最後に手にしたいもの (翼の王国books)

著者 :
  • 木楽舎
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本棚登録 : 60
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863241206

作品紹介・あらすじ

巨万の富や名誉を手に入れたあと、次に人が欲しくなるのは、この夕焼け空なのかもしれない。(本文より)


『悪人』『横道世之介』『さよなら渓谷』『怒り』などの ベストセラーで知られる芥川賞作家・吉田修一が、 日々を懸命に生きている大人たちに贈る、 どこまでも前向きで心に沁みる50篇のエッセイです。

大人たちを縛る「記憶」との上手な付き合い方がしみじみ伝わってくる 『泣きたくなるような青空』の25篇、
自分自身がいかに唯一無二でユニークなのかをあらためて自覚できる『最後に手にしたいもの』の25篇の、2冊同時発売。

また、出版業界としては異例の
・紙書籍
・電子書籍
・audible(本を耳で楽しむオーディオブック)

の3媒体同時発売!
audibleは『泣きたくなるような青空』を高良健吾さん、『最後に手にしたいもの』を眞島秀和さんに朗読いただきます。

感想・レビュー・書評

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  • 航空会社の機内誌に連載されていたエッセイ集をまとめたものだ。
    空の旅の合間にさらさらと読むのにちょうどよい、毒や害のない日常雑記が主だった内容になっている。
    掲載されるのが機内誌ということもあってか旅先を題材にしたものも多く、その旅の仕方がいい具合に力が抜けていて旅慣れた(精神的にも懐具合にも)余裕ある大人だなぁと思う。

    自分が好きなものを堂々と好きだ、というのは大切だ、という愛猫について語ったエッセイは毛布と闘い風呂場に出勤する猫がなんとも愛らしく、そうだな、自分の好きを大人になるとみんな表明しなくなるもんな、と実感した。

    アンコールワットで無作法な外国人観光客に出会い自分の記憶までもが汚された、と感じ、自分も無意識に現地の人に対して無礼なふるまいをしていないかと感じるエッセイには強く共感する。

    ひとつひとつのエッセイは短く、大きく心が揺さぶられることは無いけれど読んでいて心地のいいエッセイ集だった。

  • 好きだ!
    (P105より)
    ぜひ自分が好きなものを「好きだ!」と堂々と口にしてみてほしい。
    大切なものを、「大切だ!」と叫んでみてほしい。
    新しい一年が始まる四月でもあることだし。

    (P106より)
    望みを手にするために、誰かの承認を求める必要なんてない。
    誰かを羨んだりせず、今の自分自身に満足する。
    ユニークで、レアで、大胆な自分自身に。

    『怒り』完成 
    (P167より)
    (映画『怒り』の話)今回、この映画のポスターを、
    篠山紀信さんが担当されている。
    森山未來さん、宮﨑あおいさん、妻夫木聡さんの三人は、笑っているように見えなくもない。
    だが、その顔をじっと見つめているうちに、
    泣いているようにも、怒っているようにも見えてくる。
    逆に、渡辺謙さん、松山ケンイチさん、綾野剛さん、広瀬すずさんたちは、一見、憤怒の表情を浮かべているように見える。
    だが、こちらも同じで、しばらく見つめていると、
    その目の奥に安堵や安らぎ、希望のようなものが見えてくるのだ。
    たった一つの動かぬ表情で、彼らはいくつもの感情を見せる。

    高揚感がジワジワと伝わってきて
    一緒に旅行をしている気分になれました。

  • パタヤの項が良かったなぁ。

    パタヤのゆる〜い空気が伝わってきたし
    1行だけ書いてある 連れが1人など
    行間を想像させる余白もある。

    独身のアラフィフの文学賞多数作家
    (2018現在)の生活なんて庶民から想像できないが
    こんな風にエッセイとして届けられると
    どこまでがフィクションかわからないが
    すごく身近に感じられてありがたい。

  • 読んでて波長があう、嫌味を感じない。もっとも都会で暮らし、想像力を駆使して自らの才能で稼いでいる作者と自分が重なる訳ではないが、歳が近い九州人だからだろうか。

  • 旅行記が多いと思ったら機内誌だからかな。
    好きな作家さんのエッセイは新たな一面で楽しい。

  • 読むと旅行に行きたくなる。
    旅のお供にも最適で、どういう風に楽しめば「のんびりと旅ができるか」の参考にんあると思う。

    個人的には台湾に行きたくなった。

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。
2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。
その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。体当たりの演技を披露した広瀬すず出世作としても名を残すことになる。

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