あひる

著者 :
  • 書肆侃侃房
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本棚登録 : 1473
感想 : 222
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863852419

感想・レビュー・書評

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  • シュールなコントを見せられてるような、でも気持ちの悪さも感じる話でした。歪んだ家族の話かな。

  • 子供に写る世界は、面白くて、少し不気味で、恐ろしい。
    そんな感覚が、よく伝わってくる。
    この雰囲気、距離感、とてもいい。

  • 夜中にインキョさんのことを考えていたら、背筋がぞくぞくしました。

  • 違和感を楽しむための小説かな・・・

  • 今村夏子先生の文章は心地よい

  • 短編風の話が三つ。でも舞台は同じで、共通の人物も出てくる。
    田舎の風景を思い出しながら、色々な出来事を思い出したけど、何より1話目のあひるが怖かったし、三話目の終盤も怖かった。ただの恐怖ではなく、もっとざわざわとしたもの。

  • 星の子を読んで今村夏子さんの他の作品はどんなものか気になったので読みました。また、アメトークの読書大好き芸人で読書初心者にはオススメしない?様なことを言っていた気がするのも気になりました。

    3つの物語とも切なく感じました。中で私は「おばあちゃんの家」が心にズシンと落ちて来ました。また、読書歴が浅いせいか3つともきちんと理解できた気がしませんでした。ただ、理解できずとも心にくるものがあるのですごく好きです。

    こんな例えをするのもおかしいと思うのですが、サブカルマンガの様な雰囲気を感じたので、そういうのが好きな人は合うかもしれません。

  • 短編が3つ.3つともほのぼのとした感じの文章で、楽しめた.「あひる」では小学生の対応するお母さんが素晴らしい.「おばあちゃんの家」と「森の兄弟」ではなぜか孔雀が出てくる.なにか意味があるのかなと考えてみたが、思いつかない.「森の兄弟」でモリオがモリコの面倒を見るのが微笑ましい.

  • 描かれる世界に、親も子もいる。
    友達もいれば温もりをもったあひるもいる。
    大きな虐待やネグレクトがあるわけでもなく、食べ物も子どもたちに用意されている。
    人と人との関わりもないわけではない。
    何より物語は動いている。

    なのに、色がない。熱がない。

    何か満たされずに、でもそれに自分で気づくこともなく、当たり前になって日常を送るしかない子どもや大人たちが真ん中に居て、静かに話が終わる。

    対立しても、ぶつかってもいいから、人と人がどこかで通い合うことが私は好き。

  • 『こちらあみ子』が上手く言葉に言い表せないようなひっかかりを胸に残す作品だったので、著者の他の作品も読みたくなった。
    表題作も何だろう、きまりの悪さというか、ある種の不可解さ、どうにも判然としないもやもやしたものを残す。
    一応は家族におけるディスコミュニケーションの問題と言えるのかもしれない。あひるのことにしても、訪れる子供達を家に入れることについても、次第に歪みを生じているのに、主人公は両親に何ら指摘をしようとはしない。
    主人公の両親に対する諦念めいたコミュニケーション不全、それは時に家庭内暴力さえ振るった暴君めいた弟の登場により、家族における力関係という理解しやすい構図に収まったようにも見える。
    しかし主人公にしろ、一見普通で善良そうに見える両親にしろ、弟の存在のみにその原因を帰着させきれないような欠落を感じさせる。
    登場人物誰もに悪意とも呼べないような小さな身勝手さと無関心、鈍感さが沈殿し、埋め難い断絶がそこには仄見えるかのようだ。
    判然とはしないまま、ただ無性に気になる作品を書く作家である。

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著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

今村夏子の作品

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