動的平衡2 生命は自由になれるのか

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  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240445

感想・レビュー・書評

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  • 専門的な部分は理解できなかったけど、後書きの部分に勇気と希望をもらった。

  •  「動的平衡」概念にもとづくエッセイ集のようなものの第二弾。相変わらず、生物学の話の説明としては、非常にわかりやすい。

     これを読むことで、生物・生命に関するテーマを大方洗い出すことができそう。

    ・美は動的平衡に宿る
    ・「自由であれ」という命令
    ・なぜ、多様性が必要か
    ・植物が動物になった日
    ・時間を止めて何が見えるか
    ・バイオテクノロジーの恩人
    ・生命は宇宙からやって来たか
    ・ヒトフェロモンを探して
    ・遺伝は本当に遺伝子の仕業か
    ・木を見て森を見ず

  • ふむ

  • 生命を構成している要素としての細胞やDNAレベルのミクロな世界では、合成と崩壊が凄い速さで繰り返されつつ、生命体としての構成要素の臓器、皮膚、骨等の各モジュールの現状を維持している。エントロピーの増大法則はあらゆる事象を包括しているので、形が有るものは崩壊していくことが避けられませんが、崩壊と合成を繰り返すことで、エントロピーの増大の法則に反して、各モジュールは維持され、従って生命活動が続くと言うことについて、様々な視点から説明がされています。その説明は、素人にも解り易く殆ど違和感を感じずに、読むことが出来ました。「地球上の全てのものを構成している元素の総量は昔から変わらずほぼ一定の中で、絶え間なく結びつきを変えながら循環している。」とのこと。これは、方丈記の「ゆく河の流れは絶えして、しかも、もとの水にあらず。」や仏教の輪廻転生の現代科学による解釈とも言えるかと思いました。様々な説明がなされる中で、ミクロな世界の動的平衡と、例えば人間活動を起点とした世界の有り様としての動的平衡と言う視点は、相似形に見えてきます。その後、量子論の中では全ての事象で因果関係が無いと言う最近の研究が紹介され、人間の活動にも因果関係が無いと言う解釈の説明が出ますが、その考えがスッと入ってきました。読み終わった後に気持ちが軽くなる良書だと思います。

  • ワンパターンで飽きてきた。

  • 文系でも生物に関してこのくらいの知識は知っておくべきだろう。
    1に引き続きこちらも読みやすいけど1よりも普段の生活では使わなさそうな話が多くて、中盤少し読みすすめるのに疲れたけど、テーマが多岐に渡るのでいろいろ面白く読める。

  • 「動的平衡、生命の自由」という言葉をキーに、前巻からさらに展開した植物、動物、生物多様性等の考究から不安定状況からの動的平衡が高度な安定(おそらく社会的領域も)に連鎖する興味深い論点を考究している。

  • RNAからタンパク質とDNAの循環というバランスを達成したことが、動的平衡としてセントラルドグマの形を作った。様々な動的平衡が我々の成り立ちの中に存在することを教えてくれる。それが複雑系の上にあることも。

  • 動的平衡の流れの中で生命が生命として存在している。過去の偉人たちの偉業と生物学とを巧みに繋げている。

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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