生きながら火に焼かれて (ヴィレッジブックス N ス 4-1)

  • フリュー
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863328181

作品紹介・あらすじ

一九七〇年代後半、中東シスヨルダンの小さな村で、ある少女が生きながら火あぶりにされた…恋をして、性交渉を持ったために。重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすこともないまま、この知られざる事実を証言することを決意した。残された命のすべてを賭けて。-これは、遠い過去の話でも、フィクションでもない。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃のノンフィクション!文庫化にあたり、書き下ろし特別原稿「日本の読者のみなさんへ」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    一九七〇年代後半、中東シスヨルダンの小さな村で、ある少女が生きながら火あぶりにされた…恋をして、性交渉を持ったために。重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすこともないまま、この知られざる事実を証言することを決意した。残された命のすべてを賭けて。―これは、遠い過去の話でも、フィクションでもない。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃のノンフィクション!文庫化にあたり、書き下ろし特別原稿「日本の読者のみなさんへ」収録。

    女性の権利や地位が向上して、今や男以上にパワフルに活動している女性が無数にいます。所があり得ない位に女性の地位が低く、勉強などもってのほか、自分の考えを持つなど考えもよらず、家長の意に染まないと殺されたりする世界もまた現存します。
    この本を書いた女性の境遇もまたあまりにも惨いものでした。現在もイスラム国の問題の中で女性への性奴隷としての扱いという言語道断な話もあります。根本的な女性への尊敬を育てていくのはこれからの国際的な命題ではないかと思います。

  • この作品を知ったのは大学の頃です。
    平和学か何かの授業だったと思います。
    そのときかなりの衝撃があったことを今でも覚えています。
    現代日本に暮らしているわたしにとって【名誉の殺人】というものは未知のものでしかなかった。
    【名誉の殺人】の存在を知って約7年ほど経った今、立ち寄った本屋でこの本を見つけた。
    見つけた時に【名誉の殺人】を知った時の記憶がすぐさまよみがえって、家に持ち帰った。
    執筆されたのは約10年前です。
    発売からも約10年。
    サイクルが早い世の中で忘れ去られるには十分な歳月のように感じます。
    わたしは今、この本を読んで、この世界に【名誉の殺人】がある事実を世の中は忘れてはいけないと思いました。
    少しでも多くの人に存在を知って欲しい。
    スアドのメッセージを受け取って欲しいと思いました。
    だからweb本棚で登録をして、レビューを書いています。
    一人でも多くの人が、この本に巡り会い、知り、考えるように。
    まず、事実を知ること。
    広めること。
    そこからが大きな一歩になるんではないかと思っています。

  • 中東シスヨルダンの小さな村での、ノンフィクションの実体験を語る本。名誉の殺人と対象とされ、生きながら火に焼かれ生き残り、そして、危険を顧みず、実体験を語る。

    今なお虐待としの危険にさらされている女性達はまだいる。

    何が出来るか。ということのまえに、知ること。
    が大切なんだと思う。

    とても力強い生命を持った、かつ美しい女性の体験談。
    出会えてよかった一冊でした。

  • 負の連鎖、、、。
    読んでて感じたのは、この一言。
    誰が悪いって決められへん昔からの慣習。
    それが普通で当たり前の文化。
    他の社会を女性に見せへん文化。
    普通に感じてる事が普通じゃないって知らせるのも大事やけど、その前にアタシ達が知るって事も大事。

  • 自分が身を置く社会とこんなにも違う社会があるのかと初めて意識した本でした。

  • 名誉の殺人の数少ない被害者本人の証言を元に語られるストーリーは凄まじいものでした。
    女性だけに限らず、誰にも読んで見てほしい作品です。

  • シスヨルダンで起った実話。
    女性差別など、テーマ的には興味深いが、
    文学的には、あまり好みではない。

  • 今でもイスラム圏地域で幅広く行われている「名誉の殺人」。未婚の女性が男性と話したり、目を合わせたりするだけで、家族の恥とみなされ、家族に殺される。本書は生き延びた被害者の著者が、悪夢の体験と、再生後の第2の人生と、様々な葛藤を記した本である。
    未だにこういった習慣がある地域があるというのは驚きである。著者は17歳の頃、恋をして肉体関係を持っただけでなく妊娠までしてしまい、親に火あぶりにされた。著者の生まれた地域では、女性に生まれるだけで奴隷のような人生を送ることになるようだ。未だに両親が彼女を見つけて殺しに来ないか心配で、偽名で本を書き、顔も隠しているという。
    彼女の写真が裏表紙に載っているが、確かにとてもひどいやけどで、目を背けたくなる。殺されると分かっていて妊娠までしてしまうのは不注意だと思った。しかも、何とか亡命できた国で子どもを見捨てて、自分は新しい家族を築き、人生をやり直すのはなんだか腑に落ちなかった。もちろん、罪悪感に悩み、全身のケロイドに悩み、新しい家族に自分の過去を告白することに苦しみ、その結果うつ病になり、苦労は想像を絶する。
    本を出版してすべてを告白することが、捨てた子どもに対する著者の懺悔である。

  • イスラム圏に住んでいた、「名誉の殺人」を生き延びた著者が振り返る壮絶な過去。例えば結婚したその次の朝、村中の人々は主人が干したスーツに新婦の(処女でなくなった印の)血がついているかどうか確認しに集まること、絶対男尊女卑制度、そして今も残る「名誉の殺人」について。こんな世界が、今もなお私たちの社会と平行に存在しているのかと、驚かずにはいられなかった。

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