戦国北条氏五代 (中世武士選書)

著者 :
  • 戎光祥出版
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本棚登録 : 49
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864030564

作品紹介・あらすじ

伊勢宗瑞(北条早雲)による伊豆乱入が戦国の幕開けといわれ、小田原合戦で秀吉が天下一統を完成する。北条氏五代の歴史は、まさに戦国時代そのものであった。

感想・レビュー・書評

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  • 小田原北条氏に関する概説的研究書。一般的な概説と言うには若干内容が込み入っており、研究書というには表面を浚った感じにとどまるか。他にもう少し簡便な概説書を読んでからの方が、理解は深まったと思う。

  • 二千円台だが良書だ 『戦国北条氏五代』 五代を人物別に追うことができる。また各代の兄弟たちにも触れているぞ。内容が近い「北条氏年表」と比べて読みやすい方を選ぶと良いだろう

  • 伊勢宗瑞(北条早雲)による伊豆乱入が戦国の幕開けといわれ、小田原合戦で秀吉が天下統一を完成する。北条氏五代の歴史はまさに戦国時代そのものであった。
     第一章 伊勢宗瑞(北条早雲)
     第二章 北条氏綱
     第三章 北条氏康
     第四章 北条氏政
     第五章 北条氏直

    本書は北条氏五代について、政治動向を中心に叙述されたものである。近年の研究成果を充分に反映させているという。

    以下、備忘的に

    伊勢宗瑞の年齢への疑問、幕府クーデターと連動した伊豆乱入など通説の見直しがあり面白い。小田原城奪取は創作であったのか。
    宗瑞の片腕である弟・弥次郎の存在も知らなかった。

    二代氏綱、虎の印判状を創出。伊勢氏から北条氏に改称。相模支配の正当性を確立するため鎌倉北条氏の名跡を継承、関東足利氏より関東管領職に補任される。河東の乱、義元が国主権力を確立するためには、北条氏の影響力を排す必要があったとの事。なるほど。鶴岡八幡宮造営という大仕事を成し遂げて死去。

    三代氏康、反勢力に囲まれた中で家督を継承。山内上杉氏を攻略し一時は上野国まで影響力を保持するものの、上杉謙信の越山により水泡に帰す。天災による領国危機を乗り越えるため隠居する。
    関東三国志の一翼を担う氏康であるが、全体的にあっさりした記述で、五代の中で突出しているように感じない。むしろ三代目としての苦労が多い割には報われていない印象。

    四代氏政、世評では愚将の評価であるが、着実に領土を拡大している。実際は信玄、謙信、家康と競合している訳でむしろ有能な武将ではないか。

    五代氏直、影の薄い五代目であるが、次男であるとは知らなかった。(長男は夭折)だから、今川氏真の養子となったのか。
    高野山に登った後、赦免され秀吉の家臣となる。中国地方で1ヶ国を領すという話もあったが病死により叶わなかった。名跡は氏規の家系が継ぐ。その他の系譜も幕府旗本として続いたとの事。

    北条氏は一族は仲が良い。実は島津兄弟より仲が良いのではないか。いろいろ、名前が出てくるが知らない人も多く読みにくかった。それにしても戦には弱いというのが読後の印象である。国人領主の離合集散に苦労している。
    今一地味な北条氏であるが、五代の通史を知る事が出来たのは良かった。関東の戦国史を理解する上で参考となる1冊と言える。

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著者プロフィール

1965年、東京都に生まれる。1995年、駒沢大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。現在、駿河台大学法学部教授。著書に『中近世移行期の大名権力と村落』(校倉書房、2003年)、『戦国大名 政策・統治・戦争』(平凡社新書、2014年)、『百姓から見た戦国大名』(ちくま新書、2006年)など。

「2021年 『戦国「おんな家長」の群像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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