だれかを犠牲にする経済は、もういらない

著者 :
  • ウェッジ
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863100701

作品紹介・あらすじ

欧米で活躍する「日本一の事業家」原丈人と、「日本一の金庫番」金児昭が、新しい経済システムを提唱し、実践しつつある。自信を失った日本人に勇気を与えてくれる、体験的提言集。

感想・レビュー・書評

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  • お金
    経済

  • ・会社がお金を儲けて、その利益を使って何らかの形で社会貢献する
     それを「公益資本主義」と呼ぶ。

    ・元手を使って利益が増えることこそ、会社経営の最大の目的。

    ・日本は公益資本主義を理解できる

  • 原丈人さんの本ということで手にとった一冊。
    原さんはもともと考古学をやっていた人だが、そこから発掘資金を稼ぐためにと、スタンフォードで経営学や工学を学ぶ。
    スゴイキャリアチェンジだなと思い、どういうことを考えている人なのかと思って読んでみた。

    金児昭さんとの対話なのだが、近年の(といっても本書の初版は2010年だが)経済は金融資本が短期的利益のみを求めて動くため経済が混乱しているとしている。そして一部の株主のみが富を独占する傾向にあるとして、長期的な投資の視点や、地道にコツコツとをやらなければならないと語る。

    しかし、どうなんですかね・・・初版から5年経った今。
    市場というか、世の中的にはまだ新(Neo)自由主義、金融経済優先の雰囲気もある気がするんですが・・。

    それに原さんはユビキタス社会の到来を予測していて(先見の明だなぁ)、そこでは日本がリーダーシップを取れるんじゃないか、2015年にはパソコンなんてなくなるかもね!なんてことを言っていたりするのですが、まだパソコンはあるし、日本が得意な小型化便利化が活かせるはずのユビキタスな分野(スマートフォンやウェアラブル)も結局はアメリカ発!って感じでしたしね。
    日本もう少し頑張れ(私も)!


    あと個人的には、やっぱり対話形式の本は読みにくいと実感。
    とりあえずもう少しほかの原丈人さんの本も読んでみたいと思います。

  • 分かりやすい。分かりやすさが物足りない人も多いのだろうが、僕にはこれで十分。

  • グローバル経済を追っていかなくても良い。
    ただ原点回帰のような部分が引っかかりもした。

  • 名古屋駅で帰りに読む本が欲しくてキオスクで選んだ本。
    さすがキオスクにあるビジネス書はJR系出版社ウェッジからのもの。
    前から思ってたんだけどウェッジ社って組合系の色が濃いのでは。
    この書籍もゼロサムゲームを追求してしまう欧米スタンダードの金融資本主義を否定してより社会全体に貢献する公益資本主義という考え方を提唱している。語り手の原丈人さんは日本人にもこんなにグローバルな人がいるんだなぁと関心したし、もうお一人の金児昭さんはあの信越化学で経理・財務をまかされていた方と異色にも思われる人物の対談形式。欧米型の資本主義はいずれ限界がくると感じていたけど公益資本主義という考え方は確かに日本人の考え方にフィットするかも。日本が世界を変える日がくるのか。

  • 原さん良いです。
    今の日本で貴重な、尊敬出来るまともな人間だと思います。
    内容は、国富論とかなり被っていたような。ですが、このお人の訴えている内容は、将来すごく大切になる考え方だと思うのです。
    共著のもうひと方はすいません。存じ上げません。
    元気になります。
    なにが大切な事かを気付かせてくれます。
    この人に認められるような事業を起こしたいです。勝手に第二の師匠と呼ばせてもらいます。

  • 購入して失敗。。原丈二さんの新刊かと思いきや、ただの対談本で、目新しい原さんの話もなく、ただただ時間とお金の無駄でした。 事前に確認するべきでした。

  • ショッキングなタイトルと、アマゾンのレビューが高かったので、思わず買ってみたんですが…拍子抜けな内容ですね。
    公益資本主義のことは大枠でしか分からず、大した事はありませんでした。中盤からは著者2人のヒストリーがダラダラ書いてあるだけで、2人の処世術は到底誰も真似できるようなものではなくて参考にはなりません。行動力と運に長けたある種の自慢話で、面白くありませんでした。「『成功者の言葉しか世の中には残らないから『やればできる』が格言になる」という言葉がぴったりです。

    選択肢が無いんですよね。今までとは違う方法の途上国支援(途上国側から先進国にお願いする)は確かに素晴らしいのですが、その根底には『途上国はいずれ先進国みたいに発展していく』モデルを推奨し、それを押し付ける格好に違和感を覚えます。世界はそれぞれ立場や背景や環境の違う国で有機的・ダイナミックに影響しているわけだから、今の先進国の在り方そのものが否定されるかも知れないし、『この商品はものすごく良いから買って周りに広めてよ!』という押し付け、マルチ商法にも似た価値観をゴリ押ししている感が拭えません。
    確かに昨今は資本主義システムではうまく機能しない面が露呈しているので転換期にいることは間違いないでしょうが……なんかうまくまとめられません(笑)

    排出権取引制度の弱点を指摘した件はなるほどと思わせるものがあり、その点は良かったです。
    排出権取引制度、もとい二酸化炭素の排出権は他国間(特に先進国対途上国)の公平さが求められるので拙速な議論を排してほしいと思います。

    会社は自社製品やサービスを売って利益をあげなければ存在する価値がないのです、の件について。利益を出せないのは価値がないからだと一刀両断するのはあまりにも軽々しく思います。それは、『価値がないから利益を出せない』と思い込んでいるだけかも知れません。力が発揮されないまま埋もれていく会社や製品なんて探せばいくらだって出てきそうだし、地動説だって当時は価値がないものと思われていたのに、現在では地動説が証明されて既成事実として受け入れられています。ちょっと乱暴すぎますね。

    日本企業は従業員や取引先と長期的な信頼関係をつくる能力が高い云々の件は、それは日本人の戦略の一つであって、社会心理学者の山岸俊男氏から言わせれば『リスクを背負わない安定志向』と言われるでしょう。グローバル化の激流の中、もっと積極的に他者と関われるようになる方が視野が広がるし良いのではと思います。よって著者の意見には賛成しかねます。疑問が残りますね。

    金児昭氏のペコペコ主義は共感を覚えません。少しでも良いものを、と改善していくことは素晴らしいことですし、そのための議論はするべきだと思います。それを「上司には逆らわないでペコペコしておくほうがいい」なんて進めるから、日本の閉塞感がいつまでも打開できずにいるんですよ。まったくもって「ふざけるな!」と言いたい(笑)
    反対に、出たとこ勝負は共感します。狡猾で予定調和のなかで過ごしても実力は伸びません。出たとこ勝負、崖っぷちに立たされたような気持ちで物事にぶつかっていく気概は誉められるべきもので、そういった効力感を根絶やしにしないようにしなければなりません。

    あと、読んでて僕は本書を評価しませんが、なぜにアマゾン等のレビューが高いのかと思ったら、著者が好きな人がレビューを書いているからなんですね。僕は著者のことをまったく知らないで読んだので、割とニュートラルな思考で読めたと思いますが……それにしても、著者を知っている人が読んでも、そう大したことのない対話じゃないのかなぁと感じます。結局議論が浅いので、この程度のことなら誰だって思いつきで言えるレベルです。それでも高いレビューを考えると、所謂『狂信者』が高評価にしているんじゃないかと疑いたくなります(笑)

    総評して僕の評価はBにします。

  • 2年ほど前に「ほぼ日」でその存在を知って以来、関心を持っていた「すごい人」原丈人さんだけど、著書を読むのは初めて。原さんの目指す新しい経済システム「公益資本主義」について語られますが、対談を軸に構成しているため、私の味わいたかったエキスは大幅に薄められてた感じ。対談相手の金児昭さんの語る内容にはあまり興味を持てなかったので…。原さん個人の著書「21世紀の国富論」や「新しい資本主義」を読んだほうがよかったな。でも原さんが少年~青年時代にたどってきた道のりについての話は一読の価値あり。彼自身が発掘、育成してきた企業はすべて、彼が愛し情熱を注いでやまない「考古学」に貢献する技術にかかわるもの、というのも面白い。夢中になれる何か、それに貢献する技術を磨き上げるというモチベーションが、考古学にも、国際貢献にもなりえているという「一点突破」のエネルギーになっていてすばらしい。

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著者プロフィール

アライアンス・フォーラム財団代表。27歳まで考古学研究を行い、光ファイバー事業会社を創業。90年代、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストに。米英Israelで情報通信、ライフサイエンス分野のベンチャー企業を世界的企業へと成長させた。デフタパートナーズ グループ会長、WAF@SFO再生医療会議議長、内閣府本府参与、大阪大学医学部招聘教授。

「2016年 『BIOCITY ビオシティ 65号 健康寿命を中心にすえたまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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