わたしに会うまでの1600キロ

制作 : 雨海 弘美  矢羽野 薫 
  • 静山社
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  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863893085

感想・レビュー・書評

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  • 『わたしに出会うまでの1600キロ』
    原題:WILD
    シェリル・ストレイド著。

    生い立ちやこれまでの生活での問題から、PCTを歩いてみようと思い立った女性の実体験を本人の日記を基に書かれたお話。

    PCTとは、Pacific Crest Trail(パシフィック・クレスト・トレイル)の略で、アメリカのメキシコ県境からカナダの県境までの西海岸沿いを南北に縦走する、三大長距離自然歩道のひとつ。
    著者は、モハベ砂漠からワシントン州まで1600キロを踏破。

    1600キロには砂漠や乾燥した大地もあれば、雪に阻まれて迂回せざるおえない場所があったり、クマやガラガラヘビなどの野生生物もいる危険な道程。

    そこを女性ひとりで、歩ききったのだから本当にすごい!
    しかも、そういう長距離ハイクは初めてで、知識や経験がなかったから余分な物を大量に詰め込みすぎた重すぎるバックパック。
    逆に、足りないものもあったり。

    足の爪は剥がれて、肩や腰はかさぶただらけ。
    読んでるだけで、本当に苛酷だったのが感じられた。

    途中に出会った人々との出会いと別れ。
    そういったものが、書かれていた。


    読んでる最中に思ったことは、良くも悪くも、アメリカっぽいなぁということ。
    アメリカ人のことは、テレビドラマや映画でしか知らないけど、あの世界のまんまだなぁと思った。
    抱えている問題も含めて。

    その問題を1600キロでどう考えて行くんだろうと思いながら読んでいったけど、特別な何かがあった訳じゃなくて(本人にはとても劇的だったのだと思うけど)、ドラマティックな文章で書かれているわけじゃないの。

    でも、ひたすらに歩く中でいっぱいいっぱいで愚痴も出るし、極限状態で自分の中で気持ちを整理していけたんだと分かって、それが現実味を帯びてて、良かった。
    そこが、いつも読んでるような物語じゃなくて、現実なんだと実感させられた。


    これを読んだら、無性に旅に出たくなった。
    一人旅。
    私も何か変えられるかな…?


    この本は、自分が行き詰まった時にまた読み返したい本だな。
    映画も公開中なので、今月中に観に行きたい。


    本当は、もっと書きたい感想とかあるんだけど、全部内容言っちゃいそうなので、この辺で 笑


    因みに、裏の帯には『オバマ大統領も書店で購入』の文字。

  • 2015.10/17 ロードムービーのような物語。いや実話なんだから紀行モノか。アメリカ人らしい粗雑でフランクで楽天的な挑戦と出会いと別れが面白かった。親を亡くすということの喪失感がジワジワきた。

  • 日本だったら、母の死をきっかけに精神的支柱を失い、四国88ヶ所巡りをした若い女子の話というべき所でしょうか?

    隠れテーマとしてアメリカの(白人の)貧困の連鎖を感じた。「心臓を貫かれて」みたいに。

    母親を失ったことによる家族崩壊、それによって壊れて行く心、立ち直る苦しさみたいなところは、自分がこれから起こりうることなので、とても参考になった。

    結局は、自分が鬼になっているときは、鬼の心を燃やすような体験を経るか、時間が解決するまで待つしかないのか?

  • やっぱりアメリカ・・・広大です
    ワイルド過ぎる
    読んでても痛いもの

  • 最近の『探偵!ナイトスクープ』を見ていて、探偵の石田靖くんが目に指を運ぶことが多くなったと感じる。年齢を重ね、小さなことにも感じ入り、涙もろくなったんだろうな。そんな人が本書を読めば、幾度となく涙を落とすことになるだろうと思う。私もその口だ。

    母親の大きな愛情の殻から、一歩を踏み出すために著者が選んだのがパシフィック・クレスト・トレイルというロングトレイルを歩くことだった。母親がガンで余命なく他界してしまったため、覚悟を形成できなかったんだろう。自堕落な生活を送っていた作者が、何気なく目にしたパシフィック・クレスト・トレイルのパンフレットが、ささやかなきっかけを作者に吹き込んだ。

    あれもこれもと荷物を詰め込んだ巨大なザックを担ぎ、立ち上がるのもようやくだった著者が、今日、明日、明後日と歩き続けるうち、一昨日より、昨日より、今日の方がたくましくなった自分を自覚する。小さなことで不安が膨らみ、自分の弱さも自覚する。荷物が少なくなっていくにつれ、自分自身に近づいていく過程は、以前に読んだ『奇跡の自転車』を思い出させる。

    自分の呼気が作るテント内壁の薄氷が、風に煽られ顔に落ち眼がさめる。そんな自身の経験もシンクロして面白く読み進める。もう一度、テントを携えた旅に出たいと思う1冊だ。翻訳者の旅心の振れ幅が、翻訳者紹介の一文でも良く分かる。巻末にユーモアが見られた。

  • 読んでよかったと思える本です。

    主人公は母親の死、家族の崩壊から自分を見失い自堕落な生活に。そこから脱するために、過酷なロングトレッキングに挑戦するという話。

    当然内省的な部分(苦手)もあるが気にならない。
    トレッキングの部分では痛みや汗臭さが伝わってくる。

    最後の方、主人公が旅を終える直前にあることに気がつく。それがとても印象的な言葉だった。

  • 歩くことは人生を考えること。

  • 結局(特に足で歩く)旅とは自分を発見する旅でもあるという、古くから語られるテーマを発見したということなのだろう。

    前半は面白く読み進んだが、著者の自意識の強さに満腹してしまった。
    日本人の作者であればもう少しオブラートにくるむのだろう。

  • 予約済み:品川区図書館

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