動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

著者 :
  • 木楽舎
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本棚登録 : 2347
レビュー : 295
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240124

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに本を読んでドキドキした。

    なかでも「私たちの生命を構成している分子は例外なく絶え間ない分解と再構成のダイナミズムの中にある。
    (中略)
    個体は感覚としては外界と隔てられた実体として存在するように思える。しかしミクロのレベルでは、たまたまそこに密度が高まっている分子のゆるい「淀み」でしかない。」の部分を読んだとき衝撃が走った。

    自分の中の視座を確実に変化させてくれる素晴らしい本です。

  • 1959生まれの分子生物学者~「生きている」というのはタンパク質(正確にはアミノ酸)の流れ,すなわち動的平衡のことで,新たなタンパク質の合成がある一方で,細胞は自分自体のタンパク質を常に分解して捨て去っている,合成と分解との平衡状態を保つこと。コラーゲンだとかヒアルロン酸だとかコンドロイチンだとかという栄養補助食品は膵臓から出る分解酵素によってアミノ酸レベルに分解されるから,意味はない。トマトの果肉がポリガラクチュロナーゼによって壊されていく,その崩れかけがおいしいのだ(これは食とセックスが共通の構造を持っている好例?)。ミクロなパーツが組み合わされ,エネルギーと情報がやりとりされ,その「効果」の方法に生物現象のすべてがある~プロローグを読んでいて…ナンの話だ? バイオビジネスはなかなか当たらないってこと? と疑問に思ったけど,必要なんだろうか? ロハス・マガジン,ソトコトに載ったエッセイがネタ

  • 生命に関する様々なテーマに対し、分子レベルでわかりやすく解説した本
    生物は様々なパーツでできてはいるものの、
    機械とは全く異なるダイナミズムがあり、
    可変性、全体としてのバランスを保つ機能が非常に優れている。
    この機能を動的平衡と表現している。

  • 「生物と無生物との間」も面白かったが、こちらも読みやすくていい。内容はかぶっているようでいて、また違う話もあるので問題ない。ライアル・ワトソンが目撃したというクジラと象の対話というのは実話なのだろうか?悲しくて胸を打たれた。

  • 情緒的な科学読み物
    文系アタマにも優しく入ってくる
    哲学的

  • 本書もとても面白かった。
    この著者のものは本当に安定的に面白い。
    以前読んだ著書と内容が被るかと思ったがそんなことはなかった。

    戦後間もない頃の日本人のエンゲル係数は60パーセントだったのに対して、現在は20パーセント程度である。
    エンゲル係数が低いのは、生活水準が高くなったというだけではなく、食に対して、安全よりも安さを優先しているからだと思う。
    安さの裏には、添加物など人体に害を及ぼしかねないものがある。けれども、それらは直接的、即何らかの害を与えるものではないので、安全と言われている。
    著者も「とりあえずの安全性だけを求めた食品添加物の使用は、生命活動を機械論的に捉える人間の部分的思考に基づくものにほかならない(P124)」「私たちは壮大な人体実験を受けているようなものなのだ(P124)」と言っている。
    生命は、機械論的に語られるほど単純なものではない。

    今回も、非常に面白く、著者独特の世界に引き込まれ、
    生命の面白さを改めて感じた。

  • dynamic equilibrium

    生命の不思議。そのロマンを感じる。読んでいてワクワクする。

    人は分子レベルで常に破壊と再生を繰り返していて、かつ元に戻る、バランスを維持しているという概念。

  • 一回目は流し読みだったので再読。
    「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」ということで、自分の持つ固定概念に再構築を掛けてくれる貴重な一冊。

  •  私たちの時代は、宇宙や素粒子、パソコン等で、未曾有の発見や発明がもたらされたが、生物学の分野でも数十年前までは信じられない知見がもたらされた。福岡教授は、分かりやすく面白く教えてくれる。es細胞、ips細胞、stap細胞など、実利にばかり目がいっている昨今を、冷静に振り返って見ることを促される。とにかく、文章がうまい。

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著者プロフィール

青山学院大学 理工学部 教授

「2019年 『マッキー生化学 問題の解き方 第6版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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