- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863852419
作品紹介・あらすじ
■あの第155回芥川賞候補作、待望の単行本化!
文学ムック「たべるのがおそい」創刊号に掲載された注目の表題作ほか、書き下ろし2編を収録
【新たな今村夏子ワールドへ】
読み始めると心がざわつく。
何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。
淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。
あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在りようを、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。
感想・レビュー・書評
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なんだろう、なんなんだろう、これは?
なんて言えばいいんだろう、なんと言いあらわせばいいんだろう、これは?
とても不思議な読書でした。読んでいる時も、読み終わった後も。まるで、児童文学を読んでいるように感じる一方で、まるで、とっても難しい文学作品を読んでいるようにも感じる、そんなとても不思議な読書。『今村夏子の文章は平易で、曖昧なところはどこにもない』と解説の西崎さんが語る通り、一見とても分かりやすく、とても丁寧に綴られる物語。でも、何かが違う。何かが変だ。そして、何かがざわつくこの作品。ただの日常のようであって、ただの日常なんかじゃない。ホラーのようであって、ホラーなんかじゃない。とっても不思議な立ち位置にさりげなくすっと立つこの作品。それは、何もないようで何か引っかかりを感じる、そんな不思議世界の物語でした。
三つの短編からなるこの作品。文庫で180ページしかないこと、そしてとても淡々とした文章が連続することもあって、一見さくっと読めるようにも感じるこの作品。途中でやたらと引っかかる箇所が多く、その前後を読み返すという繰り返しの読書は、思った以上に時間がかかってしまいました。そんな三つの短編の中では、書名にもなっている〈あひる〉が強く印象に残りました。
『あひるを飼い始めてから子供がうちによく遊びにくるようになった』という不思議な書き出しから始まる冒頭。『あひるの名前はのりたまといって、前に飼っていた人が付けた』のでその由来は知らないという主人公の『わたし』。あひるを飼い始めたことでお客さんが来るようになったという『わたし』の家。『のりたまが初めてうちにやってきたその日の午後』のこと。『あひるだ』『かわいい』という声を聞く『わたし』。『次の日も、またその次の日にもお客さんは来た』と『のりたまに会いにくる子供はあとを絶たなかった』という日々。『わたしは終日二階の部屋にこもって、医療系の資格を取るための勉強を』する毎日。『弟が家を出て行ってから、長らくしんとしていた我が家が突然にぎやかになった』とお客さんが来るようになったことを喜ぶ父と母。そんな『母は、毎朝、三十分、神棚の前から離れなかった』と、弟夫婦の『子授けに関するもの』、『わたしに関する内容』、『父に関する内容』を『お祈り』します。そこに『のりたまに関する内容』が加わります。それは『のりたまの食欲が、徐々に落ち始めていた』という心配事。やがて『母もわたしも、初めはのんきにしていた父も、それぞれのやり方でお祈りを』します。しかし、『のりたまは日増しに衰弱していった』という現実。そんなある日、『一番乗りでうちへ来た男の子が『のりたまっ』と叫びます。『のりたまがいない、いなくなってる』とあひる小屋を指差す男の子。『さっきおとうさんが、病院に連れていったのよ』と落ち着いた調子で話す母。『のりたま』がいなくなって『お客さんはパッタリ途絶えた』という『わたし』の家。そして二週間後、『見慣れない一台の黒のワゴン車が我が家の敷地に入って』来るのに気づいた『わたし』。作業着の男が中からゲージを降ろします。『のりたまが帰ってきた!』と階段を駆け下りる『わたし』。『おかえりのりたま』と声をかける『わたし』は、『こんなに小さかったっけ』と目の前の『あひる』を見て思います。そして『ほかにも気になるところが見つかった』と、『羽根の色』、『くちばし』と目の前のものに違和感を感じます。『これはのりたまじゃない』と気づく『わたし』。『どうしたの?』と声を揃える父と母。でも『のりたまじゃない、本物ののりたまはどこ行った?』と思うだけで『何も聞けなかった』という『わたし』。結局『べつにどうもしない』と答えた『わたし』。そんな『違和感』のある『のりたま』は、やがてまた元気をなくしていきます。そして…。
とても平易な文体が一貫しているこの作品は、解説の西崎さんが書かれる通り『平易で、曖昧なところはどこにもない』という印象そのもので、とてもとっつきやすくて、とても読みやすいという第一印象を受けます。しかし、実際には読めば読むほどに何かしらの違和感に苛まれていくのを感じます。それは、『のりたま』の前の飼い主の名前が『新井さん』と出てくるだけで、主人公である『わたし』を含め、父も母も登場人物の名前が出てこないというところも原因だと思います。そして、そんな『わたし』の家族についても、例えば食事の際の会話は『宗教関係のことを母が父にぼそっと伝えて、父がそれに小さくうなずいておしまい』と、果たしてどんな意味があるのかよくわからない記述が出てくるだけで、おおよそ一般的な小説に見られるような、そのそれぞれがどういった人物かを説明するような記述が出てきません。主人公の『わたし』でさえ、『医療系の資格を取るための勉強』をしている、以上、といったように圧倒的な情報不足の中に読者は置かれたままの読書。この所在なさは読者にただただ不安な気持ちを抱かせます。そして『母は毎朝三十分、神棚の前から離れなかった』と、『お祈り』という日常の一部分を唐突に切り取った描写が違和感をさらに増幅します。その一方で『早朝の散歩を日課にしている』父というように、確かにそれぞれが送る日常を説明しているには違いないのですが、何とも引っかかりを感じる記述だと感じざるをえません。そして、これは解説の西崎さんも取り上げられていて、やっぱりそうだよね!そう感じるよね!ここ、と思ったのが次の記述です。
『その叫び声に驚いて、思わず勉強の手を止めて二階の窓から顔を出した』という『わたし』。『ギョッとした顔でこっちを見上げたまま動かなくなった』男の子。『どうしたの』と男の子に声をかける母。そんな三人の人物が登場するシチュエーションで次の3行が登場します。
『まっすぐにわたしの顔を指差して、
「人がいる」
と言った。娘よ、と母がこたえた。』
というこの箇所。主人公である『わたし』視点で書かれている物語に、どこかそんな主人公の『わたし』を他人事のように扱うこの表現の圧倒的な違和感は、この作品に終始漂う不穏な空気を象徴するシーンだと思いました。このように、違和感が終始付き纏う〈あひる〉は、第四の登場人物が唐突に登場して、不思議さに輪をかけるように幕を閉じます。なんだろう、なんなんだろう、これは?まさしく、そうとしか言えない短編でした。
一方で後半の二つの短編〈おばあちゃんの家〉と〈森の兄妹〉は、登場人物がそれぞれ姉と弟、兄と妹というなんだか意味のある二名の登場人物の組み合わせに、どちらも”おばあちゃん”が絡んでくる物語です。そんな〈おばあちゃんの家〉のおばあちゃんは”インキョ”と呼ばれる家に住み、『おばあちゃんが、ひとりでしゃべってるよう』という弟の台詞から認知症を疑わせます。そんなおばあちゃんを見て『胸の中がざわざわしていた』という主人公の みのり。この『ざわざわ』という表現はこの短編中、三箇所に登場しますが、そもそも、それでなくても心が”ざわざわ”する今村さんの作品の中で”ざわざわ”してしまう主人公という、なんだかとてもシュールとも言える表現のインパクトが印象に残りました。一方で対になる〈森の兄妹〉でも、やはり何かありそうな”おばあちゃん”が登場し、兄妹に絡んでいきます。というように、明らかに対になるこの二編目、三編目の組み合わせがこの順で並べて置かれているからこそ、読み終わった後の不穏感が二倍、三倍にと増幅されるのだと思います。この二編も印象としては、やはり、なんだろう、なんなんだろう、これは?という、読後感が残った作品でした。
不思議な日常が描かれる三つの短編からなるこの作品。一見なんのことはない日常が淡々と綴られるだけなのに、そこかしこに何か引っかかりを感じる、不安感に苛まれる、どこか居心地の悪い独特な感覚に包まれるこの作品。それは、本来指摘されて然るべきことが淡々とスルーされる。その一方でここに注目すべきではないかということが淡々と無視される。そして、どうでもよいこと、ただの風景の一部としか思われない微細なことが何故か大きく取り上げられていく、そこにその違和感の理由があるのかもしれない、そう思いました。
まるで、自分自身の感覚がおかしくなったのではないか、まるでこの世界は私が知っている価値観の世界ではないどこか異世界のことではないか、そんな気分に陥ってしまうこの作品。平易な文章に、引っかかりを感じながらの読書、終始とてもモヤモヤした感覚に付き纏われる読書、そんな初めての経験をさせてくれた、とても不思議な作品でした。 -
「あひる」
なぜ主人公は医療の資格を取りたかったのだろう。
ストーリーとしてはあまり関係ないけれど、
なんとなく主張している。
全てが謎のまま終わった。
読み終わった後の、この、何というか。
なんとも言えない心のざらつき。 -
現代の話だけど、昔話を読んだような印象を受けました。一見、シンプルで分かりやすいが、その裏には、何とも言えない不穏さが見え隠れする感じ。昔話でもありますよね。ものすごく気になるところまではいかないのだけど、なんか不条理だな、怖いなと思う感じ。
表題作は、あひるの「のりたま」の、可愛らしい様子に子供たちが自然と集まり、ほのぼのとした展開になるかと思いきや、何気に嘘が発生するところから始まって、以降は、幻想かと思うような事象(これを現実と捉えたら、それはそれで怖い)や、何気に暴力の言葉が含まれていたり、お姉ちゃんも耐える不憫さを見せつつも、なんか「んっ?」みたいに思える点があったり、それらをひっくるめて、現代的なイタイ人たちのように見せているのが面白いが、不穏さが気になる。
ただ、すごいのは、文章の見方によって、愛情あふれる仲の良い家庭に捉えることも、可能だという点にあります。これはこれで怖いのだけど、笑える要素もあるので、なんとも不思議な世界観です。
他の二篇、「おばあちゃんの家」と「森の兄妹」(まとめて読むことをお勧めします)は、おばあちゃんのある意味、神様めいた不思議さが興味深く、特に「モリオ」とおばあちゃんのやり取りが面白くて、印象に残りました。ほのぼのする。
ただ、これらの作品にも、「インキョ」の呼び方、怒られるのはおばあちゃん、お菓子はあげてないのかな、等、不穏さが何気に含まれているのが、やはり気になる。
が、それもよくよく考えてみると、人間の心の闇の部分として、または無意識にある可能性もありうると思うし、これがものすごく許せない感じまではいかない絶妙さも、味として捉えてもいいのかなと思いました。 -
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辛4さん、おはようございます!
辛4さんの北海道と比べてしまえば
きっとこんなの降雪じゃないって言われてしまうくらいだと思います。
雪...辛4さん、おはようございます!
辛4さんの北海道と比べてしまえば
きっとこんなの降雪じゃないって言われてしまうくらいだと思います。
雪は降っても、こちらはまだ道路は見えてますし
本当にうっすら白くなりそれが凍って、路面凍結…
ガチガチで怖かったです!
ちなみにバスは止まったことはありませんし、
今シーズンはまだ雪かきするほどは降ってないのですよ…
でも、連日雪かきが必要なシーズンもあります(^-^;)
私なんかちっとも前向きじゃないですよぉ…
ただたんに現実逃避してるだけですねぇ~
北海道はここのところずっと雪のようですね…!
腰への負担も大きいでしょうから
気を付けてお過ごしくださいね!2022/12/16 -
かなさん、こんばんは!!
今日は、どたばたしていた1日でした。
いとこの奥さんが、闘病の末、亡くなったと連絡がありまして。
実は1ヶ月程前に...かなさん、こんばんは!!
今日は、どたばたしていた1日でした。
いとこの奥さんが、闘病の末、亡くなったと連絡がありまして。
実は1ヶ月程前にいとこの娘さんも、若くして胃ガンで亡くなったばかりなんですよね。
相次いでしまったので。
いとこの気持ちを思うと、悲しいです。
かなさん、私の胃腸はお陰さまで今日は、大丈夫そうです。ご心配していただいて、ありがとうございます!
健康が一番大切ですね。かなさんも、気をつけてお過ごしくださいね。遅い時間になってしまいました-
では、またよろしくお願いします…
おやすみなさい(-.-)Zzz・・・・2022/12/16 -
チーニャさん、こんばんは!
お疲れ様でした…大変な一日になりましたね…。
ご愁傷様です…。
どうか、チーニャさんも気を落とさずに、
...チーニャさん、こんばんは!
お疲れ様でした…大変な一日になりましたね…。
ご愁傷様です…。
どうか、チーニャさんも気を落とさずに、
しっかり生きてくださいね…。
お疲れでしょうからしっかり休まれてください。
そして、しっかり食べてくださいね。
やっぱり食べることは、大事ですよ。
健康が一番、そうです!
健康な体があってはじめて、いろんなことができる…
お互いに気をつけて過ごしましょう。
お返事は気になさらずに、
今はとにかく、疲れを癒やしてくださいね!
おやすみなさい…。
2022/12/16
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図書館で今村夏子さんの本まとめて4冊借りれたので今週から夏フェスに入りますっw
3冊目の夏子さんなんですがメルヘンなのかホラーなのかここら辺が微妙に見え隠れする不思議な読み物で深読みすればするほどモヤモヤしてきました。彼女の小説を常識で理解しようとするところに無理があるような。語り手がまともじゃないのが独特の世界観を作り出してるのを理解して進まないと・・
イマムラーは異世界転生者か宇宙人じゃないかと疑い始めています。主人公を含めて家の3人は偽装家族かあるいは、名もなき主人公の私はこの世に存在してないかも。
とりあえずどこかネジが外れてる感じの家族。
アヒルが3代目とか入れ替わってる事を純粋な子供達は知っていてそれを指摘することはタブーとされている!?
子供達もこの不思議な一家に興味津々だった感じですね。医療系の資格を取るために勉強しているのも怪しげだし時折、宗教関係のことを母が父に伝えて父が頷いていたとか、子供達を家に集めて勧誘でもしていたのかも?
主人公の告げる些細な情報に混乱するばかり、情報操作や嘘ついてる事もあるのかも?
真夜中に訪ねてきた少年の存在が気になるところですが彼の奇妙な行動に異常な食欲も怪しい。単に嘘ついて食事を食べにきただけとか?
アヒルのクチバシにクリームがついてないか確認するあたり主人公も流石の直感。あるいはわざと読者を混乱させてる。
おそらくまともなのは独立して家を離れていた弟だけで彼は地球人なんでしょうね。で、主人公の私はなんなんだ。この人ちゃんと写真に映るのかそこら辺も調査してほしいと思いました。
うーん、1日考えてたんですがなんだかよくわからない。きっと、あの家族はインド人に違いない。
アヒルは食材でカレーにいれたんだww
そうか、弟が結婚して家を出てから10年は経ってるから姉の年齢は30歳越えてるかも。バツイチで出戻りかもしれない。両親は孫の顔見たい頃だよね。近所の子供を招き入れたいのもわかるなあ。
子供たちは次第に家に上がりこんで図々しくなってきてやりたい放題だったんだ。
勝手し放題でいたずらも・・同じ誕生日とかもウソだったかも・・
子供の生まれた弟家族と同居することで、家族が上手くいくといいんだけど、ますます主人公の立場危うくなるんじゃないかな。早く資格とって仕事見つけないとね。
これは、メルホラミステリーだったww
あとの2作品もお婆さんが出てくる話で奇妙に楽しかったです。 -
狂気かつユーモアが融合した独自の世界観はさすが。執筆ペースが遅めなので、最新作が出るのを心待ちにしてます。
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芥川賞候補となった「あひる」
あひるが…3代にわたって淡々としている事が、わたしや私の両親の寂しさを浮き立たせているようだ。弟家族が同居する事で3人の心のバランスはとれるようになるのだろうか?
「森の兄妹」のための「おばあちゃんの家」この順番で続けて読むことで完結するはなし。あひるの家族と同様おばあちゃんとモリオとモリコの寂しい感じが根底にあって、束の間の些細な幸せがほっとさせてくれた。 -
読書芸人で光浦靖子が紹介していた作家「今村夏子」さんの本。
以前から気になっていたため購入、読了。
全体に漂う「違和感」、「気持ち悪さ」、「怖さ」何だろうこの作品は。
今まで色んな本を読んだが、この作風・読後感は唯一無二ではないだろうか。
ホラー作品とも違う、人間の内面を描くこの深くエグってくる感じの怖さはある意味でそれ以上だ。
一方で気付いたら抜けられなくなっている中毒性がある、これがまた不思議。
個人的には「あひる」が一番印象に残った。
のりたまの替え玉を用意する父親、宗教にのめり込んでいる母親、そして感情が見えず・何となく無気力な主人公、作品全体に不穏な空気感を漂わせる要素が散りばめられている。
作品としてはこの家族の異質さが最も目立っている。
だが一方で、個人的には別のテーマがあるように感じた。
それは「人の興味の移り変わりの残酷さ」だ。
この家族は最初は「ニワトリ」を飼っていた。
だが、いつの間にかいなくなってしまっていて、このニワトリ小屋を取り壊す形で「あひる」が飼われ始める。
そして今度は「あひる」から「弟の子供」へと関心が移り、あひる小屋は撤去されブランコとなる。
これは物語の裏でも同じことが起こっている。
あひるをくれた新井さんは、あひるを忘れて今は子供の家族と幸せに暮らしている。
家に遊びに来ていた子供達も、誕生日パーティーには結局来なくなり、家からも離れていってしまう。
これは別に異質な家族だけに限定されたことではないように思う。
何となく人間の暗い部分を見つけたような、そんな気持ちになった。
新たなジャンル、作家さんを探していたのでそういった意味ではとても良かったように思う。
その他の作品も読んでみようと思う。
芥川賞を受賞する日も近そう。
<印象に残った言葉>
・おかしい。これはのりたまじゃない。(P19)
・三びきとも?(P55、女の子)
・のりたまの小屋は工事が始まると同時に潰された。庭にブランコを置くのだそうだ。(P62)
<内容(「Amazon」より)>
読み始めると心がざわつく。
何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。
淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。
あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在り様を、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。 -
どこにでもあるような家族の不思議な手触りの三つの物語。
あらすじを聞いても全然そそられないかもしれないけれど、これを読まないで今年を終えたらきっと後悔すると思う。5年後とか10年後に、きっと後悔する。そんな一冊。
しかしなんだろう。このざわざわとした感じは。
読んでいる人の皮膚の下を動き回るような、そんな落ち着かないざわざわした感じがくせになりそうで。
普通の毎日、何気ない日々、当たり前の時間。そういうものを少し斜めから見ている視線。
こういうなんかよくわからないけど読んだ後、ずっと時間が経ってから何かの拍子に表にぽんっとでてくるような、そんな物語を描く人なんだな。
著者プロフィール
今村夏子の作品






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あひる、是非、読んでみてくださいね。かなり、ゾワゾワしますよ~(笑)
私も、たくさんのお勧め本、もう少ししたら必ず…、読...
あひる、是非、読んでみてくださいね。かなり、ゾワゾワしますよ~(笑)
私も、たくさんのお勧め本、もう少ししたら必ず…、読みますから、汗。遅くてごめんなさーい。
ありがとうございます\(^-^)/
チーニャさんのレビューも読みました!
ひゃ~深いなぁ…どこまでも掘り下げて考えられるのって
今村夏...
チーニャさんのレビューも読みました!
ひゃ~深いなぁ…どこまでも掘り下げて考えられるのって
今村夏子さんの作品ならではですよね。
私も読んでみて、ゾワゾワかなりしました。
でもなんか懐かしいような感じもしました!
とっておきの作品をおすすめして頂きありがとうございました。
ホント、引き込まれて戻ってこれなくなっちゃうような…
読めてよかったです(^^)
今村夏子ワールド、不思議な面白さありますよね。私も、かなさんのオススメ、図書...
今村夏子ワールド、不思議な面白さありますよね。私も、かなさんのオススメ、図書館予約しているので「とんこつ…」読むのを楽しみにしていますよ~
感謝です(*´▽`*)