- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863323933
感想・レビュー・書評
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Kindleで英訳版を読了。平易な表現が多く、読みやすい。中盤の展開に若干だれた感はあったが、話の設定、終盤の謎が紐解かれていく展開は面白くて一気読み。結末への持って行き方にやや急かされ感を感じるが、後味良いエンディングで満足。でも、主人公のこれまでの境遇を考えると最後でハッピーエンディングを期待できるとは言え、それで埋め合わせをするには月日が立ち過ぎだよな・・・
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中盤が長すぎる
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おそらくサスペンスものだと思うのですが、人間の恐ろしさを感じる作品です。深夜に読み進めた日には、作品にのめり込んでいるにも関わらず、何度も後ろを振り返りました。
主人公である「わたし」は特殊な記憶障害-朝、知らない部屋で知らない男性が寝ているベッドから起き上がると、自分が年老いていることに気づき発狂することになる、つまり毎朝目覚める度に前日までの記憶が失われている障害-を負っています。
長年連れ添った最愛の男性は献身的な愛で「わたし」を包み込みますが、主人公は毎日彼が何者か分からない状態になってしまいます。
ある日、若い医師から電話がかかってきて、最愛の男性に内緒で医師の診察-毎日の出来事を綴る-を受けていると、「わたし」は医師に告げられます。医師の勧めるままに、「わたし」は自分で書いた日記を読み始めることにしました。すると、忘れていた過去の記憶が段々と蘇るのと同時に、毎日リセットしている日々の生活に違和感を感じるようになっていき、何が真実なのか、何が正しいのかが分からなくなっていくという作品です。
一つの綻びにより最愛の男性が信じられなくなる様は、読んでいて背筋が凍ります。「わたし」の視点で読み進めると、必死に記憶を呼び戻そうとしているのにも関わらず後退していったり、医師の言葉が信じられなくなったりと、何も信じられなくなる状態に置かれてしまうのですが、それがとても怖いです。
今までにも記憶障害をテーマにした作品はあったと思いますが、この作品は「もし、自分の記憶が一日限りしか持たないと分かった時に、最愛の人だと思っている人を信じ切ることが出来るか」という点について、考えさせられます。
本書がデビュー作ですが、同著者の次作品も楽しみです。 -
毎朝、目覚めたら自分のことを何一つ覚えていない状況に読んでて打ちのめされました。
何気ないことも当たり前に憶えていることがとても凄いことに思えて自分の思い出、記憶、周りにいるひととの絆を彼女と一緒に思い出してそれがとても愛しかったです。 -
起きるたびに記憶が消えていることの不安は計り知れないです。
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毎朝目覚めるたびにそれまでの記憶がリセットされてしまう中年女性の話。基本的にはミステリー仕立てで、女性の過去、なぜそうなったのか、などが日誌をもとに語られていく。設定は斬新だなと思ったが、ラストにかけて、なぜ記憶障害になったのか、という原因にがっかり。結局自業自得じゃねーか。
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ヴィレッジブックスとは気付かずに買ったが、ヴィレッジって女性が主人公の本が多いのかな、こういう精神に異常を抱えてる主人公のものしか読んだことがないよ。
映画化されるらしいけれど、さもありなんという話。
まさかという事実だったけど、ああいう種明かしがされるのって、釈然としない。
朝ごとに完全リセットされる状況って、どれほど怖いか…そっちの方がよほど興味深いかな。
面白かったですけどね。 -
中盤でオチが分かるものの最後のすくい上げ方が良い。設定、核から遠いところからだんだんと真相がわかってくる構造が秀逸
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事故により、寝ると記憶が消えてしまう、1日分の記憶しか保持できない主人公が、治癒のために日誌を書き留め記憶を取り戻し始める。しかし二人暮らしの夫を始め、医者や友人を疑ったり、嘘に気づいたり、、、と最後は以外でもない想定内のエンディングを迎えるサスペンス。 主人公の日々人格や思い方の違いなど、なかなかに生々しく面白い。