李登輝より日本へ 贈る言葉

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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863101241

作品紹介・あらすじ

覇権的野望を隠そうとしない中国、内向きの米国。日本はどこへ。指導者不在の世界で、アジアにその人ありと謳われる元台湾総統・李登輝。日本と中国の本質を知りつくした哲人政治家が、再生日本に向けて綴る「気魂と友情」にあふれた叡智の数々-。

感想・レビュー・書評

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  • 「誰が言ったかではなく、何を言ったかが重要」だとする論があるが、時と場合だが、多くの場合、この考え方は間違えている。死ぬ寸前の父が話す言葉と同じ文章を見つけたとしても、その意味や受け止めは異なる。この本は、李登輝が残した書という意味で一言一句に大きな意味がある。第二次世界大戦前に京都帝国大学にも通い、日本人として一時を生き、台湾の総統を務めた。そして、2020年7月逝去。激動の歴史を生き、国家間のプロパガンダに塗れた外交的詐術の中で、偽りないリアルを語れる数少ない政治家だったと思う。読む事が躊躇われていた一冊だ。

    毅然として向かえ、リップンチェンシンを取り戻せ。知識や能力だけではない、信念や矜持を持つためには「精神的な修養」が大切だ。まさに、正しい意味での精神論であり、身の震える思いである。

  • 博識、慧眼、そして親日の台湾元総督である故・李登輝。ニュースからは見えてこなかった、同氏の優れたリーダーシップが見えてくる一冊である。日本人論、中国人論として読んでも面白い(ちょっと日本びいきがすぎるところもあるが…)。過去から現在まで、日本と台湾の関係についてもよく分かる。

    2014年発行の本ながら、今の香港の状況を予見していたのか、「『一国二制度』はあり得ない」と述べている。

    一時期、台湾も過度に中国よりな時期があったが、香港の現状を見ていれば、さすがに一つの国になることにヤバさを感じているだろう。

    今、これだけの見識や胆力を持った世界のリーダーが誰かと問われると、すぐには思いつかない。惜しい人物をなくしたものだ。

  • 2020.08.20 予約
    2020.09.06 借りる
    2020.09.13 読書開始
    2020.09.19 読了
    2020.09.24 書評
    http://naokis.doorblog.jp/archives/Lee_Teng_Hui.html

  • 日本人の素晴らしさを紹介したもの。目からウロコとはこのこと。一度身の回りを見直すいい機会になる。

  • 何度も泣けました。生まれて初めて、大きな父性愛に触れた気持ち。報いたいと自然に思える。

  • 何故、台湾の現政権は中国寄りなんだ?という素朴な疑問が解消してスッキリ!

  • 多少日本ひいきなところもありますが、日本のことを褒めてもらえると悪い気はしませんね(^^)
    日本の政権の弱腰外交に対する苦言や武士道の重要性を説かれておりました。
    もっと台湾のことを知りたいと思わせる一冊でした!

  • 台湾総統の著者の自伝と日本に対する意見。
    彼の立場を考えるとそのとおりなのかもしれませんが
    少し意見が偏っているぶぶんもある気がしますが。
    おっしゃっていることは十分に貴重な大事な話
    だと思います。

  • 台湾の李登輝(りとうき)元総統から日本人への熱いメッセージです。彼は自分で新渡戸稲造「武士道」の解説本を出版する等、日本人に愛着を持ってくれています。愛情あるメッセージが故に、的を得た事ばかりで、読んでいて恥ずかしい部分もありました。そして私は、どれだけ上辺だけの知識が多かったかを実感させられました。ちゃんと物事の真髄や意図を見極めた上で解釈しないと、自分の思いと逆の行動をしてしまったり、強い思いのある者に扇動されかねません。物事の真髄や意図を見極めるためには、広く深く学び続ける必要がありますね。そう考えると、色々と重く圧し掛かってきますが、日本精神を自己再教育させます。

    本書は殆どの日本人にお奨めできる素晴らしいものです。ついつい莫大な引用文になってしまいましたが、それだけ心に感じる部分が多かったと言う事です。ぜひ読んでみてください。

  • 教育の力。日本統治下の教育はとても素晴らしかったと。最後にも、やはり教育の重要性を説いている。台湾人の氏が、これだけ日本教育を褒めると、説得力ある。
    台湾は、移民の国であると。そして、移民の文化が積み重なり、今の台湾が形成されていると。

    中国の体制を批判。人民の声を聞かない指導者がいけないと。なぜこのような指導者がうまれるのか?やはり、教育の問題なのかな?

    権力は借り物。いつでも捨てる覚悟を政治家は持つべきだと。

    日本は、美との協調。自然を愛し、そして恐れることが文化として残っているのではないか。

    日本人として、いかに矜恃をもつか、それは、皮相的なナショナリズムではだめで、内面から自然と出てくるものであろう。無理に持つ必要はないのかも。

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著者プロフィール

1923年台湾生まれ。元台湾総統。農業経済学者。米国コーネル大学農業経済学博士。京都帝国大学農学部在学中、終戦のため学業半ばで帰台。台湾大学に編入し卒業。米国アイオワ州立大学大学院を経て、台湾大学教授。71年に国民党入党、72年行政院政務委員として入閣。台北市長、台湾省主席などを歴任。84年に蒋経国総統から副総統に指名される。88年蒋経国の死去にともない総統に昇格。96年台湾初の総統直接選挙で当選し第九代総統に就任。2000年任期満了で退任。07年第1回後藤新平賞受賞。20年7月30日死去、享年97。

「2021年 『人間の価値 李登輝の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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