戦後映画の産業空間: 資本・娯楽・興行

制作 : 谷川建司 
  • 森話社
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本棚登録 : 9
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864050982

作品紹介・あらすじ

芸術だけが映画ではない。映画会社の経営戦略、あの手この手の企画・宣伝、背後にある国家の政策、観客や他メディアとの関係など、資本の論理からとらえ直す、もう一つの戦後映画史。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:778.21A/Ta88s//K

  •  所収論稿は以下の通り。

    井上雅雄「日活の映画製作再開と『五社協定』」
    谷川建司「日本映画輸出振興協会と輸出向けコンテンツ」
    木村智哉「東映動画株式会社における映画製作事業とその縮小」
    板倉史明「独立プロダクションの製作費に見る斜陽期の映画産業」
    河野真理江「リバイバル・メロドラマ」
    西村大志「東宝サラリーマン喜劇”社長シリーズ”の成立と終焉」
    晏妮「混淆するチャイナカラーの分流」
    ミツヨ・ワダ・マルシアーノ「戦後原子力映画と『安全神話』史」
    北浦寛之「大手映画会社の初期テレビ産業への進出」
    小川順子「試論・映画スター大川橋蔵」
    長門洋平「セーラー服と機関銃とサウンドトラック盤」

     ありがちな芸術論的な「映画論」ではなく、映画を資本の論理が支配する「産業」として捉え、その経済・社会的な成立条件や文化史的意義を究明した論文集。特に1960年代後半の日本映画斜陽期に、輸出振興を口実として製作費に公的資金が導入され(特撮映画や『男はつらいよ』まで!)、一部は債務整理に流用されていた可能性を明らかにした谷川論文、極端な低予算である「ピンク映画」の詳細な収支状況を一次史料で明らかにした板倉論文、一般に敵視・対抗関係が強調されるテレビとの関係について、むしろ草創期から癒着・蜜月の伏線があったことを明らかにした北浦論文など、従来の映画論にはない新鮮な内容で強い衝撃を受けた。

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