戦略の地政学 ランドパワーVSシーパワー

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863101869

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  • 1〜6章は基本的な知識のおさらい(もしくは入門)、
    7〜8章は現代日本への提言。

    地政学史のおさらい=========

    ■英マッキンダー:講演『歴史の地理的重心軸』
     ハートランドと三日月地帯、ランドパワーとシーパワーの用語と概念を提案した。

     ハートランドを押さえたものが世界島、世界を支配する。
     周辺の国々は外洋交通手段を手に入れたことで「シーパワー」となり、ハートランドの「ランドパワー」と対抗できる。

     ランドパワー:土地に対する執着が強く、支配地域を拡大しようとする攻撃的な傾向がある
     シーパワー:土地獲得よりも交易による権益を守ろうとする傾向が強い。

    ■米スパイクマン(戦間期〜WW2):
     ハートランドと「リムランド」の対立構図
     アメリカはシーパワーの国家であり、世界を制するためにはリムランドと積極的に同盟しハートランドを封じ込めるべし。
     ランドパワーの「封じ込め」理論がトルーマンドクトリンにつながる
     ・アメリカはリムランド諸国と同盟を結ぶこと。
     ・アメリカを排除したリムランド同士の同盟は認めないこと
     ・ハートランドの国に、リムランドの国を支配させないこと。

    ■米マハン:強力な海軍力による外洋進出、国家戦略としての商圏拡大がシーパワー国家の発展には必要
    ■独フリードリヒ・ラッツェル:政治地理学
     国家そのものが生き物であり、「生存圏」拡大が不可欠となる▶︎国家は力を行使してでも領域を獲得しなければならない
    ■スウェーデン チェーレン:
     ラッツェルの思想を受け継ぎ、国家の膨張と超大国の台頭に理論的根拠を与えた。
    ■独ハウスホーファー:
     ラッツェルとチェーレンの思想を受け継ぎ、世界を4分割してその一つをドイツが支配するという構想を示し、教え子ルドルフ・ヘスによりナチスドイツの政策理論となる。

    世界各国の伝統的戦略=========
    ■ロシア
     不凍港を求めて南下政策
    ■アメリカ
     モンロー主義と、リムランド支援を行ったり来たり
    ■中国
     ランドパワーとして:中華思想による大統一主義
      周辺民族を含む世界支配モデルであり民族独立は認めない。強権で抑え込む。
     シーパワーとして:世界進出
      九段線・第一列島線・第二列島線・一帯一路

    ★日本への提言============

    新たな「日英同盟」による、日・米・英の正三角形安全保障

    日本とイギリスは「リムランド」の両端に位置するシーパワー。
    中露のランドパワー同盟と鋭い利害関係が発生している同士。
    「ネットワーク型安全保障」を世界で一番多く結んでいるアメリカ・イギリスと同盟することで、世界のネットワーク型安全保障の力を得られる。

    「ハブアンドスポーク型安全保障」と「ネットワーク型安全保障」

    ハブアンドスポーク型:アメリカ(ハブ)との1対1。日米安保、米韓同盟など。
    ネットワーク型:多対多。NATOなど
     
     
     

  • 経営戦略上、極めて重要な要素である地政学だが、恐らくは戦争アレルギーの為に日本では学ぶ機会が少ない。本書はそんな地政学初心者でも読みやすいよう、学術的な記載は少なくも、シーパワーや極東、戦略上いかに日本国が重要か等、地政学のキーワードが理解できる構成となっている。

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