スズメはなぜ人里が好きなのか

著者 :
  • 弦書房
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本棚登録 : 18
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863290488

作品紹介・あらすじ

すべての鳥の中で最も人間に身近でくらすスズメ。知れば知るほど魅力的なスズメの生態を、食、子育て、天敵と安全対策、進化と分布、民俗学的にみた人との共生の歴史など、人間とのかかわりの視点から克明に記録した観察録。多様なくらしぶりは人間社会と密接にかかわるだけに、環境の変化の是非を問う際のひとつの大きな指標となっていることを伝える。また、昨今の個体数減少の兆候が、人類の急激な衣食住環境の変化に起因するのではないかと警鐘を鳴らしている。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は学校の先生だった人で、新任の時から鳥日記を付けていた様な鳥好きです。
    奥さんも一日、スズメがどれだけ給餌に来るか観察しているようだから、嫌いではないのでしょう。
    ツバメは害虫駆除してくれるから有り難がれたようだが、スズメは害鳥として扱われてきたそうです。
    春から秋にかけて3回卵を産み、子育てのために害虫いっぱい食べてくれるのだけど、秋に稲穂へ群がるのでイメージが悪いようだ。
    毛沢東の大躍進政策でスズメ駆除して、害虫だらけになって大飢饉になったというのは有名な話だ。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/473799729.html

  • 丸ごと1冊スズメに関しての本。生態からルーツ、種類や人との共存等々。一番身近で親しみ深くありながら、食害鳥として駆除のターゲットにもされてしまう。害虫駆除もしているのに。いなくなったら稲の食害以上の被害が出ると警鐘も鳴らしています。ただでさえ減りつつある雀。大好きな雀が身近から消えてしまわないよう、何かできないか一考中。これがなかなか難しい。

  • なにを隠そうスズメが好きです。小さくって、まんマルで、ちょんちょんと跳ねるように歩く姿が、愛らしくてたまりません。どこにでもいる、ありふれた小鳥なので、お気づきでないかもしれませんが、いちどジ~ックリ眺めてみてください。スズメはとても可愛いですよぉ。以前、毎朝エサをあげていた時期がありましたが、そのときスズメがとても賢い小鳥だということにも驚かされました。
    本書はスズメの生態や人間との関わりについて書かれた本です。こんなに身近にいる生き物なのに、知らないことがたくさんありました。いえ、むしろ知らないことだらけでしたぁ。
    日本のスズメは、人間の暮らす場所にしかいないということをご存知でしたか?人間の生活に依存して生きているんだそうです。何らかの事情で人間が立ち去った土地ではスズメもいなくなり、再び人間がその土地で暮らしはじめると、どこからともなくスズメも集まってくるそうです。スズメと人間の関係は、人間が農耕することを覚え、定住生活をするようになって以来のことだそうですよ。
    また、スズメの仲間は15種類以上もいて、世界中に分布しているそうですが、むかぁし、むかし、大むかし、アフリカで誕生したスズメが、どのようにして世界中に広がっていったか、また、国によって異種間でスズメ同士の勢力争いがあるということ等々、スズメに関するいろんな研究結果が満載です。
    スズメは稲田を荒らす有害鳥と思われがちですが、スズメを大量に駆除すると、必ず凶作になるそうです。お米を食い荒らす、有害な虫が大量発生するからなんですネ。それにスズメは、すぐに隠れることのできる藪や、木立が近くにある田んぼの、しかも、いつでも逃げられるように、隅っこにしか舞い降りないらしいです。田畑を虫から守ってくれたご褒美に、ほんの少しついばむくらいは許してあげても良さそうな気もしますが・・・。
    この本を読んで、ますますスズメが愛おしくなりましたぁ。

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著者プロフィール

1941年、熊本市生まれ。熊本大学教育学部卒業。
現在、さまざまな野鳥の生態観察とその記録撮影、および野鳥の文化誌研究を続けている。
日本鳥学会会員、日本野鳥の会会員。
著書に『熊本の野鳥記』(熊本日日新聞社)、『カラスはホントに悪者か』『スズメはなぜ人里が好きなのか』『田んぼは野鳥の楽園だ』『里山の野鳥百科』『猛禽探訪記―ワシ・タカ・ハヤブサ・フクロウ』『ハトと日本人』(以上、弦書房)ほか。

「2019年 『ツバメのくらし写真百科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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