こといづ

著者 :
  • 木楽舎
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本棚登録 : 69
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863241299

作品紹介・あらすじ

ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られる言葉。
世界がいとおしくなる著者初、待望のエッセイ集。

『こといづ』とは「コトが出づる」という意味の造語です。
丹波篠山の小さな村で暮らす日々の驚きと発見、84歳のハマちゃん、98歳のシヅさん、
昔気質の大工職人スエさんをはじめとする愛すべき村人たちとの交流、映画音楽が
できるまでの苦悩と喜び、ソロモン諸島、エチオピアでの旅の話、自然と人間の
限りあるいのちについて……。ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られる著者の
言葉を、2012年から現在まで続く雑誌ソトコトの連載から収録。この世界のすべてが
いとおしくなる、高木正勝さん初の書籍です。

感想・レビュー・書評

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  • このエッセイの著者、高木正勝さんは『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』等の映画音楽を手掛けた方です。
    著者初というこのエッセイ集は月刊誌『ソトコト』に掲載されたもの。
    『ソトコト』を読んだことはありませんが、自然やエコがテーマらしいです。
    このエッセイも著者の高木さんが小さな村の古民家に引っ越してからの話が多く、地元の方達との交流の話にほっこりします。

    ニュータウンの団地育ちの高木さんは子どもの頃、元々その土地に住んでいた家の子ども達に“強い力”を感じたといいます。それはその土地にずっと住んでいた“歴史”に対する畏れだったのかもしれません。
    或いは“ふるさと”を持つことへの無意識の憧れだったのかもしれません。
    そして高木さんは感じた“強い力”の謎に迫ろうと勉強し、努力したといいます。
    そういった何かを感じとる力が強い方が芸術家に向いているのかも、と読んでいて思いました。


    山間の小さな村への引っ越しは引っ越し当日からトラブル続きで、止めは引っ越し業者が家の中にいたスズメバチに刺されて作業が中断してしまったこと。
    業者に、荷物を持ち帰り、お盆休みで10日後になると言われ、それでは困るので、荷物はガレージにおいてもらったものの、スズメバチの巣を何とかしない住めません。
    駆除業者に電話してもすぐには行けないと言われ、困って村人に相談。
    すると炭焼きのおじさんがやってきて颯爽と巣を駆除していったそうです。
    引っ越し作業が終わりヘトヘトになっていたら、村の人が、今日はもう買い物に行かれないだろうからと野菜をどっさり置いていってくれたそうです。


    そんな風に始まった村での生活は、新しい自然の発見があったり、村の住人であるハマちゃんやスエさん達とのほのぼのとした交流があったり、そんな中でピアノを弾いたり、奥さんが田圃を借りてみたり、と続いていきます。
    そういう日常が著者の豊かな言葉で綴られています。
    そして、奥様が描かれたという絵がカラフルで柔らかで強くて、高木さんの文章をよりいきいきとリズミカルに感じさせてくれるような気がしました。


    自然豊かな環境と地元の方々との何気ない交流の中で高木さんが感じ取ったものが、高木さんが曲を作る力になっていくのだろうなと思いました。
    本書には高木さんが作られた曲の譜面と歌詞が数ページあるのですが、残念なことに譜面をよめない私には曲のイメージが全く浮かびません。
    それがとても残念です。
    詩(歌詞)は楽しめるのですけれどね。



    「コトが出づる」という意味のタイトル『こといづ』の本エッセイ、高木正勝という作曲家をほんの少しでも知ることが出来て良かったと思います。
    そして、高木さんの村での生活が私の故郷の思い出と重なり、とても懐かしく思いました。

  • 雑誌で広告を見かけて気になり読んでみました。
    元はソトコトという雑誌の連載コラムだったそうです。

    田舎での暮らし、なにげない日々が綴られており
    気取らない内容でなんの気無しにふわっと読める本だと思います。

  • 生命は冬に静かに育っている
    誕生は、冬。

  • ソトコトで連載されていたエッセイをまとめたもの。

    鳥の声や川の音に合わせて曲を作ったり、今ここにあるものと共存・共鳴する日常を独特のやわらかい語り口で綴った内容。ほっこりします。

    帯に書かれた吉本ばななの言葉に同意
    「なんだこの文章!これはほんとうに人間の生身の男の人が書いた文章なのか?家や森や草や風が書いたんじゃないのか?すごい人だ」

  • 自然に触れ、人に触れ、そこから得たものを自分の内面を通して音楽にする。

    創作すること、暮らすこと、いのちはめぐるから。

    素敵な生き方だ。

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