ホーダー 捨てられない・片づけられない病

制作 : ナショナル ジオグラフィック  春日井晶子 
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
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本棚登録 : 113
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863131316

作品紹介・あらすじ

「片づけられない!」誰でも経験したことがあるこの問題が、生活困難にまでエスカレートしてしまうのはなぜなのか。片づけができない原因の1つとしてADHDは知られるようになったが、原因はもちろんそれだけではない。また本書では、ホーダー自身の事例のみならず、家族がホーダーである場合、ホーダーの親を持った子供への影響、子供によるホーディングなども取り上げる。積極的にホーディング問題に取り組んできた第一人者が、物質社会特有の病をさぐる。

感想・レビュー・書評

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  • ゴミ屋敷の住人たちは何を考えているのか。


    物を溜め込む行為を「ホーディング」、過剰にモノを集め、溜め込んでしまう人のことを「ホーダー」という。
    ホーダーはあらゆるものを集め、溜め込み、そして、決して捨てない。

    ワイドショーなどで話題になる、いわゆる「ゴミ屋敷の住人」や「ねこ(犬)屋敷」の住人について、彼らがなぜそのような行為をしてしまうのかを、心理学や社会福祉の立場から研究した一冊(心理学教授と社会福祉学教授の共著)。

    ホーダーに共通しているのは、他人ががらくたと思うものに対し、それぞれ独自の意味を見いだしている点、自分の物が捨てられることに対し、自身が傷つけられたような強い拒絶反応があることだ。しかし、それぞれの背景は多様で、重大な精神障害を抱えているケースもあれば、過去の深いトラウマが原因である場合など、対処法も一筋縄ではいかないことが、多くの事例で紹介されている。
    小説のように、どれも晴れやかな成功で終わることはなく、解決策のないままの話、失敗の事例、改善と再発を繰り返すケース、さらに状況が悪化してしまった場合も含め、何編ものドキュメンタリーを観ているような構成。

    ホーディングについては、家族や周囲の人間だけでなく、ホーダー自身も問題を感じ、苦しんでいる…という点が丁寧に語られている。「理解できない迷惑な住人」ではなく、ひとつの病を抱えた人として、その特性を理解することも必要だと考えさせられた。

    【今月のおすすめ/2012年4月】

  • アメリカにおける片付けられなくて捨てられなくて人生に支障が出ている人達の実例を挙げてそういった人達が物を集めだした起源とかを丹念に掘り下げている。

    そして結構人口比率的に多いってのに驚いた。
    まあ日本も潜在的には多いと思うけれど。

  • 「ゴミ屋敷」、「片付けられない人々」などと簡単な言葉ではなく、「ホーダー(貯蔵する人)」はなぜモノに捕われているのかを深く分析しています。

    そもそも、『モノを持つことによって幸せになる可能性は、私たちの経験から来るのではなく、「持つ」嗜好を強調した賢いマーケティングにあるということ』らしい。

    そして、「ホーダーはモノを通して世界と繋がろうとしている」。つまり、「私たちは自宅にモノを所有するが、同時にモノに所有されている」。

    我々は巧妙なマーケティングによって、以下の構図の中で踊らされていることに気が付く。

    ”持つことが幸せ”

    ”モノを持たされている”

    ”無くなると不安”

    ”捨てられない”

    ”モノに囲まれていれば安心”

    しかも、このモノは、”使い道”が重要ではなく”可能性”が所有者にとって最も重要。
    ホーダーは病気といえば病気なのだが人災といえば人災なのである。

  • 米国人口の2%にもなる強迫性貯蔵症、長期にわたる交流と調査、暮らしぶりや心理状況についての事例集。

    片付けられないのって、単にサボってるだけと思っていたのですが、もっと根源的なものだったのですね。モノあふれの時代だから発覚した。研究・支援は一足先のアメリカ、じき日本にもやってくるね。

  • 解決できなかった例が多い。

    物それぞれに来歴を見いだしてしまう。それ故に捨てないし、溜める行為を続ける。他人事ではない。

  • ここで描かれているモノを貯めこむ傾向というのは自分にとって思い当たる部分もあってずいぶん耳が痛い。物に執着するという根底には、その物に「物語」を持たせているというのは、まさにその通りだなあ。例えば買った本とか、その本を買ったときの記憶と結びついている。それを手放すということはその自分の過去と思い出が切り離されるという感覚があってそれが痛みになる。

  • ホーダーとは聞き慣れない言葉だが物を集めて捨てられない人のことである。
    趣味がよく他人も価値を認めるならばそれはコレクションと呼べるが、ひどい例では部屋中に物があふれている。
    理由は様々。

    人にはわからない価値を見つけて物を集める人、子供が貝殻や石を集めるのが行き着いたらこうなるのか。
    物と記憶や愛着が結びついて捨てられなくなる人。ある人は電話番号が描いてあるメモを捨てられない。
    この電話番号には何か意味が有るはずだからと。しかしその電話にかけて確認することはしない。
    動物ホーダーもいる。とにかく動物を集めてくるが世話を仕切れず殺してしまう。
    そして動物を救おうとしていたはずが動物虐待をしたとして処分にあう。

    必ずしもホーダーがだらしない訳でもない。ある図書館司書は自分の物でなければ効率よく整理ができる。
    ただ自分の物は捨てられないのだ。

    わかる部分もある。例えば食事を残すことをいやがるホーダーがいてこの気持ちはわかる。
    さすがに中国では食べきれないのであまり気にしなくなったが・・・
    いらない物でも使える物は捨てにくいと言うのもわかる。
    しかし道ばたから何か使えるかもとがらくたを拾ってくるようだとわからない。
    個人的には本はなかなか捨てられない。古本屋に売ったり人にあげるのは平気なのだが。

    服が捨てられないとか、部屋が片付けられないと悩んでる程度ならホーダーではない。ご安心を。

  • ただ単にモノを捨てられない人についてのルポではなく、
    学問的な態度でそういう人々の症状と原因を明らかするのが良いですね。

    いろいろな学問の知識が詰まっていますし、
    サンプルを多くとることで得られた洞察もおもしろいです。
    彼らの手法にしても、人間について知見にしても、
    学べるところは多い本だと思いますよ。

    やや散漫な印象を受けるのと学術関係の出典のないのは残念でしたが、
    全体を通すして、良い本であるとは思います。

  • 病気 なんですね

  • アメリカの事例ってどれもハンパ無いな・・・。14室もある素敵なおうちがモノでいっぱいになりすぎたので、また別に部屋を借りて・・・とかみたいな事例が多いんだけど、その限度ってのが肥満レベルと一緒で日本人の想像を超えている気がします。
    まだ解決にいたるとか治るとかいうレベルではなく、臨床データを集めているところ、という感じ。無理な解釈もしていないため、そういう意味では盛り上がりに欠けるか・・・。

    ・・・部屋片づけようっと・・・。

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