瀬戸際レモン (新鋭短歌シリーズ27)

著者 :
  • 書肆侃侃房
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863852259

作品紹介・あらすじ

【歌の宝箱から飛び出す音韻とイメージ】
憧れの気配が朝のひかりのように、
鳥の羽のように、短歌の形となっている。
(加藤治郎)


[自選短歌五首]
ひとりでに落ちてくる水 れん びん れん びん たぶんひとりでほろんでゆくの

七色のボールペンには七本のばねがあるのでしょうね、雨

ちみしいをひっくりかえすとさみしいになるって知ってた? うそだよ ちよなら

新品の靴下につくピンセットみたいなあれを集めています

スポンジにふくませたみず はなびらの切手をまっすぐはるのでしたよ

感想・レビュー・書評

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  • さぼてんの棘を一本ずつ抜いて多肉少女が壊れてゆきます

    ではどこに心を逃がそうぴったりとはりつく雨のブラウスの胸

    とらんぽりん ぽりんとこおりをかむように月からふってくるのだこどくは

    雨とくるぶしとごめんなさいが、桜の花びらとなって私の頭に肩に足元に、はらはらと散ってくるような印象。心細くて泣きそうな人見知り少女の儚げな幻想と、でもどこかでそんな自分を冷静に見つめ傷口から流れる血をも愛おしく舐めているような危うい少女の感性。少女の時にしか見られない現実のなかの綺麗なものを集めたような印象。

  • 蒼井杏 短歌 水玉のマグに珈琲みなぎらせ居間という名のアウェイに向かう 百足の上履き駆けてゆく廊下/おいてきぼりの/目覚めれば、雨 ひとりでに落ちてくる水れんびんれんびんたぶんひとりでほろんでゆくの ピーターの絵本のように函入りの記憶がありますひもとけば、雨 てのひらで完結している目薬の壜のファセットなぞりつつ、雨 花びらをうまく散らせぬ木があってもう少しだけ見ています、雨 8Fのシネマフロアの自動ドアひらけば空中庭園は、雨 #返歌 1Fの発電装置の重い扉(ドア)閉じて綴じ込む日中は雨

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プロフィール

2015年、未来短歌会に入会。加藤治郎に師事。
とてもひとみしりな雨女。
第6 回中城ふみ子賞、第57 回短歌研究新人賞次席。

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