- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863894532
作品紹介・あらすじ
小さなころからずっと大事にしていたぬいぐるみ、大好きなひとからもらった写真、会えなくなった友だちに見せたかった雪だるま。忘れたくても忘れられない大切なもの、思い出と一緒に、魔法でお預かりします――。「銭天堂」「もののけ屋」シリーズの作者がおくる、心あたたまる物語。(小学校高学年~)
感想・レビュー・書評
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できれば、私が小学生の時に出会いたかった。
シリーズはまだ続くので楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この物語の『十年屋』は、意味があるもの、守りたいもの、そして遠ざけたいのに捨てられないもの、そんな品物を十年間、そのときの想いも一緒に預かってくれる魔法のお店です。
預けずにはいられないほど切羽詰まった気持ちになった人のところに、十年屋からのカードが届く仕組みになっています。
この本には、そんな品物を預けた人の物語が5つ、収められています。
亡くなった母が作ってくれた白うさぎのぬいぐるみが、新しいお母さんに捨てられそうになっている15歳の少女、傲慢さから魔法契約を破った娘の末路、届けたくても届けられない雪だるま、盗んでしまった友達の宝物、父親の呪縛。
十年。
私のごく身近に、父親の呪縛と母親の呪文をうちに抱えたまま、大人になって親になった人がいます。母親の呪文は、その人を一見、好青年に育てました。偏差値の高い大学に行き、高収入を得、親戚の人が高評価をくれた彼女を妻にしました。本当に努力家の彼だったので、周りはずっと、誰も気づきませんでした。彼の真ん中に、虚洞が育っていることを。
虚洞が震える度、彼は他人を冒瀆しました。様々なやり方で。
彼の虚洞は、息子が生まれてさらに顕在化しました。その虚洞を息子でうめようとしてしまいました。
誰にも、それを止める力がありませんでした。
彼の息子は自身を消したくなりました。
彼の家族は、壊れました。
この巻の最後には、作り直しの魔法が出てきます。
預けられたままになったものたちのいくつかは、作り直しの魔法と巡りあいます。
私の心の奥に十年屋のドアを作り、その向こうに預けてみようと思います。十年1ターンで、作り直しの魔法をかける力を身に着けようと思います。向き合い続けると虚洞に飲み込まれてしまうので、十年ごとに。
だいじょうぶ。平均寿命を考えれば、死ぬまでにはまだ時間があると思うので。全部は無理でも、少しずつ。縫い合わせたり、ボタンをとりかえたり、組み合わせを変えたり、置き場所を変えたり、発酵させたり、熟成させたり。
だいじょうぶ。この路地には何人かの魔法使いが一緒にいて、お互い修行中だから。
傲慢な考えかもしれない。
でも、そうすることで、私が救われるので、修行だけはまず、してみようと思う。 -
不思議な話が面白い!
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預かり報酬の設定が面白い。
魔法使いのシビアさが表れていてよい。
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娘のおすすめで読む
なかなか面白く必ずしも児童書に分類しなくていいような話。
猫の執事がかわいい -
銭天堂の作家さん。
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忘れていた大切な気持ちを
思い出させてくれるような本でした。
心が洗われた気分です。
大人でも夢中になって読めます。 -
おすすめ本として紹介したからには読んでおかなくっちゃ、と読み始めた。
「銭天堂」と似たところがあるかな。
最後にツルさんなる人物が出てきて面白くなりそうな予感が。
次も読んでみようかなあ、という気になる。 -
可愛いお話。夢があるわぁ。
著者プロフィール
廣嶋玲子の作品






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