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- 本 ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863852181
作品紹介・あらすじ
ああ大地はかくも音なく列をなす蟻を殺している大西日
巨きなものと、極微なものが、
宙に跳ね上がった長いシーソーのように、入れ替わる。
とたんに、大地はくったりと倒れ伏し、
一匹の蟻は神のごとく炎上する。
空に渡辺松男の目玉がしずかに昇っている。
― 村田喜代子
感想・レビュー・書評
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自由奔放でいながらかすかな哀しみをたたえた渡辺松男の短歌の世界、いつまでもひたっていたいやすらぎを感じる。「癌と知りちひさくちひさくきみ座すればきみより大きな蜻蛉が窓に」「啼くこゑが君を見えなくしてしまふ夕日まばゆきかなかなの路」「キッチンとなかよくしたきわれならばおはやう、だれもゐないキッチン」「ひとをつよくおもふとき気球うかびたりつよくみあげてをればおちない」「この世ならぬひかりのみづをつつみたる桃はゆふぐれどきに食むもの」「消えさりし鱗のことはかなしけれど忘れてしまへいまは鯰だ」「えーえるえす、ゆめではなんと自由です、牧水の脚で渋峠こゆ」
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著者プロフィール
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