戦国 名城の姫たち (静山社文庫)

著者 :
  • 静山社
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本棚登録 : 14
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863890268

感想・レビュー・書評

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  • 『プリンセス・トヨトミ』が私的にはあまり楽しめなかったので、気分を変えて、ちゃんと史実が元となった本を読もうと手に取った一冊。
    これまで城と姫を繋ぎ合せて考えたことが無かったので、新しい視点を得られるかと期待して読んでみました。

    著者は歴史作家。知らない姫君が続々と紹介されます。
    一人一人がかなり詳しく記述されているため、どこまで史実でどこから口承なのかわからないところではありますが、℃のヒロインも興味深く読めます。
    最初の弘前城ゆかりの津軽為信の妻阿保良(おうら)の話に心なごみました。

    為信は、石田光成の娘・辰子姫をかくまったとのことで、辰子姫は為信の跡継ぎ信牧と結婚したものの、彼は政略結婚により家康の名の満天姫を正室に迎えたとのこと。

    正室と側室が、関ヶ原の敵と味方の血を引いているとは皮肉なものです。
    満天姫は、輿入れ先の津軽の血を守るため、自分の連れ子が徳川蜂起をしようとした時、毒を飲ませて殺したという、哀れながらも気丈なエピソードが紹介されていました。
    その後、満天姫は、亡くなった辰子姫の子供、つまり光成の子孫を育てたという、更なる歴史の皮肉があったようです。

    伊達政宗の母親、義姫は、政宗を毒殺し、弟を跡継ぎにさせようとしたということで有名ですが、それは政宗があらくれ男で、将軍からとがめられたら伊達家が取りつぶされることを心配したからだとのこと。
    父と弟は温厚な性格で、対立し合った母と政宗は、それぞれ似た性格だったようです。
    それでも義姫の晩年には交流が復活したということで、反目したまま終わったというわけではなかったようです。

    秀吉はお市の方に執心しましたが、よっぽど織田血族が好きだったようで、信長の次女の冬姫も側室に迎えようとしたと知りました。
    また秀吉の側室一の台を甥の秀次が正室に迎えたため、秀吉の機嫌を損ねて三条河原での虐殺につながったとこの本では説明しています。
    跡継ぎ問題のほかにそんな事情もあったとは。

    姫の数と同じ分、城も紹介されています。
    城についても、信長の死と共に消滅した安土城ですが、別に明智光秀に火をつけられたわけではなかったとのこと。
    理由なく城を焼いたのは、信長の息子、信雄(のぶかつ)だったということもわかりました。
    安土城の最後について、今まで考えたことが無く、言ってしまえば信長の死と同時に城も崩れ落ちたようなイメージを持っていた私。
    敵ではなく身内の仕業だということに、目からうろこが落ちました。

    当時は政略結婚ばかりで、夫が死ぬとまた別のところに嫁入りさせられる、自分の意思が通らない時代。
    たしかに悲運に巻き込まれ、哀れな一生を送った女性も多いですが、時代に翻弄されながらも、しっかりと自分の居場所を見つけて、動乱の世を生ききった女性たちの強さもまた見られた本でした。

  • 歴史が苦手ですが、お城とその時代を生きた女性が書かれていてちょっと興味が湧いた

  • お城と、ゆかりの戦国の姫のエピソードが紹介されています。

    http://blog.livedoor.jp/maikolo/archives/51059281.html

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著者プロフィール

歴史作家

「2017年 『戦国武将「お墓」でわかる意外な真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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