もぐ∞(もぐのむげんだいじょう)

著者 :
  • 産業編集センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863111660

作品紹介・あらすじ

ほぼ、書き下ろし!!
詩人・最果タヒが、「食べる」について綴った異色のエッセイ集登場!
食べ物へのあきらめ、偏愛、「好き」という感情について語りつくした自由度無限大の一冊。
「ぼくの理想はカレーかラーメン」「大人は温度を食べている」
「良いサンドウィッチはミステリー」「ジャジャーン!ポールエヴァン!」など25作品収録!!

味覚は、人間が外部を「感じとる」ための道具なわけだ。
だとしたら、その味覚は幸せを呼ぶためだけのものでも、飢餓状態を回復するためでもなくて、
世界を見るためのものかもしれない。(「担々麺経由世界行き」より抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • 詩人・最果タヒさんの、食に関するエッセイ。
    詩集は読んだことがないので、これが初読みになる。
    ありきたりの感想だけど、やはり詩人だけあって感性・表現が独特だなぁと思う。
    ちくわ天を語るためにはうどんへの愛を語らなくてはならない、
    抹茶ソフトを受け入れられない話から、どうしてみんな恋愛を受け入れるのか、永遠の愛なんてないはず、とか発想の飛躍がすごい。
    おもしろいと思えるものから、なんでそこ???と思うものまで、バラエティ豊か。
    読み終わったあと、食べ物エッセイを読んだ!という実感はあまりない。最果さんの食へのこだわりを通して、人生観、生き方、価値観に触れたというか。
    詩集はハードルが高い気がするけど、こういう形のエッセイをもっと読んでみたいと思った。

  • どこで紹介されていたのだろう。
    タイトルや著者名になぜか惹かれたようだ。

    食べ物の纏わるエッセイを、独特な視点で語っている。
    装丁も文字色もブルーとオレンジ?でPOPな感じ。
    そのせいか、異世界に迷い込んだよう。
    しかし、連続で読むと目が疲れる。
    やっぱり文字は黒がいいとと初めて認識した次第(笑)

  • パフェ最強説を唱えた著者は正しい(あくまで主観)。冷たくて口の中で色彩豊かなハーモニーを奏でてくれるアイスに、ケーキもポッキーもマカロンや和菓子だって乗せて一度に味わえちゃうんだ、最高スマイルが出ないわけ無いよ。猫舌な私には、湯豆腐や小籠包は味ではなく温度を感じる為のもの、という意見に共感。だって熱いものって味を感じられる頃にはふやけてるの。好き嫌いの激しい私でも、毎日食べられるくらい堪らなく好きなものは確かにあった。私の好きなものを貴方に求めたりはしない。私も貴方色には染まらない。だけれど「貴方の好きなものは何ですか?」聞きたい。貴方を知りたいという気持ちがあるから。

  • ここ最近本が読めないだけでなく、読めたとしてもあまり面白いと思えなくなっていて、随分な不調に悩んでいたのだけれど、この本は本当に面白かった。
    この一年くらい最果さんの本は色々読んできて、詩はわかったりわからなかったりという感じだったけれど、エッセイの方が筆者の独特なものの見方とか感じ方がわかりやすく伝わってくる。
    「食」エッセイというのはジャンルとして古いというか、いろんな人が今まで書いてきているジャンルだけれど、最果さんは「私、食には一家言あるんです」みたいな説教臭さが全然なくて、あくまでポップに食べることについて語っている。とにかくポップ。error403さんの絵もかわいい。
    「友達の家のお母さんが作ったみたい」なコメダ珈琲の「小倉ノワール」はぜひ食べてみたいと思った。
    図書館で借りた本だけど、これは手元に置いておきたい…。

  • 初めて読んだ最果タヒさん作品。
    ひとつの物事に対し、こんなにも様々な思考を巡らせるのか…!と、なんだか圧倒されてしまった。

    ●慣れてしまえば単純さは、幼稚に見えることもあるんだろう。
    たべものの話をしていたら、食い意地が張っていると笑われてしまったこともある。
    まだそんなことで感動してるの?まだそんなことで大騒ぎしているの? なんて言われるのも、そりゃそうか、とは思う。そ
    れでも。幼稚な時間のほうが毎日がまぶしかったのを、私は覚えてるんだよ。
    食べることにこだわりがあるわけでも、新しい味を追求しているわけでもない。それでも、私は数百回目のハンバーグやカレーやから揚げに感動がしたい。どうせ、生きるためには食べていかなくてはいけないじゃないか、毎日何かを口に運ばなくてはいけない、それならそれを一つのきっかけだと思ったほうが、風穴が空いて気楽じゃないか。
    今日は、何を食べよう。とても疲れているけれど、今日はどんなおいしいものを口にしよう。
    たしかに、食い意地、張っている かもしれないです。私はこれからも、食べることが大好きです。

    あとがきのこの部分には、うんうん頷いてしまった。

  • パフェは天才。
    その考え方が素敵で手に取った一冊。

    食べ物への考えはもちろん、それを通して感じる日常の些細な喜びや切なさなどの著者の考えも書き綴られています。なんだか友達とのお喋りのような気軽さと、哲学書のような深い思考を行ったり来たりするような、そんな不思議な感覚でした。

    自分の普段感じていることを文字で素敵に表現できる才能って素晴らしい。

  • 「パフェはたべものの天才」このフレーズのインパクトに惹かれて読んでみた。
    ちくわ天、小籠包、コメダ珈琲の小倉ノワール。その他様々な食べ物についての思いが綴られた一冊。「グラタンへの愚鈍な好意」など各話のタイトルとそこに添えられたイラストがどんな内容なのかワクワクを掻き立ててくれる。
    本文の字は各話ごとに赤、緑が交互に採用されていて華やか! 食べることが大好きな作者の、大好きなものへのトキメキが伝わってきて楽しくなる一冊。

  • 暇つぶし

  • 食べることをテーマにしたエッセイはたくさんあるけど、詩人らしさ、というかタヒさんらしさをひしひしと感じた。
    食べるというごくごく日常の行為にこんなにもたくさんの感情を見出し意味を考えている詩人の頭の中、忙しそうだけれど、ちょっと羨ましいな。

  • 「食べる」について綴いたエッセイ

    赤と緑の文字で交互に書かれてて「はてしない物語」みたいだなと思った

    ところでこの∞、無限大乗っていうんですねリボンみたいで可愛い

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著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
詩人。一九八六年生まれ。二〇〇六年、現代詩手帖賞受賞。二〇〇八年、第一詩集『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。二〇一五年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。その他の主な詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(二〇一七年、石井裕也監督により映画化)『恋人たちはせーので光る』『夜景座生まれ』など。作詞提供もおこなう。清川あさみとの共著『千年後の百人一首』では一〇〇首の現代語訳をし、翌年、案内エッセイ『百人一首という感情』刊行。エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』『もぐ∞【←無限大記号、寝かす】』『「好き」の因数分解』、小説に『星か獣になる季節』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな嘘つき』、絵本に『ここは』(絵・及川賢治)、対談集に『ことばの恐竜』。

「2021年 『神様の友達の友達の友達はぼく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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