事になる。必然的に、自分には何か欠けており、自分の弱みを克服しようとするが、あるべき自分になっていないのは自分または他人のせいだと非難する。

    人生を自分の本当の姿を明らかにする行程だと捉えれば、自分の限界を現実のものとして冷静に見つめ、目に入るものを心穏やかにとらえる事ができる。人生とは元々素養がないものに無理してなろうとする事ではない。

    周囲の人々や状況には何が足りないか、何が間違っているかという事ではなく、そこに存在するもの、美しいもの、可能性に注意を向けるようになる。

    決めつけよりも思いやりと感謝を優先する。

    人、社会は、他人から解決してもらう事を待っている「問題」ではなく、本質が明らかになる事を待っている「可能性」である。

    ティール以前のステージでは、人生に立ちはだかる障害物は不運と見なされる。怒りや恥ずかしさ、他人を責める気持ちでこれに向き合うと、他人ばかりでなく自分自身からも離れてしまう。一方、ティールでは、人生における障害物とは、自分自身とは何か、世界とは何かを学べるよい機会と捉える。

    グリーンまでは、変化を恐れるが、ティールになると楽しい緊張となる。

    オレンジ的現代科学視点は、感情を警戒する合理還元主義。グリーンはその対極であるポストモダン。ティールはあらゆる領域を積極的に利用する全体論。

    ティール以前のステージでは、人と意見が異なると、対峙するか、寛容の名の下に意見の違いを取り繕ってすべての真実は等しく価値があるとする。ティールでは、自分の信念が優れている事を知るが、同時に他の人も等しい価値の人間として受け入れる。

    人は自己に誠実に向き合うと、自分がもっと大きな何か、人生と意識がお互いに結びついた一つの織物のようなものの一部、その一表現にすぎない事がわかる。

    どの組織形態でも組織の上位にいる人々がステージを上れば上るほど業績が伸びる。

    大企業の組織変革プログラムの成否は、CEOの発達ステージが大きく影響する。

    ティールの人は、自分の人生の使命を探す事に忙しいので、明確で崇高な目的を持った組織のみが密接な関係を築きやすい。収益性や成長、市場シェアよりも存在目的が組織の意思決定を導く原則となる。

    ティールは全体性とコミュニティを目指して努力し、職場では自分らしさを失う事なく、人と人との関係を大事に育てる事に深く関わっていく。

    権力をトップに集め、同じ組織に働く仲間を権力者とそれ以外に分けるような組織は問題を抱えて病んでいく。

    ティールは上下関係はないが、代わりに自然発生的な階層、つまり評判や影響力、スキルに基づく流動的な階層はある。

    コーチの役割は、
    ・予想できる問題を防ぐ事ではなく、問題解決しようとするチームを支援する。
    ・自分が優れた解決方法を知っていても自分たちで選択させる。
    ・考えるヒントになる問いをぶつけたり、自分の目に映ったチームの様子をそのまま見せる。
    ・情熱と強みと能力を引き出す

    ビュートゾルフでは、
    ・チームメンバーは12名を超えてはならない。
    ・特定のテーマに関する専門知識をどの看護師が身につけているかを社内SNSで確認できる。
    ・専門知識を蓄えるタスクフォースがボランティアで立ち上がる。

    スタッフ機能を大きくして実現できる規模とスキルによる利益よりも、モチベーションの低下による不利益の方が大きい。

    モチベーションの圧倒的な向上が生産性をはるかに高める方策。確実とされてきた規模の経済の方策は捨てる事。

    本当に素晴らしく心を高揚させてくれるものは全て、自由に仕事に励む個人によって創造される。
    -アインシュタイン

    グーグルの20%ルールが、ティールでは100%ルール。

    ティール人口は西側社会の5%。

    ティール社会はGDP成長率はなくなるが、人間関係、感情面、精神面でははるかに豊かになる。

    教育は、学習者一人一人が他社と協働しながら独自の学びの旅を創り出すような方式へと生まれ変わる。

    金融システムは、自分で貯めておいた資産があるからではなく、様々な共有関係が織りなす揺るぎない信頼があるからこそ安心できる社会、そして、何か必要性が生じた時にはお互い助け合える事を知っている社会。

    友情や関心のネットワークが真にグローバル化する。

    人類史上初めて、幸せな一握りの人々だけでなく、誰もが自分の使命感に従って、創造的に自己表現する人生を自由に選べる時代。

    ティールでは、宗教上の教義(アンバー)にも、現代の物質的な見方(オレンジ)にも満足せず、個人的な経験と慣行を通じて統合と超越を求める。宗教対立を解消し、非宗教的な精神性を通じて現代の物質的見方を変え、喜びと幸せをもたらそうとする。

    株主や寄付者はスチュアードシップホルダー(管理責任所有権者)に変わる。ホルダーは余ったお金がすぐに必要でなければ自分たちが大切だと思える目的に使う事ができる。配当はないが、資金提供者が不運に見舞われた時は、その人の貢献額等に応じて支援する。違いを助け合う仕組み作り。

    ティールに到達すると、将来を支配しようとする欲望よりも、豊かさへの信頼を高めるようになる。
    ティールの場合、存在目的の達成に向けて努力することの方が、組織の為に働く事よりも重要なので、組織同士が境界をまたいで協力する可能性が拡がる。

    人間の活動を体系化する簡単な方法は、世界は本質的に秩序だっていると認識する事。

    我々はこの世界を巨大な機械として見るように教えられてきた為、自分たちも機械なのだと考えるようになった。

    人間はとてつもなく生産性が高く、情熱的で、目的意識の明確な組織を作るだけでなく、社会全体さえ変える事ができる。
    もし私たちが人間性にあふれた世界に存在する事ができれば、一体何を実現できるだろう?

    ティールでは、これまでの階層関係が仲間同士のコミットメントに置き換わる。

    ティールの限界は現実の一側面、つまり顕在意識における具体的な経験の範囲に限られている。この先、情熱と精神の世界と直接協力できるティールを超えた組織が現れる。

  • 読了。組織の発達理論。発達理論を学ぶ人は必読。

  • 発達進化する組織パラダイムに呼応して
    新しい組織モデルを提言。
    自主経営、全体性、存在目的という3つの軸
    からなる、構成員一人一人が自律的に
    判断実行する、有機的な新しい組織の形。

    実行ハードルも高いが具体的な事例や
    実現のための示唆もありとても興味深く
    思いました。
    学習する組織やマインドフルネス等とも
    繋がっている感じもしました。
    一回読んだだけでは掴みきれないので
    再読しなくてはならないと思いました。

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