- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863897618
作品紹介・あらすじ
時は23世紀、日本の南の果て、大海原のなかに、鉄塊の摩天楼がそそり立つ孤島「キノトリ区」がぽつんと突き出していた。イレズミだらけのならず者たちが力強く生きるその海上の街は、わずかながらもつねに沈み続けていて、人々はコンテナと呼ばれる箱状住居を積み重ねながら暮らしを維持していた。23歳の配達人・キューは、家族との縁は希薄だが、なんとか配達人として公務員になり、愛犬のコエダとともに街の上下に毎日荷物を運びながら、それなりの生活を不満なく営んできた。ある朝、キューはいつものように預かった荷物をひととおりあらためたが、時代遅れのラジオなどロクでもない代物しかない。仕方なく雑に封をし直し、海からの風が吹きあげる灼熱の街へと配達に向かったキューは、この日の誤配によって、思いもよらぬ世界に呑み込まれていく……。日本児童文学者協会新人賞受賞の注目作家と大人気イラストレータによる、息もつかせぬ新感覚SF長編!
感想・レビュー・書評
-
表紙も帯も扉も全てが格好いいけど、もちろん内容も最高に格好よく、かつ面白いのです❗️
ハイブリッド・ノベルと帯にありますが、イラストと呼応していっそうドラマチックさをます、疾走感抜群の物語をぜひ、味わって欲しいです✨詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絶海にそびえる鉄の塊でできた孤島「キノトリ区」
気ままに暮らす配達人のキューは誤配によって思いもかけない世界に巻き込まれていき……
《息もつかせぬ新感覚ハイブリッド・ノベル!》──帯のコピー
近未来を思わせる設定を読み解くキーワードは“横”と“普通”
現代の上昇志向と常識に対するアンチテーゼとなっている
「みんな少しずつ、だれかの『普通』から外れているのかもしれない。でもそれは、悪いことですか?」──作中人物のことば
複線で展開する物語がある章で一気につながる構成は鳥肌がたつほどみごと
第59回講談社児童文学新人賞佳作(2018年)を受賞したデビュー作『お絵かき禁止の国』は中学生のレズビアン、第55回日本児童文学者協会新人賞(2022年)を受賞した2作目の『かすみ川の人魚』は異色の幻想児童文学
第3作『満天inサマラファーム』(2022年9月)で高校生男子の自分さがしを描いたかと思えば本作は“群像劇・SF”(著者サイトより)
なにが飛び出すか楽しみな“名前買い”できる注目作家の第4作、2023年7月刊
ちなみに『杉森くんを殺すには』(9月)、『砂漠の旅ガラス』(10月)と、新作が続いている
まりる=Marie-Lou という筆名が気になるなぁ -
ディストピアSFといった様相。私にはいまいちピンとこず……。
-
大海原にポツンと存在する、コンテナを積み上げて出来た街『キノトリ区』でのお話。 配達人のキューが、配達先を間違えてしまうところから始まり、複数人の視点で話は進んでいく。 コンテナは上に上に積み上げられ、上の人間は最下層の人間を見下していて、まさに上下関係がピラミッド。 世界観はディストピア感強めだけど、イラストと語り口でどこかおとぎ話のように楽しく読めました。 世界設定細かく考えるといろいろツッコミどころはあるんだけど、それを差し引いても凄く好み! 続きの期待できそうな終わり方も良き!凄くおススメ!!
-
おもしろい。で、これでお話しは終わり?マトリックスのように世界が変わらないの?続編があるの?そんなふうに中途半端に放り出された気持ちで読了。