ひとさらい 笹井宏之第一歌集

著者 :
制作 : 加藤 治郎 
  • 書肆侃侃房
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本棚登録 : 229
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863850460

感想・レビュー・書評

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  • 夭逝した歌人の第一歌集。
    何より本人のあとがきが印象的である。
    表現することがなければ生きている価値はないのではないか、と私は思っている。

    =======
    拾ったら手紙のようで開いたらあなたのようでもう見れません
    いつもより遠心力の強い日にかるくゆるめたままの涙腺
    フロアには朝が来ていて丁寧にお辞儀をしたらもうそれっきり
    右うでに左うでが生えてしまってせっかくだから拍手している
    国連でこたつを「強」にしていたらカナダから「弱」にされてしまった

  • ずるい。夭折だなんてずるい。

  • あたたかい電球を持つ(ひかってたひかってました)わかっています
    ぱりぱりとお味噌汁まで噛んでいる 平年並みの氷河期らしい
    このケーキ、ベルリンの壁入ってる?(うんスポンジにすこし)にし?(うん)
    「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい
    「足元はやっぱり道で、どこかへと通じている道で、どこですかここ?」

    「すこししたしい」

    いつもより遠心力の強い日にかるくゆるめたままの涙腺
    からだにはいのちがひとつ入ってて水と食事を求めたりする
    「すばらしい天気なものでスウェーデンあたりのひとになってます。父」

  • ひらがなとカタカナと漢字と発音の力

    脱臼した日常ははかなくてばからしい
    そしてうつくしい

  • 可愛いし毒もあるしいい歌集。しかし何故に歌人や詩人は屡々夭折するんだろう…。勿体ないなあ。

  • 歌葉の候補になっていたのを読んだときにはあまりよく魅力がわからなかったけれど、稀有なひとだったのだなあとしみじみ。このひとはさぞやさしく目を閉じるのだろうなあ。

  • ●ふわふわを、つかんだことのかなしみの あれはおそらくしあわせでした
    ●家を描く水彩画家に囲まれて私は家になってゆきます
    ●美術史をかじったことで青年の味覚におこるやさしい変化
    ●右うでに左うでが生えてしまってせっかくだから拍手している
    ●思い出せるかぎりのことを思い出しただ一度だけ日傘をたたむ
    ●あの人は自転車を漕ぐひとでした 右手にお箸持つ人でした
    ●ストローの折り曲げ部分まげきってあたらしいなにかを生むあなた
    ●手のひらにみずうみのある青年が今日も魚を売りにきている

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000124890

  • 「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは 桜の可能性が大きい



    とうめいすぎて。

  • 2017年4月9日に紹介されました!

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著者プロフィール

1982年8月1日  佐賀県西松浦郡有田町泉山に生まれる。2004年     短歌を作りはじめる。2005年10月   連作「数えてゆけば会えます」で第四回歌葉新人賞を受賞。2007年1月    未来短歌会に入会。加藤治郎に師事。同年度、未来賞受賞。2008年1月25日  第一歌集『ひとさらい』(Book Park)刊行。2009年1月24日  自宅にて永眠。2011年1月24日 『えーえんとくちから 笹井宏之作品集』(PARCO出版)、第一歌集『ひとさらい』、第二歌集『てんとろり』(ともに書肆侃侃房)刊行。

「2013年 『八月のフルート奏者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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