回転草

著者 :
  • 書肆侃侃房
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本棚登録 : 158
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863853218

作品紹介・あらすじ

楽しくてばかばかしくて切実な絶望で、今にも破裂しそう。
読んでる私も破裂しそう。せーのでいっしょに破裂したい!
――藤野可織

「たべるのがおそい」で衝撃的な話題を呼んだ「回転草」、冬休みに母と妹とともに亡き祖父の湖畔の家で過ごした恐怖の日々を描いた「夜」、キリンになったミカを解体する描写からはじまる「彼女をバスタブにいれて燃やす」、記録的な吹雪の夜に現れたユキとの氷の生活を綴った「海に流れる雪の音」をはじめとする、愛と狂気と笑いと優しさと残酷さとが混在した10の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の欲望とか、自己愛、他人への無理解無関心などなどからくる、悪夢のような嫌〜な展開。
    初期の作品、こんな感じだったの?!と驚いた。
    「文鳥」「よりよい生活」がとくにサイコホラー。
    気分悪くなりたいときにはとてもおすすめ。褒めてます。

  • 装丁画、ただの回転草と思ったら人間も巻き込まれてて…怖…。
    回転草って、あの西部劇とかで、道端で風に吹かれて転がってるあの…????
    と思いましたが、本当にそうです。

    滑稽さと奇妙な雰囲気の合いの子、みたいな。

  • シュールでユーモラスなものから、悪夢を見ているような支離滅裂なものまで、短編10作を収録。

    父・母・息子それぞれの視点から同じ出来事を描いた「文鳥」、誰が一番カレーを美味しく食べるのかを決める大会の話「わたしたちがチャンピオンだったころ」、雪女のユキとの生活を描く「海に流れる雪の音」が読みやすくて面白い。

  • これは、難しい。好き嫌いは当然分かれる。意味を理解するのは難しく、ただ、そのイメージは伝わってくる。脈絡なくつながるイメージは、夢の中の世界のよう。それを面白いと読むか、意味不明と読むか。

  • ・装丁が、綺麗。おしゃれ。いまどき。
    ・とっぴすぎて、漫画チックで辛抱してよむのが今は難しい。

  • 読めば、引きずりこまれる。
    目の前に現れるのは、日常からずれたグロテスクな世界。

  • すごい、小説はすごい、短編ってやっぱりなにか力がある...と
    幾度となく読み返し、その度に驚かされる。

    はじめて読み終えた時、回転草にコンクリート片が落ちてきたところで、現実では急に曇天になった。景色と場面が融合するような感覚をとってもよくおぼえてる。


    ミニレターより
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    「夏だ。アスファルトが僕の腹を焼く。…昔から僕は風と相性が悪く、車道に運ばれてしまう。」

    表題作「回転草」の主人公は、回転草だ。回転草、タンブルウィード。西部劇に出てくるーー。おなじみの場面として始まる物語は、数行ごとに「え?そういうこと?」と思わぬ方向に運ばれ、さっきまで暗黙に信じていたものなんか、淡々と吹っ飛ばされていく。

    作家・大前粟生さんの言葉の世界は、おかしくて少しこわくて、時々突きぬけて残酷だ。VRChatの世界を行き来する女の子、鉄の直方体を被った校長先生、夏を感じてみたい雪女。風変わりな人物たちは、悩みながらそこでたしかに生きていて、自分の隣に居るような気持ちになる。

    いくつもの奇想と現実味に揺れる、10の短編集。
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  • 「回転草」★★
    「破壊神」★★
    「生きものアレルギー」★
    「文鳥」
    「わたしたちがチャンピオンだったころ」
    「夜」
    「ヴァンパイアとして私たちによく知られているミカだが」
    「彼女をバスタブにいれて燃やす」
    「海に流れる雪の音」
    「よりよい生活」

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著者プロフィール

1992年生まれ。著書に小説『回転草』『私と鰐と妹の部屋』(書肆侃侃房)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』第38回織田作之助賞候補作『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)、宮崎夏次系氏との共作絵本『ハルにははねがはえてるから』(亜紀書房)など。最新刊に初の長編小説『きみだからさびしい』(文藝春秋)、児童書『まるみちゃんとうさぎくん』(絵・板垣巴留、ポプラ社)がある。

「2022年 『柴犬二匹でサイクロン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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