- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862762863
作品紹介・あらすじ
生き残りの鍵は組織カルチャーにある!
AGC(元旭硝子)の変革事例を軸に、
新規事業と既存事業を両立するための経営理論「両利きの経営」を提唱した
世界的な経営学者と組織開発の第一人者が語る、組織進化の理論と実践。
感想・レビュー・書評
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ポイント
・大企業ほどに高度に効率化されていることから、失敗が許されない組織になっている
→早く安く仕上がる方へ集中する仕事の回し方(PDCA)
→始める人や、勝手に始めてる人が圧倒的に少なくなってしまう。なので、指示待ちや、上にビジョンが無いと言われる
・組織カルチャーを否定する
→カルチャーは風土ではなく仕事の具体的な進めかた。会議一つとっても、企業、部門ごとに大きく違って、話す内容、議題の進め方、意見の出方、次のアクションに至るまでその組織の暗黙の声を包含する仕組み
・組織開発の最大の課題は、組織が変わるということのイメージを共有できていないこと。そして、組織への興味がないことか、戦略への関心が低いことに起因する
→古く流行仕掛けた組織開発とは、人材開発や対話であった。その当時の日本では、高度経済成長も相まって、多くが必要とされない状態だった(自然と効率化すれば利益になる、右肩上がりのハイモチベーション)また、日本は終身が基本の雇用だからこそ、組織や人材に課題を想うことは、大企業であるほどに低いもの。
⭐️キーワードは、この組織と人材で継続して、私たちは、今と未来のライバルに勝ち、顧客満足を作り上げられるか?を問うことかな。
・仕事のやり方は、最も他社には真似ができない自社最適の唯一解として、競争力の源泉になり得る
→Hondaのワイガヤ文化も仕事のあり方であり、理念に則った会社、従業員、仕組みだからこそ実現できて来たこと詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実はオライリー教授らの『両利きの経営』は、まだ読めていないのですが(間違えて柏の住所へ発送してしまった)先に実践本としてのこちらの本を読んでみた。 実に新しい本というところで今まで学んできたことがいろいろと多数表現されているなぁ、という印象だった。
その中でAGC(旧旭硝子)の変革の事例を解説し両利きの経営の具体的な内容に踏み込めており、いろいろと参考になることが多数あるなという印象。 例のアドバイスに従って二回連続で読んでみましたが、一回目よりも二回目に読んだほうがよりかみ砕けた印象かな。(一回目は少し穿って読んでしまったか)
個人的なレビュとするとよく言われているキーワードがちりばめられているので、まぁそんなところか。
「変革は経営者によるトップダウンとミドル・若手からのボトムアップがミートするところで起こる」という立場を強く提唱したいのなら、野中郁次郎先生らが20年以上前に提唱された「ミドル・アップダウン・マネジメント」との関連性や差異に関してもう少し踏み込んだ洞察が欲しかったなという意見があります。
(途中で参照元を読んでしまいキヤノンの三自の精神:自覚・自発・自治のスピリットに感銘を受けてしまった)
→ トップとミドルの相互作用で組織は変わる、というところへのナラティヴの溝か、適応課題の件か、対話の不足、か、キャズム、か。
流れで以下抜粋
============
P154 「バイラルチェンジ(感染的変化)」のアプローチだ。バイラル・チェンジとは、流行は他人の行動をマネする(コピーする)ことから生まれる、というシンプルな原則に基づいている。ある変革人材は部門を越えて他の変革人材を知っていることが多い。トップの意識表示を起点に、変革人材同士をつなぎ、お互いの活動が感染するようなコア集団を形成するのだ。
このアプローチにおいて組織開発コンサルタントは、メンバーに対するグループ・コーチング等のプロセス・コンサルティングを通じて伴走していく。外部支援者としての役割は、トップの目線と現場を知っているコア集団の目線をマッチさせ、本質的な組織課題(適応課題)を浮き彫りにすることにある。
(中略)
P155 私のこれまでの経験では、キャズム越えができる組織の特徴は、トップが立てた変革の旗(目的)に応じて、コア集団の中で変革のストーリー(ナラティブ)が語られ始めることだ。数値や課題だけではなく、当事者の内面(感情)が語られるようになる。俳句にたとえて言えば、トップが上の句を読み、下の句をメンバーが読むイメージだ。
「〇〇を目指そう」「そのために悔しいけど〇〇であることを認めて、〇〇を始めたいね」、「本来うちは〇〇な会社だ」「だから残念だけれど〇〇は諦めて、〇〇を極めよう」というように会社のビジョンや存在目的を核とした新たなストーリーが紡がれていく。
============ -
金言がたくさん。まさに実践知が詰まっている。
今大変な時期ですが、将来に向けてどう組織を創るのか?
まさに今考えたい内容でした。 -
大企業の経営者、働き方改革推進室的な役割を担う方、新規事業を担う方の全ての人に読んでもらいたい一冊。
自分がいいなと思ったポイントは以下にまとめてみています。
https://note.com/yuyanyan_0510/n/n0a88dc2231ae -
1.両利き経営とは何かを知りたくなった。チラッと見たときに、著者から3つの課題が与えられたので、自分なりに考えてみようと思って読みました。
2.複雑化、高速化する世界の中で、会社が生き抜くためには何が必要なのかを説いた本です。本書では、両利き経営によって変化に適応していくことが重要であると述べています。両利き経営とは、新規事業で稼ぐ攻めと既存事業を深堀する守りの2つから成り立っています。攻めについては長期的に生き残りができるようにビジネスチャンスを探索すること、守りについては既存事業にメスを入れ、脱皮を図っていくことです。
これらの能力を最大限に発揮するためには「組織カルチャー」の改革が必然だと述べています。組織カルチャーとは、仕事のやり方・姿勢という観察できる部分を意味しています。本書では、なぜ日本企業の組織カルチャーが変わらず会社が衰退していくのか、AGCを事例に述べられています。
3.
①組織が機能するとは?
社員が自身の役割を認識し、どうしたら会社が存続できるかを考えていくこと
現状維持のマインドを捨て、常に不安を乗り越えられるよう努力し続けられること
②組織が変わるとは?
成功体験に縛られず、変化するために組織カルチャーを改善できること
社員が変化に適応したビジネスを創造できること
③経営者の役割は?
社員が変化を恐れないように支援していくこと。
社員の現状維持マインドを打破するように語りかけること
会社のビジョンを社員と共有すること -
興味深く読むことができた。自分がビジネスの専門的知識が乏しいため、内容が難しいく頭に入って来にくい部分もあった。
-
守りと攻め、既存と新規、インプルーブとイノベーション両方をこなせる組織について。
チャールズ・A・オライリー氏の提唱した、両利きの経営を組織という面でどう取り組むか?
なんだしというCMの旭硝子改め、AGCの取り組みを例に解説。
わかりやすい。 -
仕事柄、会社内のトップからボトムまでの人の話を聞くことが多く、経営者と労働者の思いのすれ違いに歯痒い思いをすることが多かった。
結局は対話が必要だと思っていたけれど、この本を読んでその意識がさらに強くなった。
結局全員で対話することはできないけれど、トップが思いを伝えて、それに呼応するミドル層や若手が反応して組織カルチャーを作り替えていく流れが、一つの道筋になるようだ。
組織を変えようと意気込んでいた僕にとって、下の言葉は心に響いた。
『組織開発は組織を「変える」のではなく、組織が「変わる」を支援する取り組み』
また、組織開発の話は、経営者の防衛反応を引き起こすとも書かれてあり、経営者と話する時も自分の思いを前面に出しすぎないことを肝に銘じた。
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読みやすかった。
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両利きの経営とは、「既存事業を深掘りする」と「新しい事業機会の探索する」こと、そしてこれらの相矛盾するものを成立させるという3つの「組織能力」の獲得を目指すこと。
ということで、組織に関して書かれている本。
そして、この組織に関して、経営者によるトップダウンとミドル・若手からのボトムアップがミートするところで組織カルチャーを変えていくことが大切とのこと。
つまり経営層だけでなく、現場の人間も組織の問題意識を持つ(経営層に持たせる)必要があるので、経営者だけでなく、現場の人も一読の価値あるかと。
下記のメモにあるアラインメントの意識を持つことが本書で学んだ1番のこと。
以下メモ:
「アラインメント(結合)」という言葉。
事業を進めるにも、組織形成をするにも、アラインメントが必要であるということ。
こんな当たり前のことが、大企業でも(だからこそ?)できていないということ
量産化に必要な3C(Customer,Capacity,Capability)
1.顧客 顧客へのアクセス
2.既存の経営資源 生産技術、生産設備、物流、サービス
3.新しい組織能力 人材、スキル、ノウハウ、カルチャー
経営が意思表示(存在目的:WHY)を明確に示し(示すことでフォローワーができる)、そのWHYに従った戦略(何をするのか:WHAT)と組織(どうするのか:HOW)を決める。そして適切なタイミングで価値判断を行うことで組織変革は定着する。
脱皮できない蛇は滅びる、意見を脱皮してゆくことを妨げられた精神も同じことである。 byニーチェ
著者プロフィール
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