地図の物語 人類は地図で何を伝えようとしてきたのか
- 日経ナショナルジオグラフィック社 (2016年7月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863133587
作品紹介・あらすじ
新しい地図が、新しい世界を生んできた。ビーズや貝殻で王の旅路を示した地図、ココヤシの葉柄を組んだマーシャル諸島の水路図、地図に早変わりする戦闘機パイロットのスカーフ…世界の捉え方は時代や地域で千差万別。驚くほど多様な世界観をたどる。
感想・レビュー・書評
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ナショナルジオグラフィックのビジュアル本。
マンモスの牙に描かれたものからGoogle earthまで。
地図と言われなければわからないような変り種も。
主に歴史や文化を軽く紹介しているだけなので、その地図の読み方とか詳しいことはよくわかりませんが、古今東西の地図に触れることができます。
日本からは伊能図などが取り上げられております。
デザイン / 三木 俊一+中村 妙(文京図案室)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まるで抽象画か概念図のようだった地図が、大航海時代以降(ヨーロッパ人が世界に進出する16世紀)からは、その範囲がユーラシア全体とアメリカ大陸まで一気に広がるのが、人類の歴史を如実に示していて面白い。もっともそれ以前にユーラシアをほとんど制覇したモンゴルなど遊牧民たちは、どのような地図を用いていたのかという疑問も湧いたが。
一口に地図といっても、地形を記すだけでなく、土地の風俗や所有権(重要!)など、用途によって様々な情報が盛り込まれる。用途分だけ地図が存在し得るのは、全ての地形が明らかな現代においても変わらいから、万人に対して完全無欠な地図は今後もあり得ない事になる。不完全極まる、けれども趣のある古代から中世の地図を眺めながら、そんな風に考えたりした。 -
地図とは、その時点で知ることのできる範囲をあらわしたもの。歴史が進むに連れて未踏地域がへっていき、測量や製図技術の進歩で正確さが向上していくのが面白い。
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世界のいろいろな地域、時代の地図を集めた図版集。地図が、ある場所を説明するものであると同時に、それを作った人の世界観そのものを表していることがよくわかる。
文字通り、地図は物語を体現している。
イスラム圏の地図は、もはや装飾作品。ペルシャ湾、紅海、地中海、黒海、カスピ海、白と青の抽象化されたデザインが美しい。もちろん上が北とは限らない。
地図とは場所と距離を正確に表したものである、という概念自体近代西洋の産物に過ぎない、ということが実感できる本。 -
× 在庫なし
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●地図というものがどうして作られたのか、そしてどんな役割を果たしてきたのか、歴史的な地図を豊富に紹介し、解説している。
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世界を丸ごと俯瞰して理解したいという意思の発露として、人類が作ってきた地図の数々が淡々と見開きで紹介される。どの地図も素晴らしく、見飽きることがない。
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類書はいくつかあるが、簡素で的を得た解説と図版の豊富さでかなりの良書と思う。
地図は、その当時の国が持つ最先端科学技術の粋であり、国力そのものとも言える。宗教的、軍事的な思惑も絡み、その変遷を一冊で辿るのは、人類の思想的進化を見ているようにである。