ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

制作 : 嘉村賢州  鈴木立哉 
  • 英治出版
4.09
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762269

作品紹介・あらすじ

上下関係も、売上目標も、予算もない!?従来のアプローチの限界を突破し、圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。膨大な事例研究から導かれた新たな経営手法の秘密とは。

感想・レビュー・書評

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  • 組織開発関係の本は、いろいろ読んで、最近は、なんとなくどこかで読んだような話が多い感じがしていて、以前ほどは熱心にいろいろ読むエネルギーが出てこない感じ。

    というなかで、久しぶりに、心を揺さぶられるというか、「これを実現したい」という熱い思いがわき上がってくる本だったな〜。

    要素に分解すると、どこかで読んだ話ではある。

    例えば、「ああ、これはアプリシエイティブ・インクワイアリーと一緒だ」とか、「NVCと一緒」とか、「社会システム的なアプローチだな」とか、色々、元ネタは見えるんです。

    でも、「それが単に色々なツールを組み合わせているだけ」とは全然感じなくて、「ああ、このツールはこういうコンテクストの中で本当に活きるんだな」と頭が整理されつつ、自分の中にすでにリソースがあることに気づき、力が出てくる感じ。

    もちろん、そういうツール的なことを超えて、この本は、なんだか思いが伝わってくるんだよね。

    例えば、自律型の組織論である「ホラクラシー」は、読んでも、そこまで感動はしなかった。どちらかというと仕組み系の話だからかな〜。

    それに対して、「ティール組織」には、人と組織が「全体性」として存在する、そしてそれが自律的に進化していく、という思想があって、そこに大きな希望というか、夢というか、解放があるんだよね。

    現実的に、じゃあ何をやるのかと考えると、障害だらけで(やはり、組織のリーダーのメンタルのパラダイムシフトが必要条件)、全く困ってしまうのだけど、それでも、なんかやりたいという気持ちが高まる。

  • 会社の存在意義が問われてきてるけどティール組織の考えはものすごくしっくりくる。

    会社上位ではなく、自主組織であり、社員が自分をさらけ出せる。上層部の会議はいらないってさ。

    具体例も豊富で読みやすい。

  • (1)マッキンゼーの7Sモデルを想起させる。
    システムを変えることで価値観や人材、文化を変える。
    昔は、組織構造をいじって、文化などのソフトを時間をかけて変えようとする。
    そのために、目標管理制度や成果主義型賃金制度などを導入して、失敗した。

    今は、心理的安全性を重視し、個人のパフォーマンスが発揮できる環境づくりに力を入れる。
    ハーズバークの衛生要因を整備し、動機づけ要因を刺激するような仕組みを取り入れる。

    (2)ティール組織はIT発達の恩恵も受けている。
    限界費用ゼロの世界では、有形資源のリソースは溢れてる。
    しかし、人の能力という無形資源が最後の制約。
    だから、人やチームに任せた方が速い。

  • 組織論という一般受けしづらいテーマであっさりした表紙のため手に取りづらい本だと思うが、組織運営関係なく万人にお勧めできる良書。ティールの価値観は最近共通して語られている概念、価値観に近い。例えば信用を稼ぐ、メタ認知、副業解禁、ストーリーテリング、コーチング、マインドフルネス、WorkAsLifeなど。それらと最も親和性の高い組織形態は何か、と考えた時にティールという形は納得感がある。単なる組織論ではなく根底の考え方に繋がる話であり、これからの時代は主流になっていくものだろう。

  • ただの概念の提示だけではなく、そもそも社会学的なアプローチから組織の発展を説明し、実際自然とティール型組織を実現している複数の企業の実例を記載。また解雇や給与など多くの人々が疑問に思う点についても実例をベースに記載されており、大変面白い本であった。

    以下一部要約
    ヒトの意識が時代とともに進化、成長、発展を遂げており(マズローの欲求段階など多くの研究が示すように)、意識の発展により組織のあり方も実は変わってきている、という前提、背景から、ティール型の組織について説明されている。

    今を生きる人々からイメージしやすい発達の歴史としては、マフィアやヤクザをメタファーとしたレッド型組織。恐怖により集団を目的達成へと導く。

    アンバー型を飛び越え、オレンジ型組織になると、科学的、論理的な考えから効率性を重視したピラミッド型組織で目的達成を図る。これは日本の多くの企業が該当するだろう。

    グリーン型組織に進むと、欧米的な価値観、個人の意思重視し、ワークライフバランスといった価値観がここに該当するだろう。トップダウンの意思決定よりはボトムアップでの目的達成を目指す。

    最後にティール型組織になると、行き過ぎた個人尊重の姿勢から一気にホールネス(全体性)を持った組織が生まれ、階層は無く、権限、肩書きもない、また達成目標もない。
    ある工場の例では、毎年機械的に設定される改善目標15%を廃止した所、目標設定していた時よりも良い結果が出たとのこと。

    徹底的な性善説に基づき運営される組織になるが、この組織を実現するには、社員の自己啓発的な研修や組織のための議論をするための訓練を施し、ティール型組織を維持することが要とのこと。

  • 人々の可能性をより多く引き出せる組織とはどのような組織か?という問いを探究する著書。

    人間の歴史的な発達段階とリンクさせた組織の発達段階を整理し、それらを超越している「進化型(ティール)」組織を見出したうえで、その要素を体現しているパイオニア企業の事例をもとに未来の組織像が描かれている。

    過度なトップダウンで社員の意欲を削ぐこともなく、また過度な平等主義によるボトムアップがもたらす「決められない」組織にも陥らないための突破口として、

    ・自主経営
    ・全体性
    ・存在目的

    の3点がキーワードとして挙げられ、規模の大小や業態を問わない多様な事例とともに、その実現可能性が強調されていた(ただし難易度は非常に高い)。

    個人的には「自主経営」と「存在目的」への共感度が特に高く、最近小さいながらもチームで活動した際に意識・実践していたことと似ている概念だと感じた。

    「全体性」については、「自分らしい生き方」と「自分らしい働き方」をイコールで結べる人には受け入れられるだろうが、そうでない人には少し違和感が生じやすい概念かもしれない、と考えた。

    日本各地でも議論を生んでいるため、自分一人で消化するのではなく、様々な人と対話してみたくなる著書。

  • とにかく長い。ただ言っていることはと意外とシンプル。特殊ではない。

    自分たちの存在目的を共有した上で、社員の集団的知性に信頼を置き、社員自ら組織のニーズに基づいて自由に動いていける状態を作ろうよという話。外的要因ではなく内在的欲求で動く人に価値を置くべきだと。

    そしてリーダーはあれこれ指示命令や管理をするのではなく、組織を複雑なメカニズムで動く生き物と捉え、自らの情熱を持ち、自らが何者かを意識し、自らの創造性を発揮し、自らの方向感覚を持った独立したものとして尊重すること。さらには、その存在の声に耳を傾け、連携しそれが私たちをどこに連れて行ってくれるかを悟ればよいと唱えている。

    ゆえに、予測や管理(プランニングや予算策定作業)をするのではなく、その組織は状況を感じ取り、適宜対応するのが良いと。結局、予測をしても自分が統制しているという安心感を得るだけで、エネルギーと時間を浪費しているに過ぎないと過激な説明も。

    なので、上司となるリーダーは、自分が口出ししたいという欲求を抑え、仲間を信頼し続ければ、結果として、社員は常時に自分で考えて実践し、引いては人間の経験の全領域に触れながら成長していくとのこと。

  • 2018年14冊目。

    時代とともに人々の意識レベルは進化し、その段階に応じて、組織のモデルも次々と新たに生み出されてきた。
    この本では、それぞれのモデルを色のイメージで、
    ・受動的(無色)
    ・神秘的(マゼンタ)
    ・衝動型(レッド)
    ・順応型(アンバー)
    ・達成型(オレンジ)
    ・多元型(グリーン)
    ・進化型(ティール)
    と名付けてその特徴を振り返り、今この時代に現れ始めている「進化型(ティール)組織」の構造・慣行・文化を解き明かしている。

    「進化型(ティール)」になるための鍵は「自主経営」「全体性」「存在目的」の三つ。
    個人的に目から鱗だったのは「自主経営」。
    「よく言われる権限移譲とどう違うの?」と構えて読んだけど、「え、そこまでやるの?」と思うくらい、想像していたのとレベルが全く違った。
    具体的な取り組み方の事例も興味深いものばかりだけど、特にビュートゾルフのヨス・デ・ブロック氏と、FAVIのジャン・フランソワ・ゾブリスト氏のリーダーとしてのあり方には目を見開かされた。
    この二人自身の本を読みたいと思うほど。

    読んだ人たちの賛否両論が持ち上がってきていて、それをみるのもとても面白い。
    時代の変化が早まり、組織の段階(色)が変わるスピードもますます加速すると思う。
    議論のたたき台になって、建設的な実験がたくさん増えてくるといいなと思うし、自分自身もそれを意識したい。

    ※自社本に対する個人的なメモです。宣伝の意図はありません。

  • 「ティール組織」Frederic Laloux

    青年は幼年に比べて「良い」人間というわけではない。それと同じように、高い発達レベルにいる方が本質的に「良い」わけでは全くない。けれども、青年の方が幼児よりも多くの事が出来るという事実は残る。それは、幼児よりは高度に物を考えられるから。

    どのような発達レベルでも、問題はそのレベルが目の前の仕事に適切かどうかということ。

    どんな組織もリーダーの発達ステージを超えて進化することはできない。

    人々をその気にさせて実力以上の能力を引き出し、自分だけではできなかったはずの結果を成し遂げさせてしまう事が組織の真髄。

    恐れに置き換わるものは、人生の豊かさを信頼する能力。

    生き方の本質は二通りある。「恐れと欠乏感にまみれた人生か、信頼と潤沢に満ちた人生か。」

    ティールでは、意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行する。

    ティールでは、人生とは自分たちの本当の姿を明らかにしていく個人的、集団的な行程と見る。

    職業とは何かを突き詰めていくと、「エゴ」の本音を覗く事になる。それは誰もが日々意識している「自分」ではなく器としての「自分」を通して人生を送ろうとしている事実。我々が「自分の人生」と呼ぶ、表面的な職業の型にはまった経験の下には、実はもっと深い、もっと真実の、本来なりたい自分が送るべき人生がある。この違いを感じ取るには、時間と過酷な経験が必要。

    内なる魂の声を聞き、目的の深い意味に到達する個人は、恐れを全く知らずに自分の使命を追求できる。自分のエゴを抑制し、挑戦せずに後悔するくらいなら失敗する方がましだと考える。「大志を抱いているが野心的ではない人。」

    自分の深い内面と結びついていない人生の目標を設定する、つまり他人の顔を身にまとっていると、私たちは自分自身の強さの中に立っていない事になる。必然的に、自分には何か欠けており、自分の弱みを克服しようとするが、あるべき自分になっていないのは自分または他人のせいだと非難する。

    人生を自分の本当の姿を明らかにする行程だと捉えれば、自分の限界を現実のものとして冷静に見つめ、目に入るものを心穏やかにとらえる事ができる。人生とは元々素養がないものに無理してなろうとする事ではない。

    周囲の人々や状況には何が足りないか、何が間違っているかという事ではなく、そこに存在するもの、美しいもの、可能性に注意を向けるようになる。

    決めつけよりも思いやりと感謝を優先する。

    人、社会は、他人から解決してもらう事を待っている「問題」ではなく、本質が明らかになる事を待っている「可能性」である。

    ティール以前のステージでは、人生に立ちはだかる障害物は不運と見なされる。怒りや恥ずかしさ、他人を責める気持ちでこれに向き合うと、他人ばかりでなく自分自身からも離れてしまう。一方、ティールでは、人生における障害物とは、自分自身とは何か、世界とは何かを学べるよい機会と捉える。

    グリーンまでは、変化を恐れるが、ティールになると楽しい緊張となる。

    オレンジ的現代科学視点は、感情を警戒する合理還元主義。グリーンはその対極であるポストモダン。ティールはあらゆる領域を積極的に利用する全体論。

    ティール以前のステージでは、人と意見が異なると、対峙するか、寛容の名の下に意見の違いを取り繕ってすべての真実は等しく価値があるとする。ティールでは、自分の信念が優れている事を知るが、同時に他の人も等しい価値の人間として受け入れる。

    人は自己に誠実に向き合うと、自分がもっと大きな何か、人生と意識がお互いに結びついた一つの織物のようなものの一部、その一表現にすぎない事がわかる。

    どの組織形態でも組織の上位にいる人々がステージを上れば上るほど業績が伸びる。

    大企業の組織変革プログラムの成否は、CEOの発達ステージが大きく影響する。

    ティールの人は、自分の人生の使命を探す事に忙しいので、明確で崇高な目的を持った組織のみが密接な関係を築きやすい。収益性や成長、市場シェアよりも存在目的が組織の意思決定を導く原則となる。

    ティールは全体性とコミュニティを目指して努力し、職場では自分らしさを失う事なく、人と人との関係を大事に育てる事に深く関わっていく。

    権力をトップに集め、同じ組織に働く仲間を権力者とそれ以外に分けるような組織は問題を抱えて病んでいく。

    ティールは上下関係はないが、代わりに自然発生的な階層、つまり評判や影響力、スキルに基づく流動的な階層はある。

    コーチの役割は、
    ・予想できる問題を防ぐ事ではなく、問題解決しようとするチームを支援する。
    ・自分が優れた解決方法を知っていても自分たちで選択させる。
    ・考えるヒントになる問いをぶつけたり、自分の目に映ったチームの様子をそのまま見せる。
    ・情熱と強みと能力を引き出す

    ビュートゾルフでは、
    ・チームメンバーは12名を超えてはならない。
    ・特定のテーマに関する専門知識をどの看護師が身につけているかを社内SNSで確認できる。
    ・専門知識を蓄えるタスクフォースがボランティアで立ち上がる。

    スタッフ機能を大きくして実現できる規模とスキルによる利益よりも、モチベーションの低下による不利益の方が大きい。

    モチベーションの圧倒的な向上が生産性をはるかに高める方策。確実とされてきた規模の経済の方策は捨てる事。

    本当に素晴らしく心を高揚させてくれるものは全て、自由に仕事に励む個人によって創造される。
    -アインシュタイン

    グーグルの20%ルールが、ティールでは100%ルール。

    ティール人口は西側社会の5%。

    ティール社会はGDP成長率はなくなるが、人間関係、感情面、精神面でははるかに豊かになる。

    教育は、学習者一人一人が他社と協働しながら独自の学びの旅を創り出すような方式へと生まれ変わる。

    金融システムは、自分で貯めておいた資産があるからではなく、様々な共有関係が織りなす揺るぎない信頼があるからこそ安心できる社会、そして、何か必要性が生じた時にはお互い助け合える事を知っている社会。

    友情や関心のネットワークが真にグローバル化する。

    人類史上初めて、幸せな一握りの人々だけでなく、誰もが自分の使命感に従って、創造的に自己表現する人生を自由に選べる時代。

    ティールでは、宗教上の教義(アンバー)にも、現代の物質的な見方(オレンジ)にも満足せず、個人的な経験と慣行を通じて統合と超越を求める。宗教対立を解消し、非宗教的な精神性を通じて現代の物質的見方を変え、喜びと幸せをもたらそうとする。

    株主や寄付者はスチュアードシップホルダー(管理責任所有権者)に変わる。ホルダーは余ったお金がすぐに必要でなければ自分たちが大切だと思える目的に使う事ができる。配当はないが、資金提供者が不運に見舞われた時は、その人の貢献額等に応じて支援する。違いを助け合う仕組み作り。

    ティールに到達すると、将来を支配しようとする欲望よりも、豊かさへの信頼を高めるようになる。
    ティールの場合、存在目的の達成に向けて努力することの方が、組織の為に働く事よりも重要なので、組織同士が境界をまたいで協力する可能性が拡がる。

    人間の活動を体系化する簡単な方法は、世界は本質的に秩序だっていると認識する事。

    我々はこの世界を巨大な機械として見るように教えられてきた為、自分たちも機械なのだと考えるようになった。

    人間はとてつもなく生産性が高く、情熱的で、目的意識の明確な組織を作るだけでなく、社会全体さえ変える事ができる。
    もし私たちが人間性にあふれた世界に存在する事ができれば、一体何を実現できるだろう?

    ティールでは、これまでの階層関係が仲間同士のコミットメントに置き換わる。

    ティールの限界は現実の一側面、つまり顕在意識における具体的な経験の範囲に限られている。この先、情熱と精神の世界と直接協力できるティールを超えた組織が現れる。

  • セルフマネジメントには凄く共感を覚える。ただし、これを既存の組織にどう実装して自走させるかを考えただけで、気が遠くなり、ティール組織への憧レだけが募っていく。。。

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