- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863590489
作品紹介・あらすじ
「国際法上保有・憲法上行使不可」日本的解釈の摩訶不思議。
感想・レビュー・書評
-
国連憲章第51条肯定論者による集団的自衛権の解説。著者は安保法制懇有識者メンバー。
集団的自衛権の成り立ち、変遷、国内外の議論まで。
諸外国と国内の国際法関係者との、集団的自衛権に対する見解の隔たり。
なかなか読みやすいかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
政府解釈の不備を執拗に突く一冊。
-
追記
この本を読んでから今 (2014/5) の動きを見ていると、本質から遠く離れたところで動いているように思えてならない。
---------------------------
集団的自衛権が国連憲章で明文化された時には、さまざまな議論があったが、それは日本以外では受容されて行き、日本でだけ外と違う特殊な議論がされてきた。
日本においても、1951 年に旧日米安保条約が結ばれた時点では、集団的自衛権は国連憲章の趣旨に沿って理解されていた。それが、1970 年代から逸れて行き、1981 年の政府答弁書に至って、当時の野党を満足させるためのおかしな解釈が明文化され、それ以来内閣法制局がその解釈を堅持している。
その異常さ、井の中の蛙ぶりを丁寧に事実に基いて説明し、サイバー攻撃への対処が国際的に大きな課題となっている現代に大きな障碍となっていることを解説してくれる。
現行「解釈」がどれだけ日本を危険に曝しているかを知ると、恐ろしくなる。 -
北朝鮮のミサイル能力の向上および核のありうべき実戦力化を念頭に、あるいは中国の核戦力の質量両面での充実さらには海軍力の増強を強く意識しつつ、特定「類型」については集団的自衛権の行使を認めるべきだと同方向の答申を、「安保法制懇」(自公政権下)「新安保防衛懇」(民主党政権下)の二つの有識者懇談会が行っている。「行使が許されないと深刻な不利益が生じる」との認識が一般化していることを物語って余りあるのではないか。