ひとりの力を信じよう――「今あるもの」で人と地域の未来をつくる

著者 :
  • 英治出版
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762399

感想・レビュー・書評

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  • 2017年4冊目。

    「綿密な計画よりも、まずは目の前のひとりを動かす」
    というメッセージがとても強く伝わる一冊です。

    震災後、建物の8割は津波で流され、4,300人いた人口は1,600人にまで減少した石巻市雄勝。
    伊藤忠商事で6年、その後食品流通会社の創業と経営を経験してきた著者・立花貴さんは、雄勝への移住を決意。
    延べ5,000人のボランティアと2年半かけて廃校になった校舎を改修し、子どもたちが農業・林業・漁業を体験し、自律的に生きる力を養える複合型体験施設「モリウミアス」を立ち上げました。
    いわゆる「限界集落」と言われる状況にあった雄勝には、今では総人口を上回る何千人もの人々が毎年訪れるようになりました(中にはハーバードの学生が訪れるケースも)。

    「震災地」を「課題解決先進地域」に変えていくこれらのビジョンを、立花さんは最初から完璧に思い描いていたわけではありませんでした。
    震災後、まずはとにかく被災地へ行き、炊き出しをはじめとした「今目の前でできること」をとにかく大事に実行し、そこでの出会いや学びの中から、次のビジョンが生まれていく...
    東北と東京を600往復し、出会った人たち一人ひとりを自らの車で運ぶという、とんでもなく地道な活動をひたすら続ける中で、人のつながりを広げ、大きな変化のうねりを作り出していきました。

    社員研修として雄勝で受け入れている民間企業の総売り上げは合計で27兆円(GDPの5%相当)。
    行政官研修を受ける職員は全省庁の約5%。
    雄勝を訪れ、立花さんたちの事業に触れることでエネルギーを引き出された人々が、それぞれの仕事場に帰ってから本業をより良く変えていけば、とんでもなく大きなインパクトになる。
    「目の前のひとり」を動かすことで、そのひとりが自分の周囲を変えていく。
    そんなビジョンを、立花さんはありありと描いて見せてくれます。

    心が何かを感じたら、あれこれ考える前にパッと動いてみる。
    一歩動いたことでつながった人たちと、一歩動いた先で見えたものに対して、また次の一歩ずつを踏み出してみる。
    そうして少しずつ大きくなったうねりが、社会を良い方向に変えていく。
    そんな力強いメッセージを、この本を読んだ多くの人たちが受け取ってくれたら嬉しいです。

    ※レビュー筆者が所属する出版社の本です。ステルスマーケティングの意図はありません。

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