なぜ水俣病は解決できないのか

著者 :
  • 弦書房
4.00
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863290358

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • NHKの記者が取材した内容を本にまとめたもの
    習っていない知らないことがたくさんあった
    終わったと思っていた水俣病の現状について詳しく書かれている
    とても勉強になる
    日本のジャーナリストも捨てたもんじゃないなあ

  • 519.2-ヒガ  300159480

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:493.152||H
    資料ID:51000067

    公害の原点と言われる水俣病について、科学的な視点のみならず、社会的な視点からも分かりやすく解説されている。(毒性学研究室 磯部先生)

  •  書名そのものに虚を突かれる。半世紀以上も前に公式確認され、誰もがその名前くらいは知っている惨禍が、今なお解決できていない?
     これは、平成3年にNHK記者として熊本に赴任した著者自身の驚きであった。教科書で〝過去の教訓〟として習ったはずの水俣病は、現在進行形の、しかもいよいよ混沌して拡大中の出来事であったからだ。
     水俣病の被害者は何人いるのか。そもそもどんな症状なのか。こんな単純なことさえ、今なお誰も答えられない。なぜか。水俣病の責任の所在も不明で、患者か否かを認定する行政システムすら機能していないからだ。信じがたいことだが、何もかもがデタラメに放置されてきたといって過言ではない。
     本書はNHK熊本放送局が取り組んだ番組「水俣病証言録」を文字に再編したもの。患者、支援者、医師、研究者、官僚、記者、チッソ幹部など50人の証言が、複眼的に水俣病というものを浮かび上がらせてくる。
     チッソという、日本の近現代を象徴する企業が何をしたか。権力が何を隠蔽し、どう幕引きを図ろうとしてきたのか。今もなお、何が進行しているのか。
     オーラルヒストリー(口述記録)の静謐な凄み。複雑かつ深刻な主題に読者が引き込まれていくのは、著者の卓抜な筆力によるところが大きい。圧倒的なジャーナリズムの気迫が伝わる一冊である。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。NHK記者。水俣病問題の取材を続ける一方、青色LED開発に関する特許1966年福岡県生まれ。NHK記者。水俣病問題の取材を続ける一方、青色LED開発に関する特許権訴訟をスクープ。主な番組に「水俣病証言録」、「クローズアップ現代 水俣病・終わらない被害〜未認定患者の苦悩」など。現在、NHK北九州放送局ニュースデスク。熊本学園大学客員研究員。

「2010年 『なぜ水俣病は解決できないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×