東京心中 上 (EDGE COMIX)

  • 茜新社
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863493438

感想・レビュー・書評

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  • BL漫画というのは、密接に仕事(職業)と関わっている。
    学生モノや異世界モノなどなど一部の事例は別として、そこに描かれるのが「男性」である限り、生活の糧を得る手段はきちんと描かれていたほうが物語としての説得力があるのだから当然だろう。
    そしてBL漫画は(まあ正式名称があるかどうかは分からないけれど)【お仕事BL】というカテゴリを生むこととなった。
    例えば、弁護士。例えば、お医者さん。例えば、やくざ。
    職業は受や攻の属性として語られ、物語と切っても切れない関係を作り上げている。たとえ同じ職業や業界を扱っているとしても、「弁護士×やくざ」と「やくざ×弁護士」では、読み手が期待する物語もずいぶん変わってくるだろう。
    だが、安易に与えられただけの属性は、ときに失望をも生む。
    ばりばりの任侠ものが読みたくて、あるいはスマートな医者の物語を読みたくて、帯を頼りに手にとってみたところ、ほとんど職業の描写はなく肩すかしをくらったことも、数限りなくあった。
    考えてみれば仕方がないことなのかもしれない。職業というのはその人物をイメージづけるための重要ななファクターではあるが、BLというエロと恋愛をメインにした物語においては記号でしかない場合もある。職業モノが読みたいなら池井戸潤でも読んでいろという向きもあるだろう。
    だが、その登場人物の職業がていねいに描かれていると、その登場人物の輪郭がぐっと濃くなり、物語に説得力が生まれるのも確かなのだ。
    『東京心中』は映像業界の【お仕事BL】だ。
    絵柄が好きではないという方もあるだろう。
    けれど、それ以上に、ていねいに描かれた業界の物語に圧倒されるはず。
    カタギの一目惚れ、そしてカタギ同士がカップルになる、というBLとしてはまったく説得力のない展開にも関わらず、物語に説得力がある。
    【お仕事BL】の底力を堪能できると思う。

  • 【お借り本】!!!やっぱり思ってた通り面白い!!絵もほんの最初だけ、おや?って思っただけで後はひたすら可愛く見えた♪健気な年下大型わんこ攻め。すごく応援したくなる(笑)頭ナデナデしたくなるよねwwwそして全く持って分かりづらい矢野さん。どうなる?

  • TV制作会社でのお話です。
    ADバイトの主人公(宮坂)と綺麗な顔と体を持つ上司の矢野さんのお話です。
    だんだん仕事をする喜びを見出す宮坂。
    顔は綺麗なのに貞操観念がいまいちな矢野さん。
    そこかしこに恋だけじゃない生活の中の喜びを気付かせてくれるようなシーンが満載です。
    早く宮坂の恋が成就しますように・・・と祈る上巻でした。
    下巻も必読!!
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    ありがちといえばありがちな展開なのですが、ぐいぐい引き込まれました。舞台がTV局なのが珍しいかなーと思います。
    続きもでているようなので、読みたいです。絵柄がちょっと独特というか、オペラさんぽいですよね。<c>

  • 将棋漫画の『あるアホウの一生』がとても良かったので同じ作者の本を読んでみた。こっちはBL。
    これもお仕事漫画としても面白いやつ。お仕事ってか好きなこととの向き合い方かな。

    この本の中に好きな映画は言葉で説明するのが難しいってセリフがある。『あるアホウの一生』がまさにそれだったんだけど、この作品もそうだなと思った。

    キャラクターがちゃんと人。
    たとえば主人公の彼女は嫌われ役のポジションだけど嫌いにならない。
    ウザい子だなと思いながら読んでたけど両手でバコッといくシーン好きってなった。
    で、この子視点でみたら主人公がクズだけど読者はクズ感なく見守れる。
    みんな嫌なところやしょうもないところがあるけど、それを含めて愛すべき人たち。
    それがすごくいい。


    あと久しぶりに紙の漫画をちゃんと読んだんだけどやっぱりいいな。
    線がすごく綺麗。すみずみまで堪能できる。

    電子版も試し読みしてみたけどこれは絶対紙の本がいい。
    多分元々紙用に描かれてるだろうから、本の形で読んだ時に一番魅力的になるレイアウトになってる。

  • 矢野さんと、人の役に立つ、の二本の柱を支えに仕事しているのってどうなのだろうと思ったけども。考えてみれば、好きだからやる、のも、出来ることをやって人に褒められるのも、どっちも恐ろしく快感を伴うもので、比較できることではない。好きな人を言い訳に仕事続けててもいいじゃないかと思えた。不思議とすごく好き。

  • こういう空気の漫画も嫌いじゃないなあ。お仕事部分も面白い。

  • ハマったー!こんなに面白いと思わなかった!

  • テレビ局の新人ADと上司ということで、こういうバリバリ働く系の職場のお仕事マンガは面白くて好き。恋愛だけがテーマじゃなくて、成長物語としても楽しめて良い。

  • このシリーズは大好きなんですが、同人誌追いかけるのも大変なので頑張って単行本化をまっている作品です。ポールさんのBL感は独特だとおもうので好き嫌いがはっきり出ると思います。なので誰かに勧めようとは思わないんだけど…自分の中では読み出したら止まらない秀作。

    上巻は何でもそれなりに出来てしまうイマドキな若者・宮坂が、なんとなくで受かってしまったADの現場で矢野と出会うことにより人生変わっちゃったよって話。これを読めば、ADって大変なんだな…ってことがわかります(・∀・)
    がっつり職業BLってわけでもないけど、仕事が忙しいから割合は多いです。仕事の合間にラブがちらほらしてるっていうか。宮坂が等身大に見えて個人的にはベストバランス。でもイチャイチャがみたいなら、それは期待しないでほしいです。。あと、矢野さんの自由奔放でずれまくってる性格が理解できないと楽しめない一冊になっております 笑

    あー矢野さん(仮)を抱っこしながら矢野さんに頭撫でられたい…。

  • 熟読!すごく楽しかった!
    お仕事のこと、恋愛のこと、キャラクターのこと、それぞれ心の琴線に触れてきました!
    これがWEB漫画だったとは、侮れませんなぁ~!

    上司の矢野さん、可愛い顔してるけど、ちょっと冷めてるオヤジっぽさもかっこ良く出ていてすごい。
    矢野さん、この顔じゃなくても普通にオヤジ顔でも、キュンラブストーリーが成り立ちそうというか楽しいかもしれないとかも思いました。

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著者プロフィール

岩手県在住。代表作に『東京心中』(全9巻/茜新社)、『或るアホウの一生』(全4巻/小学館)など。現在、「OPERA」(茜新社)にて『一二〇〇年前の春』連載中。

「2023年 『ジドリの女王~氏家真知子 最後の取材~(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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