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- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863855014
作品紹介・あらすじ
それぞれの羽を揺らして風鈴はひとつの風に音を合わせる
第三回笹井宏之賞染野太朗賞を受賞した著者の第一歌集。
眼差しはあくまで低く、しかし深く、表現は抑制的に。嶋さんの歌はそんな風にして作られている。それがチェーホフと似ているのだ。
────大辻隆弘
拡散と収斂が進行形で同時に発生しているようなこの日々のありようを、まるでひとりきりの測量士のように見つめる歌集。
────小島なお
歌集のどの歌についても、言葉を尽くして誰かと語り合いたくなる。一首の静謐で理性的な質感や調べに、むしろ心をあたためられたような気がした。
────染野太朗
【収録歌より】
地上までまだ少しある踊り場に桜の花が散らばっていた
乗り過ごして何駅目だろう菱形のひかりの中につま先を置く
開かれて窓の格子に吊り下がるビニール傘が通路に光る
白球がいま打ち上がる公園のヒマラヤスギの背丈を越えて
屋久島の森に置かれたマイクから配信される雨音を聞く
自動車の赤いランプの連なりが橋の終わりでほどけ始める
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