たやすみなさい (現代歌人シリーズ)

著者 :
  • 書肆侃侃房
4.21
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本棚登録 : 1167
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863853805

作品紹介・あらすじ

第一歌集『サイレンと犀』につづく
5年ぶりの第二歌集、ついに刊行!


「自分が見落としていた記憶を
連れて来てくれる
とてもやさしく

体験を(こんなに簡単に)
捏造してくれる
とてもあたたかく

大嗣くん

あの時間を 丸ごと
カプセルに閉じ込めたような言葉達は

それぞれの経験が誰のものにもなり得る
そんな可能性(未来)を
示唆しているかも知れないよ」
国府達矢​(ミュージシャン)



「21世紀前半のなにげない日常に潜む、
こわれやすい奇跡を、琥珀の中に永遠に
閉じ込めてしまうような作品の数々。
ポップスのように、映画のように。
短歌って今もこんなに
アクチュアルなものだったのか。」
七尾旅人(シンガーソングライター)


【著者選】
写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい  
返信はしなくていいからアメリカっぽいドーナツでも食べて元気だして
もう一軒寄りたい本屋さんがあってちょっと歩くんやけどいいかな  
ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら 
二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ

感想・レビュー・書評

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  • 岡野大嗣さんの第一歌集『サイレントと犀』と一緒に購入しました。『サイレンンと犀』は疲れたときに読んだと書いた気がしますがこちらの
    『たやすみなさい』も疲れていたので読みたくなりました。
    こういう、表紙だけ見つめていてなごむ歌集(もちろん中身もですが)があるのは本当にありがたいです。

    黒い表紙に銀色の星空の絵が描いてあるのですが、銀色の絵が電気の光に当たると、青色に輝いてとても綺麗です。

    中身ともども、疲弊した神経が癒されました。



    <たやすみ、は自分のためのおやすみで「たやすく眠れますように」の意>

    <憶えてる中でいちばん鮮やかな春はフィルムのにおいに満ちて>

    <あやとりの最後をかざすようにして車窓に海が広がってゆく>

    <降ってない中を差してた傘とじてミュージカルなら踊り出すとこ>

    <ポケットに入れた切符がやわらかくなるまでひとり春を寝過ごす>

    <もうだれも春だとは思わない夜を夏だとも思わずに歩く夜>

    <しろたえのふとんのなかでとびきりの宇宙遊泳みたいな二度寝>

    <フレンチクルーラーの空気は新緑の季節がいちばんの食べごろさ>

    <五月には求める犬にだけひらく十一月への抜け道がある>

    <昔のミスドでかかってたたようなオールディーズを聴きたいな昔のミスドのあの空間で>

  • 昨夜、この歌集を途中まで読んで眠った私は、夢に岡野大嗣さんを出演させてしまった。
    よくコラボしている同じく歌人の木下龍也さんとともに、実家に遊びに来たという設定。
    おふたりと一緒のこたつに入らせてもらっていたが、緊張でお顔が見れず、岡野大嗣さんがゲームボーイでピコピコやっている音と、木下龍也さんが眠る寝息の音を聴いていた。
    その後、寿司を取り、食べたあと、おふたりは帰っていったーーー、という世界一どうでもいい夢の話なのだが、どうしてこんな話をしたかというと、その夢を見て、目が覚めたあとの何とも言えない幸福感が、この歌集を読んでいる時の幸福感とそっくりだったからだ。
    胸の心臓のあたりに、あたたかく、ふわふわしたものが、留まっている。
    幸せなんだけど、それがいつか消えてしまい、「いつもの感じ」が戻ってくるのを、経験的に知っている。
    忘れたくない、と心から願う。

    読者のその気持ち、その場面を掘り起こす、または、帯の国府達矢さんの言葉を借りれば「捏造してくれる(とてもあたたかく)」。

    この歌集に出てくる、TSUTAYAもイオンも永遠ではない。
    そして私(たち)も「100年持たない肺」(岡野大嗣さん)を持っている。

    [二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ]岡野大嗣『たやすみなさい』

    タイトルの『たやすみなさい』とは、「たやすく眠れますように」という自分のためのおやすみの意味だそうだ。

    おとなもこどももおねーさんも。
    たやすみなさい。



    • 111108さん
      5552さん
      こんな夢、私もみてみたい♡
      妙に現実的なところがいいですね。
      この歌集を読めばみることできるのでしょうか?
      5552さん
      こんな夢、私もみてみたい♡
      妙に現実的なところがいいですね。
      この歌集を読めばみることできるのでしょうか?
      2023/12/16
    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん こんにちは
      夢の中でも岡野さん、木下さんらしさの過ごし方で素敵、私もこたつご一緒したい!お寿司を囲んでいる5552さん達の様...
      5552さん こんにちは
      夢の中でも岡野さん、木下さんらしさの過ごし方で素敵、私もこたつご一緒したい!お寿司を囲んでいる5552さん達の様子を想像するだけでもあたたかい気持ちになりました♡
      表紙のデザインも良いですよね。
      「読者のその気持ち、その場面を掘り起こす」歌の感動が伝わってきて、こちらの歌集も読みたいリストに入れておきます♪
      2023/12/16
    • 5552さん
      111108さん

      私的に超豪華出演陣でした!
      起きたとき自分の顔が笑っていたっぽいのがちょっと不気味でしたよ。
      111108さんも、この歌...
      111108さん

      私的に超豪華出演陣でした!
      起きたとき自分の顔が笑っていたっぽいのがちょっと不気味でしたよ。
      111108さんも、この歌集を読んで眠ってみてください〜
      岡野&木下コンビが夢に遊びに来てくれるかも☆


      ☆ベルガモット☆さん

      今度は是非、☆ベルガモット☆さんも、おふたりとご一緒に夢の中に出演してくださいね〜
      今日はですね、朝起きたら、顔の上でカメムシが絶命していて、なんじゃこりゃ、と驚きました。
      いろんな朝があるものです。
      こちらの歌集は表紙がキラキラ、ホログラムでひかってて、素敵です。
      ☆ベルガモット☆さんも、この歌集を読んで、いい夢見ましょう♪





      2023/12/17
  • 『ちょっとそこまで、と思って出た夜にパーカーが頼りなくてきもちいい』

  • ミスドの回し者か?と思うくらいにミスドが出てきてまんまと読んでる途中でドーナッツを買いに行った。

  • 岡野大嗣さんの歌集。よく木下龍也さんと並んで名前があるような気がするが、木下龍也さんとはちょっとタイプが違う。
    必ずしも定形に収めることはなくたまに自由律のように詠んでくる。掴みどころのないふわふわした感じがあとがきにも書いてあるよう時間を逆行させてくれているような感覚にしてくれる。何よりタイトルが素敵だよね。

  • この祈りの言葉を唱えながら眠ろう。先月くらいからまたたやすく眠れなくなっているけれど。
    岡野さんの歌好きです。今作も好きな世界。
    犬が好きなので犬の歌が多いのも良い。今月亡くした犬を思い出すのでほっこりしつつもまだまだ寂しいです。
    ほっこり歌が多い気がするので、時折はっとする程苦しい歌が際立ちます。たやすく眠れても、毎日ぼろぼろになる。。
    明日も寒いし、好きなケーキ屋さんもクリスマス前後は予約のホールケーキしか扱わないから、天気が回復したらミスドのドーナツ買ってこよう。まんまと。

  • 若い歌人の歌集。
    寂しさも切なさもときめきもちょうどいい感じで入っていて、なんだかんだと憂鬱になっても、とりあえず明日も会社(学校)に行くっていう人は共感できると思う。

    書肆侃侃房の現代歌人シリーズは装丁もいいし、大きさも手になじむし、紙質も薄すぎずいい感じ。
    値段はちょっと高いけど、気に入った歌集は小説より読み返すことが多いから、いいんじゃないかなあ。すごく薄い字で書いてあるところやYeah!だけちょっと傾いでいるところなんかとても凝っていると思う。

  • モデルナ2回目副反応中に読んで、癒やされた。日常の身近な出来事を、これほどまでに上手に切り取って額装して芸術化出来るんだなぁ。その世界観に共感。短歌ってすごい。

  • お借りした本、すてき。
    好きなのは、
    本屋さん
    おじぎ草
    文庫本
    初夢 など。
    ちょっと関西弁。やさしい。
    歌付いている、詠みたい。

  • 手元に置いておきたくて結局買っちゃった 大好きな歌集

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著者プロフィール

一九八〇年大阪府生まれ。歌集に『サイレンと犀』『たやすみなさい』『音楽』『うれしい近況』。共著に『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』『今日は誰にも愛されたかった』。がんサバイバー当事者による、闘病の不安に寄り添う短歌集『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』を監修。

「2023年 『現代短歌パスポート2 恐竜の不在号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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