- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863100558
作品紹介・あらすじ
都新聞の花柳演芸記者を勤め、長唄、清元など演芸全般に通じた粹人平山蘆江は、泉鏡花、喜多村緑郎らと夜な夜な「怪談会」に打ち興じる怪談好きとしても知られた。本書は、蘆江がものした怪談小説十二本に随筆「怪異雑記」の附録つき。「火焔つつじ」など二三の作品がアンソロジーに収録されただけで、令名のみ高く、その全貌を見たものが殆どいなかった幻の怪談集を、昭和九年の初刊以来七十五年振りに復刊。
感想・レビュー・書評
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読解の授業で
平山蘆江の怪談「火焔つつじ」が出てくる問題があり
平山蘆江という人を知った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
公文堂書店にて購入。
とある百物語の夕べに参加したときに、出席者の方が仰った「妖怪変化よりも人間の方がよっぽど怖い」という言葉が耳に残っている。この本もそんな感じ。
にしてもウェッジ文庫はいい本があるなぁ。休刊してしまったのが残念で仕方がない。 -
悪業地蔵、鈴鹿峠の雨、を聴いた。
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「文豪山怪奇譚」で「鈴鹿峠の雨」を読んていたためなんとなし期待していたら大当たりだった怪談集。
怪談12話+雑記、そのうち情愛の絡んだ「悪業地蔵」「縛られ塚」は凄まじく、花柳演芸担当だったという蘆江の筆も冴えている気がしますが、個人的にはそれよりも「怪談青眉毛」「火焔つつじ」のようにさらりと語られるくせに人間の業の深さを思わせられるような作品に惹かれました。
岡本綺堂に洒脱さと茶目っ気を多分に加えたような語りは終始小気味良く、猛暑日の不快さを和らげてくれた一冊でした。
また来年の夏、読み返したいな。 -
この家は妙な家だ。表には首なし地蔵、裏には縛られ地蔵、一体何のいはれでこのお地蔵様たちは、あんな惨たらしい責苦にお逢ひなさるのだらう。(『悪業地蔵』)ーー都新聞の花柳演芸欄を取り仕切った粋人ジャーナリスト=平山蘆江の怪談小説十二編と、随筆「怪談雑記」を収めた作品集。
「幻の怪談集、75年ぶりに、遂に現わる!」という惹句や東雅夫の解説を先に読んでいたのですごく期待したのですが。。嫌いでない…というかんじで、どうやらぼくは怪談についてのリテラシーが低いみたいで、もっとおどろおどろどいしいか、ゾッとするような話の方がが好きです。 -
時代物の怖い話。
不義密通で切り捨て御免、花魁と町人の心中、徒歩による旅で道に迷う、妻妾同衾、等、現代にはないテーマの怖い話なので、結末も現代にない終わり方が多いです。 -
語り口、洒落たどんでん返しとか
大衆小説だろうが、情念を描こうが清々しい。