小沢一郎は背広を着たゴロツキである。

著者 :
  • 飛鳥新社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864100298

作品紹介・あらすじ

世論の支配に屈服する、大衆政治家の哀しき実態。

感想・レビュー・書評

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  • 西部邁の本にしては読みやすかった。小沢一郎がプロの女性にめちゃくちゃもてること、その理由が印象に残る。また氏の民主主義に対する考え方には強く共感を受ける。

  • 明治維新後から営々と西洋民主主義制度を取り入れてきた日本国。

    福沢諭吉は、西洋社会に追いつくため、便宜的に彼らの制度を取り入れようとした。

    しかしながら、民主主義制度が本来持つ欠陥はプラトン以来指摘されてきたことだ。

    西部氏は、民主主義にまつわる名称の本来の意味を深く掘り下げている。

    言葉が持つ本来の意味をきちっと理解しながらこれからの日本を社会は進んでいかなければならない。

    本来ありえない親米保守という欺瞞から日本社会は抜け出さなければならない。

    西部氏の言説は一定筋が通っている。

    で、なぜ自民党を心情的に押しているというところは不思議な感じもしないでもない。

    それだけ、民主党さんが子供すぎたということか(笑)。

  • 政治家を人として見るって、当たり前の事のようで意外とできてない。

  • (2012.12.19読了)(2012.05.03購入)
    【12月のテーマ・[政治を読む]その③】
    副題「私の政治家見験録」
    東京大学をやめて評論活動で、暮らしてゆくことになったので、政治家にも積極的にあって行こうと決めたとか。この本は、いろんな政治家に会った時のことが、あれこれと書いてあります。講演会に招かれたり、宴席に招かれたり、陳情に同席したり、さまざまです。
    本の題名は、本当は、「政治家は背広を着た破落戸である。」としたいところをインパクトを高めるために「政治家」のところを「小沢一郎」にして、政治家の代表にしたというところのようです。
    登場する政治家は、田中角栄、田中真紀子、秦野章、加藤紘一、中曽根康弘、小沢一郎、亀井静香、新井将敬、中川昭一、小泉純一郎、鈴木宗男、といったところです。
    政策論議があるわけでもないし、西部さんの主張がわかりやすいわけでもないので、お勧めできません。西部さんの繰り言を聞いてみたいという方でしたら、止めはしませんけど。

    【目次】
    第一章 四凡人民政問答
    第二章 私の政治家見験録
     Ⅰ 田中角栄には会えなかった
     Ⅱ 秦野章は我が家の恩人
     Ⅲ 「陣笠連中」の正体をみた
     Ⅳ 加藤紘一は私を「書き屋」と呼んだ
     Ⅴ 中曽根康弘の当節大勲位形木
     Ⅵ 小沢一郎の「大口笑い」と「不気味な沈黙」
     Ⅶ 亀井静香はあまりにも善人
     Ⅷ 新井将敬と中川昭一の切ないばかりの焦燥感
     Ⅸ 小泉純一郎のハシャギは狂相を帯びていた
     Ⅹ 鈴木宗男は大衆的、さらにまた大衆的
     Ⅺ 民主主義が政治家を真底まで腐らせた
    第三章 文明の敵・民主主義
    おわりに

    ●民主党(19頁)
    8月30日、小生はさる目立たないTVで選挙速報についてコメントしていたなあ。
    番組終了時に「この民主党政権は必ず日本国家を沈没させます」と断言しておいた。
    ●国家の代表(21頁)
    政治かは選挙区という地域の代表ではあるんだが、いざ国会に罷り出たら国家の代表となるんだ。早い話が、大臣になったら地域代表とは言っておれんだろう。国家相手の政治なんだから、マスコミに動かされるんじゃなくて、演説の能力でマスコミを動かすくらいの能力を持ってほしいね。演説のことをアドレスというけど、それは政治家の居場所を示すアドレスつまり住所でもあるんだ。
    ●独立国(47頁)
    そもそも、外国軍基地が常在しているのは独立国として恥ずかしい限りでしょうが。時間と費用をかけて、自衛隊強化との引き換えで米軍には出て行ってもらう、その長期方針を立てるのが正道というもんだ。
    ●日本に必要なのは(115頁)
    ナショナリズムに裏打ちされなければ自由は無秩序へ向けて空転し、民主(の世論)は大衆社会の流行に呑み込まれる
    これからの日本に必要なのは「アメリカに距離をおき、アジアに正面から取り組み、西欧の歴史的英知と交流し、そして日本の国柄へと帰還することだ」
    ●中曽根康弘の印象(121頁)
    敏感なのか鈍感なのか、聡明なのか愚鈍なのか、高尚なのか低俗なのか、思索が深いのか浅いのか、結局のところ、すべて宙ぶらりんの印象に終わるのであった。
    ●小沢一郎(130頁)
    昭和末期から平成初期にかけてのこと、・・・
    消費税を導入せざるを得ないこと、政府機構の無駄を削るために政治家がイニシアティヴを発揮すること、世界秩序の安定のために日本は国際貢献をなさねばならないこと、選挙段階で政党間の政策論争を活発にすること、社会民主主義を払拭して保守二党体制へと歩を進めること、そうした姿勢を代表するのが小沢一郎という政治家なのだ
    ●亀井静香(158頁)
    亀井氏が国防については平和主義を語り、福祉については弱者救済を唱え、法律については死刑制度廃止を訴えるのを何度も耳にした。
    ●民衆(224頁)
    「民衆の声は痴愚の声」だ
    「民」という漢語の意味も「目を潰された人」のことであり「精神の眼が見えぬ人々」のことである。

    ☆関連図書(既読)
    「日本改造計画」小沢一郎著、講談社、1993.05.20
    「総理の資質とは何か」佐伯啓思著、小学館文庫、2002.06.01
    「美しい国へ」安倍晋三著、文春新書、2006.07.20
    「とてつもない日本」麻生太郎著、新潮新書、2007.06.10
    「大臣 増補版」菅直人著、岩波新書、2009.12.18
    「グリーン・ニューディール」寺島実郎・飯田哲也・NHK取材班、生活人新書、2009.06.10
    「原発社会からの離脱」宮台真司・飯田哲也著、講談社現代新書、2011.06.20
    (2012年12月21日・記)

  • 亀井静香さんとの関係がおもしろかった。
    小沢さん・小泉さんは嫌いなんだな...。
    中曽根さんには肩入れすぎ。

  • おじいちゃんの昔話

  • タイトルの「小沢一郎は背広を着た・・・」とサブタイトルの「私の政治家見験録」とのギャップについていけない。もう少し分かりやすい記述を期待した。2010/10/04

  • 西部氏の書を初めて読んだ(雑誌の論説は別とする)が、本一冊西部氏だと食傷気味。

    そもそも経済学的思考が嫌い…というか苦手なのだろう。
    一部の人が引っ張って便利になったおこぼれながらも他の人も便利になっていく生活より、皆が不便なままでいる方がよいと言っている。
    彼の考え方はイスラムに似ていると思う。ある基本の思想がベースに存在し、それをベースにして行政や国民の行動は制限されるべきであると。

    そして、彼は自分が正解を持っているからという自信を以て政治家を見下す。その行為自体は痛快ではあるものの、ベースとする思想に違和感があると首肯できない。

    西部氏と意見が衝突しない人には楽しいのかも知れないが、経済学の肯定・否定という基本的なところで衝突を行っている私には難しかったようだ。

  • 7/1

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    世論の支配に屈服する、大衆政治家の哀しき実態!
    「民主主義」という空念仏に耽溺する現下の日本において、なぜ政治家は「ゴロツキ」の所業をなすのか? 政治家の「人格」を俎上に乗せ、その顔に張りついた「仮面」を明らかにする、衝撃の政治家見聞録!
    ≪本書に登場する政治家≫ 田中角栄/秦野章/加藤紘一/中曽根康弘/小沢一郎/亀井静香/新井将敬/中川昭一/小泉純一郎/鈴木宗男 etc.

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著者プロフィール

西部邁(にしべ・すすむ)
評論家。横浜国立大学助教授、東京大学教授、放送大学客員教授、鈴鹿国際大学客員教授、秀明大学学頭を歴任。雑誌「表現者」顧問。1983年『経済倫理学序説』で吉野作造賞、84年『気まぐれな戯れ』でサントリー学芸賞、92年評論活動により正論大賞、2010年『サンチョ・キホーテの旅』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『ソシオ・エコノミクス』『大衆への反逆』『知性の構造』『友情』『ケインズ』など著書多数。

「2012年 『西部邁の経済思想入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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