てんとろり 笹井宏之第二歌集

著者 :
制作 : 加藤 治郎 
  • 書肆侃侃房
4.30
  • (19)
  • (23)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 218
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863850477

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • あぁとても好きだなぁ。

    雨のことばかりがのっている辞書を六月のひなたに置いてみる

    気の間より漏れてくる光 祖父はさう、このように笑ふひとであつた

    つきあかりを鞄にいれてしまいます こんなにもこんなにもひとりで

    栓抜きにゆびをとおして星が降るのを待っている翡翠少年

    虹がないことに気づいた空がまたいちからやりなおすとのことです

    今夜から月がふたつになるような気がしませんか 気がしませんか

    どの短歌も心に残ります。
    笹井さんがきりとった世界、美しさ、優しいまなざしや垣間見える現実の残酷さ、そのバランスにとても惹かれます。

  • 前作の「ひとさらい」もすごくよかったのだけど、今作はなんだか前作よりも洗練されていて、とりこまれそうなほど、読んでいてきもちよかった。頭のなかで再生される音がとにかく美しい。ピアノを弾く人だからだろうか。耳にここちいい文字列だった。苦しくて、一度に読めなかった。

  • 偶然、同じ時期に知ったふたりの歌人。
    笹井弘之と荻原慎一郎、ふたりとも二十代の若さで夭折。
    あぁ、せつない。才能ある若者が難病であるいは自死で命を失うなんて。
    でも、短歌という足跡を残せたのがせめてもの救いだ。

    ・くちぶえのとびきり似合う風が吹き昭和通りはいま
     夕ぐれに
    ・生きてゆく 返しきれないたくさんの恩を鞄に
     つめて きちんと

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000124889

  • ぱらぱらと中身をめくって手に取り、序の文を読んで重みが増した。
    きらきらと光を反射して優しくて、良くも悪くも純粋ささえ。作中よく見られた水のよう。

  • #笹井宏之 #短歌 ひのきぶろみたいな笑い方をする できるかどうかではなくて、する #返歌 檜風呂見たいな屋上露天風呂生きるかどうかではなくて見る  #加藤治郎 監修

  • ずるい。そして、悔しい。『ひとさらい』より深くなった『てんとろり』の、その先を読みたかったのに。

  • 何故かとても気になって、他にも読まねばならない本も多いのに、割り込ませてしまった。
    何故気になってたのか、数首を読んですぐ解った。

    私の大好きな詩人、八木重吉に似ている。
    心のどこかが共鳴していたのだろう。

    清らかで澄み切った詩情がどちらにもある。
    そして、詩人と歌人の短い生涯も・・・

     素朴な琴
                     八木重吉
     
              このあかるさのなかへ
              ひとつの素朴な琴をおけば
              秋の美しさに耐えかねて
              琴はしづかに鳴りいだすだらう

                     笹井宏之
    虹がないことに気づいた空がまたいちからやりなおすとのことです

  • 奪われてゆくのでしょうね 時とともに強い拙いまばゆいちから
    ひぐらしのあらしのなかをゆっくりとわたしはひらがなのあしどりで
    ひとりでにりぼんむすびになっていたひもの痛みの、はかりしれない
    世界って貝殻ですか 海ですか それとも遠い三叉路ですか
    切らないでおいたたくあんくるしそう ほんらいのすがたじゃないものね
    よかったら絶望をしてくださいね きちんとあとを追いますからね
    さうではない、肥大しすぎた両翼がのしかかり舞へないのだ人は
    ことばとふナイフを持ちて切り出だす 太陽よりもあたたかきうた
    雨といふごくやはらかき弾丸がわが心象を貫きにけり
    葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある

    あとがきの穂村弘の名前の出てきかたに嬉しくなってしまった

  • 折にふれ読みたいからそばに置いておく本

全24件中 1 - 10件を表示

プロフィール

1982年8月1日  佐賀県西松浦郡有田町泉山に生まれる。2004年     短歌を作りはじめる。2005年10月   連作「数えてゆけば会えます」で第四回歌葉新人賞を受賞。2007年1月    未来短歌会に入会。加藤治郎に師事。同年度、未来賞受賞。2008年1月25日  第一歌集『ひとさらい』(Book Park)刊行。2009年1月24日  自宅にて永眠。2011年1月24日 『えーえんとくちから 笹井宏之作品集』(PARCO出版)、第一歌集『ひとさらい』、第二歌集『てんとろり』(ともに書肆侃侃房)刊行。

笹井宏之の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
村上 春樹
村上 春樹
谷崎 潤一郎
穂村 弘
小川 洋子
今村 夏子
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

てんとろり 笹井宏之第二歌集を本棚に登録しているひと

ツイートする