絶海の孤島 (驚愕の日本が、そこにある)

  • イカロス出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863205888

感想・レビュー・書評

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  • 北は山形県飛島から南は沖縄県南大東島まで、10ヶ所の島の訪問記。カラー写真も豊富だがガイドブックとは一線を画す。
    内容は著者の個人的な意見や考え方に終始しているが、船中や島の様子や料理に、ひたすら上下する気持ちのあり方が面白かった。

  • 絶海の孤島の旅行記。単なるガイドブックではないので島旅の際の参考になる。

  • 日本の離島のなかでも周囲と隔絶した「孤島」を巡る紀行文。
    半分ほどは写真に紙幅を割いており、カラー写真ページも多用されています。

    紹介されるのは、青ヶ島、飛島、舳倉島、鵜来島、見島、悪石島と臥蛇島、硫黄島(鹿児島)、南大東島、北大東島、父島・母島(小笠原)の計10篇。うち半数ほどは著者にとって複数回目の訪問のようです。

    結果として「孤島の魅力を伝える」というより、筆者の反応を通してそこでの所在なさや不便さのほうが目立ちました。また、本書内の多くのレポートが旅人の第一印象止まりであり、島やそこに住む人々への分析や考察までには至っていない点が残念に思えました。

    旅先の情報以外で印象に残った点としては、本書を通して著者の視点にややネガティブな部分が目につき、内容上はあまり必要とも言えない些細なイヤな出来事や出会った人の悪意について、大した考察や必要性もなく掲載しているケースが多い点が気になりました。紀行文の魅力とその旅行者との関係について思うところがありました。

    個人的にはとくに南北の大東島への興味から本書を手に取ったのですが、南大東島での滞在が本書内で例外的に明るいものであったことや、南大東島とは対照的な北大東島での人々の内向き様子やそこでの経済事情への分析もあり、この二つの島のレポートについては面白く読むことができた点は満足しています。

  • 日本の島の旅行記10編。必ずしもそこに行きたくなるような話しばかりじゃないのが面白い。まあなんていうか、人の文句が多いし。とはいえ、人の文句も観光視点からではない変なトピックスも、臨場感があっていいと思います。面白い。

  • 遥か彼方にありながら住民の多い島。
    近くにはあるが交通の便等の理由から過疎化の著しい島。
    そんな孤島の旅行記というか、
    むしろ、孤島の人間観察記といった感じの内容。
    あるときはネガティブな想いに打ちひしがれようが、
    孤島の人々に触れ合おうという努力は、著者ならではです。
    訪問者、観光客に対する島人の感情は、島の成り立ち、
    生活等、多様であること。
    その特性に考慮するかしないかで、訪れる者の行動が
    問われると、語っているようにも感じました。

  • ガイドブックからは感じとりづらい、その島の日常生活感がうかがい知れます。
    行った島については、店や人の固有名詞が出てきただけで懐かしくなるけれど、それだけでなく「ああ、その雰囲気わかる!」という、たぶん行ったことがないとわからないような空気感を如実に思い出す記述も多かったです。

    ただ、ネガティブな記述がちょっと多かったのが残念です(あとがきで吉田さんも補足されていたけれど、全体的にちょいちょいケンのある言い方が目立ったような…)。
    島のリアルを感じたように伝えているといえばそれまでだけど、もう少し読む人がゲンナリしないような書き方もあったんじゃないのかな…と、ほかの吉田さんの本も好きで読んでいる者としてちょっとガッカリな気持ちになりました。

  • 題から受けるイメージは、洋上に浮かぶ無人島なのだが、無人島では本が書けるわけではなく、当然人が住んでいる島々への訪問記だ。
    帯には「驚愕の日本」という表現になっているけれど、そんな驚くような内容ではない。というより、非常に過酷な条件にもかかわらず生活されていることを驚愕と表現しているのかもしれない。ボク自身島といえば、学生の頃に三宅島へ行ったぐらいだが、それでもずいぶんと遠かったという記憶がある。その後噴火で住民の方は苦労されたと思うが、それでも絶海の孤島という雰囲気はなかったと思う。

  • 2015/08/26 読了

  • 筆者独特の視点が、ただの旅行記と違って面白い

    南大東島、父島母島は大いに興味深い

  • 青ヶ島について知りたく、本書を手に取った。
    日本にもこんなに美しい海があるんだと写真を眺めた。
    本書は、青ヶ島の他に飛島、舳倉島、鵜来島、見島、悪石島・臥蛇島、硫黄島、南大東島、北大東島、父島・母島が紹介されている。
    一人の旅人目線で書かれているので、ガイドブックとは違いいいところばかりではないリアルな感想もある。
    それにより、現実的な島の雰囲気や生活をうかがい知れる。
    世界遺産に登録された小笠原諸島に属する父島・母島などは、絶海の孤島であるにも関わらず多くの観光客が訪れる。けれども、その観光客のマナーの悪さによって村人たちは嫌な思いもしているようだ。
    絶海の孤島とは、観光客レベルでは物珍しい場所かもしれないが、そこにはれっきとした住民がいるのだ。
    そんなことも本書は教えてくれた。
    写真が小さく見づらい部分もあった。
    もう少し大きく掲載して欲しかった。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ、早稲田大学卒。読売新聞社ほかを経て2002年からフリー。沖縄と島を中心に全国を周り、紀行文を執筆している。近著は『ビジホの朝メシを語れるほど食べてみた』(ユサブル)、『ニッポンのムカつく旅』(彩流社)、『何度行っても 変わらない沖縄』(林檎プロモーション)、『狙われた島』(アルファベータブックス)、『突撃! 島酒場』『肉の旅』『絶海の孤島』(共にイカロス出版)。ほか『沖縄の島へ全部行ってみたサー』(朝日文庫)、『沖縄・奄美の小さな島々』(中公新書ラクレ)、『沖縄戦546日を歩く』(彩流社)など沖縄、島関連の著書多数。早稲田大学社会人講座「実踏体感!沖縄学」「ニュースの街を歩く」ほか随時開講、ラジオアプリ「勢太郎の海賊ラジオ」でも番組「カベルナリア吉田のたまには船旅で」を随時配信。趣味はレスリング、バイオリン、料理。175cm×75kg、乙女座O型。

「2022年 『新日本エロい街紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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