- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864101943
感想・レビュー・書評
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トースターのスチールを作るために鉄鉱石を採掘に行く。素晴らしい発想と実行力。
実はこの本を読むまで、アイデアだけをどこかで読んで、BBCの科学番組を本にしたものだと思っていた。やっぱり、あっちは書ける金が違うねえ、と。
そしたら、大学院生が自分でやっているプロジェクトだった。
足りないのは資金ではなくて、私の想像力だった。脱帽いたしました。
避難するつもりはないが、プラスチックやニッケルはずるしてるし、銅の電気分解は完全に同意はしにくい。その意味では、うーむ、なるほど、と思ったのは鉄である。
でもそれでもいいと思う。今自分の目の前にあるものが、何がどうして出来上がったのかというのを知るのは、いいことだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トースターを作ろうと思った理由を説明しているところ(25~32ページ)で、ダグラス・アダムスの「ほとんど無害」から「自分の力でトースターを作ることはできなかった。せいぜいサンドイッチぐらいしか彼には作ることができなかったのだ。」という一節が引用されている。現代人の生活を支える基本的技術を、まさにその現代人が知らないということに疑問を感じて、原材料の調達から部品の組み立てまで自分でやってやろうと挑戦したことには感心したが、その後の行動が行き当たりばったりなので、さすがにそれでは物は作れまいと思ってしまった。それでも、家庭用電子レンジで鉄を精錬したのには驚いた(70~76ページ)。参考にした方法(アメリカ合衆国特許第6277168号)は、日本でも特許出願されている(特表2004-526864号公報)。まだ審査中。しかし、70ページに掲載されているアメリカ合衆国特許明細書のフロントページが、各国特許庁のウェブサイトで入手できるものと異なるのはどうしたことか。「一からアップルパイを作ろうとしたら、まずは宇宙を創造しなくてはならない」と言った天体物理学者は、カール・「セーガン」博士だよなあ。「サガン」と訳してあった(38ページ)ので、つい「悲しみよこんにちは」とつぶやいてしまった。リチャード・ドーキンスも著書の中でダグラス・アダムスの作品の一節を引用していた記憶があるし、「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズは、イギリス人に人気があると見える。いつか読み直してみようかしら。2012年10月28日付け読売新聞書評欄。
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タイトルから想像していたよりもガチで大変なことだった……
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トースターを分解して、金属は鉱石からプラスチックは石油から作ってみたドキュメンタリー。
大変さは分かるが本としては面白くない。 -
まさか原材料の発掘からとは。
最初に表紙のいかにもおっそろしい出来栄えのトースターを見たときは苦笑いしたものだけど、読み終えてから眺めてみれば感慨深い…いや、うーん、どうだろう…。
資金的な意味でも、協力者を募る意味でも、研究者にはいつだってセルフプロデュース能力が欠かせないのだ…。