ドラゴンの塔 下巻 森の秘密

  • 静山社
3.73
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863893672

作品紹介・あらすじ

<ドラゴン>とアグニシュカたちは、計り知れない犠牲を払い、長いあいだ〈森〉に囚われていた王妃を奪還した。だが、王妃はまるで人形のように何も反応しない。
〈森〉の侵入を食い止めるため奮闘するドラゴンを残し、アグニシュカは援軍を請いに、国王の住まう都に向かう。しかし、待ち受けていたのは、彼女の「能力」を認めようとしない魔法使いたちと、〈森〉の恐るべき罠だった。
罠に翻弄されながらも、ドラゴンの塔を目指すアグニシュカだったが……。暴かれる真相と、ドラゴンとアグニシュカのロマンス。そして、怒濤のラストへ。

感想・レビュー・書評

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  • 小説は最近はほとんど読まないけど、図書館でたまたま見かけてなんとなくジャケ借りして読んでみたらとても良かった。
    魔法で大きな見えない敵に立ち向かうというストーリーは珍しくないが、そこかしこに漂うダークで精緻な世界観とキャラで飽きることなく一気読みしてしまった。
    そして上巻のレビューにも書いたが可愛げとか隙とか男受け要素が全くないヒロインが良すぎるしそんなヒロインに振り回される150歳の引きこもり魔法使いというのも良すぎる。

  • これは名作です。

    日本人の書く 図書館の魔女 や 精霊の守り人とは違う もっと野太い素朴な暖かさのある感じです。

    私はポーランド人の友だちはいませんが ポーランドの女の人って こういう感じなのかもしれません。

    ドラゴンの塔に連れてこられたアグニシュカは魔法使いのドラゴンとは違う魔法を身につける。

    心臓樹の中から 親友のカシアを助け出し 王妃様も助け出す。

    カシアは まだ木に囚われて時間が短かったので
    森に支配されてはいなかった。

    でも長い年月 木に囚われていた王妃は森の女王の意思で動いた。

    戦争になり 城の中では王様が殺され 皇太子も皇太子妃も殺された。

    忘れがたみの幼い王子と王女を アグニシュカとカシアは守って ドラゴンの塔まで連れていく。

    そのあと いろんな血が流れ 森も落ち着き ドラゴンは都にいく。

    アグニシュカは 傷ついた森を修復していく。
    自分の育った村にも 行き 母親とだきあったり
    村のお祭りに参加したりする。

    この最後の部分がとてもいい。
    アグニシュカが本当にやりたかったこと を見つけてやっている 幸せを感じている。住みたい所に住んでいる。

    人と森と生き物が争わないで 暮らせる
    とっても いい話しでした。

  • 闇の魔法学校のシリーズが面白かったので読んでみました。

    10年に一度領地に住む娘をひとり奪ってゆくドラゴンと呼ばれる魔法使い、美しさと賢さを備え小さい頃から人身御供とみなされてきた少女、その幼馴染でなにも取り柄のない主人公…。

    面白いんだけどどうしても鼻につくのがパターン化された物語っぽさというか、セオリー通りというか。
    何の取り柄もない主人公が、実はとんでもなく強い魔法使いで、世界を救い、さらにそれまで最強と思われていた魔法使いとハッピーエンディング。
    というのがこの人のパターンな気がする。闇の魔法学校もそうだった。

    そういう話が好きなんだろうけど、こんな直球で良いのはティーン小説までだろうと思いきや濡れ場の書き方はポルノ一歩手前。
    読者層はどこを目指しているの?

    そもそも魔法使いドラゴンに対して常にキレ気味で憎まれ口しか聞いてない主人公(これも闇の魔法学校と同じ)が突然恋に落ちるのが腑に落ちない。

    ファンタジーの世界と魔法使いと「実は最強だった私」を書きたいのであって、それ以外はセオリー通りに書きました、ロマンスも入れときました、なやっつけ感がある。

    それでも面白いんだからすごいと思うけどもっとブラッシュアップしないかなという期待を持っています。

  • 悪しき森は、元々は古代の強い力を持った魔女の憎しみから生まれたものだった。

  • ハッピーだけでは終わらないところが良かった。皆それぞれに傷を負い、それでも大切なもののために戦い続ける。ある意味で悪い人はいなかったんじゃないかな。ロマンスは期待してたほど多くなかったけど、友情や親子愛がしかと感じられた。

    ☆勝手にイメソン
    忘れじの言の葉(安次嶺希和子)

  • ・主人公が既存の魔法の体系を無視しつつ、ある意味ではドラゴンよりも魔法をうまく扱える理由が分からなかった。そのため、ご都合主義的な印象をぬぐえなかった。

    ・著者は東欧系のアメリカ人であるとのことである。日本人は森に対しては恐怖というよりは畏敬の念を抱いているように思うが、ヨーロッパの人は森に対する根源的な恐怖を持っているんだなと感じた。

    ・人は生まれた地に根を下ろし、生まれた地と運命を共にする。
    大地に根を下ろすことを恐れ、塔の中に引きこもっているサルカンは何を恐れていたのだろう。
    今後、主人公との繋がりをとおして、徐々に大地に根を下ろすのだろうか。

    ・森の穢れは、人々の負の思念。負の思念の原因は人にあり、また、その穢れを祓うのも最終的には人によらなければならない。

  • なかなか激しかった。
    魔法で傷口閉じるとは言え、胸に刺さった矢を矢羽折って背中に貫通させて抜くシーンとかあるので、戦いのリアル描写苦手な人は読んじゃダメかも。
    森の攻撃(心理的にしろ物理的にしろ)も怖いし。
    ロマンスも、会いたい-会えない-で悶々としたあげく会ったら主人公から押し倒すので(積極的というか本当に考えなしに本能のままの魔女だな)、小学生にはちと早い。
    デビュー作のテメレア戦記はパラレル歴史ファンタジーらしいから敬遠してて、それは今も変わらないのだけど、他の作品はたまに読もうかな。

    2016年ネビュラ賞長編部門受賞 / アメリカ図書館協会最優秀ファンタジー小説賞受賞
    原題 / Uprooted(2016)
    カバーイラスト / カガヤケイ
    カバーデザイン / 藤田 知子

  • どうしても主人公の性格が合わなくて途中でやめた

  • 上巻の方が面白かった。
    最後の方、森の奥深くに入って行った辺りから、何がなんだか…って感じで、話が急激に逸れたように感じた。
    あー、まとめに入ったのね、で、この展開か…と。

  • 下巻の舞台は王都から。
    王都では、恋愛要素が若干薄れつつも、魔法や<森>の攻撃など、息つく暇もない怒濤の展開。
    怒濤の展開すぎて、王宮の人間関係作法で主人公が右往左往しているところをもっと深く掘り下げてほしかったなあ、と。ヤングアダルトの見せ場である主人公成長の場面だったので。

    上巻より踏み込んだ大人描写あり。
    自分が高校生の頃は、これよりもっと直接的な表現がある山村美紗とか村山由佳とかを読んでたし。表現もR指定ってわけでもない。でもそういう表現って許容範囲に個人差があるので、中学生未満にオススメできるかというと、ちょっと悩む作品。

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著者プロフィール

【著者】ナオミ・ノヴィク Naomi Novik
1973年ニューヨーク生まれ。ポーランド移民の二世として、ポーランド民話に親しんで育つ。ブラウン大学で英文学を学んだ後、コロンビア大学でコンピューター・サイエンスを学び、『ネヴァーウィンター・ナイツ』などのRPGゲームの開発に携わる。2006年『テメレア戦記1 気高き王家の翼』で作家デビュー。ジョン・W・キャンベル新人賞(現アスタウンディング新人賞)や、コンプトン・クルック新人賞を受賞。また、ヒューゴー賞にもノミネートされ、『テメレア戦記』はその後ベストセラー・シリーズとなった。他の作品に『ドラゴンの塔』『銀をつむぐ者』「死のエデュケーション」シリーズなどがある。現在、夫と娘とともにニューヨーク市に暮らす。

「2023年 『テメレア戦記 7 黄金のるつぼ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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