- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863853959
作品紹介・あらすじ
短歌をこころから楽しんだ季節の記録
かつてニューウェーブと呼ばれ、暴走と迷走を繰り返した日々を経て、しばらくは短歌に苦しめられてもいましたけれど、四十歳を過ぎた頃、ふたたび蜜月とでも言いましょうか、書くことが楽しくてしかたない季節がやって来ました。(あとがきより)
「ニューウェーブ短歌」を牽引した一人、荻原裕幸による、19年ぶりの第6歌集。
さまざまな境界線が滲み合い、交差する中で
あふれ出すのは不可逆的かつ永遠的な「いま」の抒情だ。
矛盾と異化を含んだ梅の花の心地良い香りに誘われて、
荻原裕幸は今日も現代短歌の〈夢〉をリリカルに完食する。
濱松哲朗
荻原さんの今までの歌集のなかでいちばんいいと思います。
平岡直子
感想・レビュー・書評
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さくらからさくらをひいた華やかな空白があるさくらのあとに (不断淡彩系)
桜の底はなぜこんなにも明るくて入ると二度と出て行けぬのか (桜底彷徨帖)
かき氷の嶺のみどりを零しつつときどきとぢる一重のまぶた (兵隊となるなりゆき)
桜の歌が好き
季節感のある、自然に自分を絡めていくような詠み方がキレイで、ひらがな多いのもあってやわらかい感じがした
視点の動かし方におもしろさを感じました -
短歌作品5作目を読んだ
今まで読んできたものに比べたら情景を思い浮かべるのが少し難しかった....
乗る喋る食ふ歩く秋の日の汗を吸ひつくしたシャツを脱ぐ
今年はそんな秋がいいな
面白かったです。 -
生活の中で生まれた歌、特に妻や雨について書かれた歌が気になりました。
句点やたらに少なきてがみ悲しみが隙間に入りこまないための