ASEAN諸国の科学技術情勢

  • 美巧社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863870628

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  • ASEAN諸国における科学技術全般の進展状況は、経済の大きな進展と比較してそれほど急激ではない。
    シンガポールが欧米や日本並みの先進国的なパフォーマンスを見せていることを除き、他のほとんどの国では科学技術に関するインフラ整備や高度人材の育成が中心であり、また世界の科学技術の最前線で貢献するといった状況にはない。
    シンガポールに続いて比較的高いレベルにあると考えられるのはマレーシアとタイであり、この2カ国とシンガポールを合わせた3か国が、日本、中国、韓国の研究者と実質的な協力関係を結ぶレベルにあると考えられる。
    次に続くのは、ベトナム、インドネシア、フィリピンである。これらの国々は、人口も多く今後より経済が発展すると大きなインパクトを持つと考えられるが、現時点では今一歩である。
    ASEANの残り4か国のうち、カンボジア、ラオス、ミャンマーの3か国は国づくりやインフラ作りに忙しく、まだ本格的な科学技術活動を実施していない。また、ブルネイは資源大国であり、科学技術活動を積極的に行う必然性に欠ける。
    しかしいずれの国においても、国力や経済において科学技術が占める重要性を十分に認識し、それぞれの国なりに科学技術の振興に努力している。特に東南アジア特有の地理的環境や生物多様性などの特徴に基づくバイオ関係の研究が、各国で行われていることは興味深い。

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著者プロフィール

科学技術振興機構研究開発戦略センター特任フェロー

「2019年 『東アジアのイノベーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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