心臓の風化

  • 書肆侃侃房
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863856356

作品紹介・あらすじ

空をゆく鳥、雪がふり傘をさすあなた 心臓は風化しない



藪内亮輔久びさの第二歌集は恐ろしいほどの虚無と死を

孕んで差し出される。世界中に戦争の火種が見え隠れす

る今、歌は痛みであり、出血を伴うかなしみである





【収録歌より】

沁み込んだ――滴(しづく)が。甃(いし)に。手のひらに。―― 血液といふ出口なき川

名を持つてしまつた君が名を持たぬ花を掲げて その燃える赤

唇あまた滅びてのちに一度だけふれし夜雨に海がけぶれり

最初からこの世は地獄 あきらめよ びたびたと魚(いを)のやうに降る雨

のどぼねは焼き滅びをり花はなほ 夏に降り積むまぼろしの雪

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著者プロフィール

1989 年、京都生まれ。
2008 年、京都大学 1 回生のとき、島崎健の和歌の授業に感銘を受け、翌年度に京大短歌、塔短歌会に入会。
2011 年、「海蛇と珊瑚」50 首で第 57 回角川短歌賞次席。2012 年、「冬の鷺」30 首で塔短歌賞、「花と雨」50 首で第 58 回角川短歌賞をそれぞれ受賞。同年、同人誌「率」に 2 号より参加。
2018 年、第 1 歌集『海蛇と珊瑚』(角川書店)を刊行。2019 年、同歌集で第 45 回現代歌人集会賞を受賞。2020 年、第 66 回角川短歌賞より選考委員を担当。

「2024年 『心臓の風化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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