芸術と科学のあいだ

著者 : 福岡伸一
  • 木楽舎 (2015年11月30日発売)
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  • レビュー :28
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240933

作品紹介・あらすじ

『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』の著者が科学の言葉で解き明かす、芸術深読み論。

芸術と科学のあいだの感想・レビュー・書評

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  • 白い正方形に黒いフォント。
    シンプルでクールな装丁が目をひきます。

    日本経済新聞に連載されたコラムを書籍化した本書。
    個々のコラムもよいけれど、1冊にまとまったことで、1篇1篇の緩やかなつながりをより一層楽しめました。
    芸術の中の科学、科学の中の芸術。
    福岡伸一先生に導かれつつ、学問の根っこをたどれば芸術と科学が近いものだったことに思いを馳せていたのでした。

    以前から『Molecular Biology of the Cell』の、科学者たちのアソビゴコロあふれる裏表紙ににまにましていたので、本書でも取り上げられていたことに親近感を感じました。
    また、福岡先生のレーウェンフックとフェルメールに関する仮説が「もし本当だったら···」と思うとわくわくしてきます。
    きちんと証明されてほしいような、仮説のままであってほしいような···。
    知的な高揚感に包まれながら読了。

  • ほぼ1:1のアスペクト比が良い。ただ白いだけの装丁が良い。表題が活字でなくデザインされたフォントで書かれているのが良い。ちゃんとした活字だと日本語の場合、意味が目に飛び込んできてしまうので、記号化されているとデザインのひとつとして見れるから良い。こういう飾っても絵になる本は意外と好きだなぁ~。トイレの常備本として決定! 隠(ちん)思黙考のお供に。

    ということで、久しぶりに買って読んだ本。日経新聞の連載をまとめたもの。約1000文字のコラムが74話。それぞれの話にひとつは役立つ話、目からウロコ的な情報が含まれていて、グイグイと読み進んでしまった。これはサラっと1度の素通りで読み終わるのはもったいない。時々手にして興味のあるところを読み返し、1話ごとに添えられたARTな画像を眺めながら思索に耽りたくなる(のでトイレ常備本に・笑)。

     ミケランジェロ、フランク・ロイド・ライト、ロゼッタストーンに漢倭奴国の金印、赤外線写真から近頃日本で流行りのエアリーフォトまで、取り上げるジャンルが実に広範。
     特に、自身が大ファンだというフェルメールを扱ったパートは質、量ともに重厚だ。ただフェルメールを取り上げていても、その切り口や付随情報は多様で斬新、個々の話それぞれ独立して楽しめる(新聞のコラム故、そういう作りになっているとはいえ、見事だ)。
     かと思えば、1章でMOMAに飾られたイサム・ノグチの「エナジー・ヴォイド」という中空の作品を見て、自分自身がヴォイド(≒空虚)であることを思い出すという理由は、終盤の免疫システムを語るところで明かされたりする。曰く、免疫システム上、自分自身と反応する、まさに自己とも言える細胞は、将来の外的との戦いには用を為さないとして生育の途中で淘汰され、残るのは非自己な細胞というパラドックスから来るというのだ。
     著者自身が、見事に芸術と科学の間に存在しているんだなぁ。いや、芸術だけでなく、森羅万象、様々な事柄に対して絶妙のバランスで立ち位置を確保している。本書で紹介される”ボロノイ分割”という幾何学の概念のように。

     著者は生物学者だそうな。動的平衡という方丈記の”ゆく川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず”な理論の著作も有名だとか。本書の中にも幾度となくその理論に基づく解説があるが、理屈っぽくなく明快に簡便適切に説明してくれているので感覚的にとても分かりやすい。
     この”感覚”というのが大事で、突き詰めればArtもScienceも感覚、感性、ひらめきの産物なんだな、という気がする。つまり、その間には、実は境界線はないのかもしれない(そこにもヴォイドが?!)

  • ネタバレはないですが、あんまり好意的な感想ではないので。


    他の方のレビューみると好意的な感想が多いですが、私は正直ダメでした。
    たぶん、そもそも感性が合わない。
    科学と芸術は相いれないとはいわないけど、この方と私は合わないんだろうなぁ。
    読んでて押しつけがましく感じられてちょっとうんざりしました。

    手に取ったのはたまたま開いたページにカドゥケスが載っていて、それが医学のシンボルマークとして紹介されていたから。
    混同されることが多く、たしかに医学関係のシンボルマークに採用されることが多いけど、医学だったらアスクレピオスの杖じゃないかなぁ……と思ってとりあえず読んだ本。
    同担の解釈違い、みたいな感じ!たぶん!私は生物学者じゃないしフェルメールにも思い入れはないけれど!

    作者のブログかなんかなのかな?と思ったら新聞に掲載されたコラムで納得。
    各話に関連のある写真が掲載されているのですが、画像が小さいし、同じ話のなかでこれも写真つけておいてほしかったと思うことが多々あり、その点は残念。

  • 「相補性」の話が良かった。

  • フェルメールにデューラー、レーウェンフック、カバのウイリアム、ネアンデルタール人、などなど、断片的に知っているさまざまなアート作品や作家への、自然科学的見地からの考察や福岡先生ならではの解釈で、とにかく密度の濃い本。
    完結で無駄のない文章で読みやすく、その詩のような響きも美しい。写真もいい。
    いろいろ満たされる。

  • 科学のなかに芸術をみる。相容れないと思われるふたつを面白い視点で結びつけてくれる。新しい発見。装丁も、すき。

  • 科学は謙虚であれ。芸術は科学的であれ。

  • 蝶は脚の先で味覚を感じる。脚で蜜を感じると、それまで螺旋状に固く巻かれていた口物がするするとほどかれる。
    螺旋をテーマに蝶の口物、バベルの塔、アンモナイト、DNA、電話線のコード、縄文土器、室伏広治、葛飾北斎を同一線上で結ぶ発想力。
    ---
    ヴィレンドルフのヴィーナス、ON KAWARA、ランドルト環、パワーズ・オブ・テン、ボロノイ分割、

  • 芸術と科学のあいだには、相通ずる事柄が多々あるということを本書を読むことでまざまざと感じることができました。

    芸術家としてあまりにも有名なレオナルド・ダ・ヴィンチが科学にも秀でていたということは知っていましたが、科学の知識が創作活動に果たしてどれだけ影響を及ぼすのか、芸術と科学のあいだには何か関連性があるのだろうかと長年漠然と疑問に思っていましたが、その謎が解けたように思います。

    芸術と科学に限らず、何かを突き詰めると行き着くところは同じなのかもしれないと思いました。

  • 興味あるタイトル!
    もう少し写真が大きい方がみやすい。
    生物にとって中央はあとから、発生的に作り出された
    ネアンデルタール人のDNAはヒトとは大きく異なる
    フランク ロイド ライト 落水荘 流れ
    カズオ イシグロの作品
    あなた方は死を詮索しておられるが、私は生を探っているのです ファーブル昆虫記より

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