- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864101776
作品紹介・あらすじ
考えよ!考えることが人間の尊厳のすべてであり、人間の偉大さをつくるのである。-人間の本性への深い洞察に満ちみちた、思索の結晶。
感想・レビュー・書評
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『パンセ』は、晩年のブレーズ・パスカルが書き綴った断片的なノートを、パスカルの死後に遺族と関係者が編纂して1670年に刊行したもの。全訳は中公文庫版で644頁の大部であるが、本書はその前半から抜粋・翻訳された抄本である。尚、パンセとは、フランス語で「思想」の意である。
パスカルは、思想家であると同時に科学者であり、気圧の単位・ヘクトパスカルにその名を残しているが、パスカルが生きた中世ヨーロッパでは、科学が著しく進歩し、人間の理性こそ万能だという思想が急速に広まっていたが、そうした思想に危うさを感じたパスカルは、日々自分の考えをノートに書き留めていたのだという。
『パンセ』には、「人間は考える葦である」(断章347)、「クレオパトラの鼻。それがもう少し低かったら、地球の表面はすっかり変わっていただろう」(断章162)などの有名な箴言があるが、その他にも優れたものが少なくない。
断章253「二つの行き過ぎ。理性を排除すること、理性しか認めないこと」
断章267「理性の最後の行動は、理性を超えるものが無限に存在するのを認めることである。理性はそのことを知るところまで行かないかぎり、じつに弱いものである」
断章301「なぜ人は多数派に従うのか?多数派がより正しいからなのか?否、より強力だからである。なぜ人は昔からある法律や昔からの考えに従うのか?それが最も健全であるからなのか?否、それらがそれぞれ一つしかなく、多様性の根をわたしたちから引き抜いてくれるからである」
断章346「考えることが人間の偉大さをつくる」
断章397「人間の偉大さというのは、人間が自らを惨めだと知っている点において非常に大きい。一本の樹木は自分が惨めだということを知らない。したがって、惨めだと知ることは惨めになることだが、自分が惨めだと知ることは偉大になるということなのである」
300年以上を経た今でも、心に留めたいフレーズが溢れている。
(2014年6月了)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「人間は考える葦である。」「クレオパトラの鼻。それがもう少し低かったら、地球の表面(歴史)はすっかり変わっていただろう。」など、名フレーズを遺したパスカル。ちなみに、気圧の単位は「ヘクトパスカル」だが、このパスカルだ。
帯には、「パスカル、叡智の呟き」と書かれているが、驚くほど感動するものがない。共感できるものも少ない。向き不向きがあるのだろうが、まさかここまでとは思わなかった。 -
一度は読んでみたいと思っていて、これは簡単そうなバージョンだったため、購入。すぐ読み終えられた。
感想
特別にすっごいこと言っているかと言えば、そんな気もせず。でも、読んだ人みんな気になる部分は出てくるのかなと。個人的には、気晴らしの話しが気になった。
カバーに書いてあるパスカルの経歴をみるに、このパンセよりも、別の数学?の仕事のほうが、相当偉大なのじゃないかと思ったり。数学詳しくないのでよくわからないが。。偉大な数学?の仕事があるからこそ、パンセは読まれてきたのかなあとか妄想したり。 -
高校時代、倫社で聞いた事があるような、無いような。
本を読んだような気になるテレビ番組で紹介されていたので、ミーハーな気持ちで手に取りました。
この本の読み方って、ぶっ通しじゃなくて、時たま、パラパラとページをめくって読むってのが合ってそう。
年寄りに説教されたような感じ。話を聞くのは鬱陶しいけど、まあ、それなりに筋が通っているから、聞いてやるか。って感覚かな。