つむじ風、ここにあります (新鋭短歌シリーズ1)

著者 :
  • 書肆侃侃房
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本棚登録 : 286
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863851115

作品紹介・あらすじ

圧倒的な言語感覚<br>この若い才能は、類いまれな想像力と、細部を見極める繊細な洞察力で、言葉の世界に新たな意識を刻みつづけるに違いない。<br>東 直子(解説より)<br><br><br><自選短歌五首><br>夕暮れのゼブラゾーンをビートルズみたいに歩くたったひとりで<br><br>ハンカチを落としましたよああこれは僕が鬼だということですか<br><br>自販機のひかりまみれのカゲロウが喉の渇きを癒せずにいる<br><br>鮭の死を米で包んでまたさらに海苔で包んだあれが食べたい<br><br>カードキー忘れて水を買いに出て僕は世界に閉じ込められる<br>

感想・レビュー・書評

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  • 全部屋の全室外機稼働してこのアパートは発進しない

    盗聴の特集記事を思い出し「知っているぞ」と部屋でつぶやく

    じっとしているのではない全方位から押されてて動けないのだ

    リモコンで切ったがなんかあれなので主電源まで這いよって切る

    B型の不足を叫ぶ青年が血のいれものとして僕を見る

    風に背を向けて煙草に火をつける僕の身体はたまに役立つ

    重力がひるんだ隙に人々は一部地域を除いて空へ

    おすすめの本を聞かれておすすめの本と検索窓に打ち込む

    それは風、もしくは言葉寸前の祈りに近い叫びであった

    ハンカチを落としましたよああこれは僕が鬼だということですか

    ああこれも失敗作だロボットのくせに小鳥を愛しやがって

    空欄に入る言葉を考えよ やっぱり僕が考えるのか

    ころんだという事実だけ広まって誰にも助けられないだるま

    全員の姓が佐藤であることを知っているのは神と受付

    一斉に佐藤が蜂起した夏のことをあなたは忘れないでね

    少年がわけもわからず受け取ったティッシュが銃じゃなくてよかった

  • 若手の短歌手。椎茸と生魚と自己紹介が苦手っていう著者紹介が良い。自己紹介が苦手な人に共感できる。そういう短歌。


    暗い。

    根が暗いのがよーく伝わってくる短歌だった。現代短歌ってそういう感じなんだろう。悲哀がないと刺激がない。だから刺激的で感じれる、感じちゃう短歌なんだろう。(ら抜き言葉を使いたい。)

    しょせん根暗の叫びはどうせ蚊の鳴くような音量なのだろう。それを短歌の31文字という制限に詰め込むことで、増幅して、リズミカルにして、飛んできた。
    そんなかんじ。
    一生懸命ぼくはここにいるよって叫んでる、ポイ捨てされた飲みかけのペットボトルの歌った短歌集でした。そんなゴミの目線がとらえた、つむじ風がビニール袋を巻き上げた瞬間を活字化した。ぼくもつむじかぜのようにそんざいしょうめいしたいよって。

  • 花束をかかえて乗ってきた人のためにみんなで作る空間

    うーーーんやさしい!

  • あたらしい感覚、でも共感ができる
    時々ハッとする表現
    言葉選びもおもしろくてユーモアがあり
    ときどき垣間見える闇がまた良い

  • B型の不足を叫ぶ青年が血のいれものとして僕を見る

    カーペット味と表現したいけどカーペット食べたことがばれる

    ああこれも失敗作だロボットのくせに小鳥を愛しやがって

    全国の佐藤を線で結んだら日本の地図になりませんかね

    の4つが好きです。めっちゃ良い!

  • 最高の短歌集。リアルな生活に寄り添いつつも、物語性がふんだんに溢れている。淡々としているのに、笑えるものも多い。
    何度も読み返したくなる。

  • ふわふわと浮遊感を味わえると思わせておいて、実はしっかりと足は地についており、嫌というほど現実を押しつけてくる。

  • ハンカチを落としましたよああこれは僕が鬼だということですか

  • 「短歌ください」を読んでいて、ドキッとしたので作者をみるとこの人。ということが何度かあり、気になっていたので。
    ちょっと乾いていて、人肌より少し温度が低くて、少し離れたところにあるような。そんなふうに思えて好きです

  • 最近、短歌に興味が湧いている。
    どの人の歌が好き、とか正直まだよく分からないけれど、木下達也さんの三十一文字はすんなりと情景が浮かんで、気がついたら心にひっかき傷が残されているような感覚。
    この文字数、このリズムだからこそ、無理なくきゅっとおさまってすっと心に入ってくる。
    私が今感じていることは‟木下達也さんに”ではなく‟短歌というものに”感じていることなのかもしれない。
    もっと色んな人の歌集を読んでみて、そしてもう1度この『つむじ風、ここにあります』読んだ時、自分はどんな感想を持つのか、楽しみだ。
    つむじ風、ここにあります 菓子パンの袋がそっと教えてくれる P9

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著者プロフィール

1988年1月12日、山口県生まれ。
2011年より短歌をつくり始め、新聞歌壇、雑誌、Twitter、短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」などに投稿を始める。
2012年に第41回全国短歌大会大会賞受賞。
2013年に第一歌集『つむじ風、ここにあります』(新鋭短歌シリーズ1/書肆侃侃房)を上梓。
結成当日解散型ユニット「何らかの歌詠みたち」で飯田彩乃、飯田和馬、岡野大嗣とともに短歌朗読イベントを不定期に開催している。
本とホラー映画が好きで生魚としいたけが嫌い。

「2016年 『きみを嫌いな奴はクズだよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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