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本 ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784863852051
作品紹介・あらすじ
いちはやく秋だと気づき手術台のような坂道ひとりでくだる
若さとは、ざらつく樹皮のようだった。
大阪はわたしの街。
生きるとはゆるされることか
工場のきしみつつ閉じるシャッターの音
しみしみと体は痛みになれていくから
ほなまたあした。
感想・レビュー・書評
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漆黒のぶどうひとつぶ口に入れ敗れつづける決心をする
懐かしい感じかする歌集詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歌は
今を唄ってこその歌のような気がして
今しか歌えない
この瞬間に どんな言葉を残そうか
生きる死ぬの境目が時の中で零れ落ちていくことに
誰も気づかないこのとの刹那に
本当は生きていて
残された言葉は
祈りのような気がして
生きていていいと言われたような気がする
風の音
葉の光と影の揺らめき
蝋燭のように危うくても確かに消えない
太陽の強さを
感じることが 辛くても
そのままで
唄えば
それは一つの救いとはいえないか
海辺に打ち上げられた形になれなかった貝殻を
その手ですくいとってやるだけで
それは許しとはいえないか
生きていていいよ
と歌ってくれる
残してくれた言葉が
それだけで優しくて
泣きたくなる
著者プロフィール
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