昼の夢の終わり (現代歌人シリーズ 8)

  • 書肆侃侃房 (2015年11月19日発売)
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本 ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784863852051

作品紹介・あらすじ

いちはやく秋だと気づき手術台のような坂道ひとりでくだる



若さとは、ざらつく樹皮のようだった。



大阪はわたしの街。

生きるとはゆるされることか

工場のきしみつつ閉じるシャッターの音

しみしみと体は痛みになれていくから

ほなまたあした。

感想・レビュー・書評

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  • 漆黒のぶどうひとつぶ口に入れ敗れつづける決心をする

    懐かしい感じかする歌集

  • 歌は
    今を唄ってこその歌のような気がして

    今しか歌えない
    この瞬間に どんな言葉を残そうか

    生きる死ぬの境目が時の中で零れ落ちていくことに
    誰も気づかないこのとの刹那に
    本当は生きていて

    残された言葉は
    祈りのような気がして

    生きていていいと言われたような気がする
    風の音

    葉の光と影の揺らめき
    蝋燭のように危うくても確かに消えない
    太陽の強さを

    感じることが 辛くても
    そのままで

    唄えば
    それは一つの救いとはいえないか

    海辺に打ち上げられた形になれなかった貝殻を

    その手ですくいとってやるだけで
    それは許しとはいえないか

    生きていていいよ
    と歌ってくれる

    残してくれた言葉が
    それだけで優しくて
    泣きたくなる

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著者プロフィール

1966年大阪府高槻市生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。歌集は『百合オイル』、『椿夜』(咲くやこの花賞文芸部門受賞、ながらみ現代短歌賞受賞)『Door』『駒鳥(ロビン)』『声をききたい』。そのほか、入門書『今日から歌人!』など。「塔」短歌会所属。近畿大学非常勤講師。

「2015年 『昼の夢の終わり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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