「対米従属」という宿痾

  • 飛鳥新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864102544

感想・レビュー・書評

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  • 「宿痾」は治らない持病、という意味らしい。
    この本の刊行は2013年。2021年現在もその持病は治ってないどころかより症状は悪くなってるような。
    鳩山さんの主張には首肯できるが現在までにこの人が何かを為せた訳でもない。「頑張ったけど足りなかった」は何もしてないのと一緒。沖縄の現状はこの人がきっかけと言っても過言ではないし。
    変わるにはこの本でも言ってる「独立国としての気概」しかない。政治がなにかを変えてくれる訳ではないことはこの10年でよく分かった。
    政治家にメディアに踊らされないバランス感覚を持ちたい。
    そう思えるきっかけにはなった。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • ジャパン・ハンドラーと言われるアーミテージ、ジョセフ・ナイ という人達が、鳩山を笑いものにしていたので、鳩山の側の主張も聞いてみたいと思い図書館から借りた。
    「普天間を国外、最低でも県外に」と鳩山が言い、実際に鹿児島県の徳之島に移転を水面下で進めていたことなど興味深いエピソードが満載。普天間移転のため外務・防衛の官僚の数名を秘密裏に会合したところ翌日には、全国紙にすっぱ抜かれていた(笑)
    官僚に面従腹背を決められ、ドンキホーテとなっていったのは自身の甘さもあったのは否めない。但し冷戦時代に、対ソ連という意味で北海道に米国基地が作らなかったのは、あまりに近いと、敵から殲滅されてしまうリスクがあるため、ある程度は距離をおいた地点に基地を作るべきという発想もあり、仮想敵国を中国と仮定した場合、沖縄ではあまりに近すぎるという問題意識は、少し関心した。

    日米地位協定により、沖縄に駐留する米軍の費用の約70%を日本が負担しているのに対して、ドイツは在留米軍の費用を20-30%しか負担していない。よってアメリカの某州が沖縄に駐留する海兵隊を招致しようとしても、日本に駐留する事自体が利権になっていて難しいという記載が興味深かった。
    アーミテージやナイは、日本にとり核武装はコスト高の安全保障政策であると断定していたが、本当にそうなのか? 日本がアメリカから真の独立をすると都合が悪いから、そう言っているのではないか?。。。。等、色々考えさせられた。

  • 孫崎さんの言うことはすごい。説得力がある。

  • 対米従属をあらためて認識
    今国会で上がっている法案の多くが、対米従属所以と分かってくる。

  • 一般マスコミでは、決して主流ではない3人の対談の中に、領土問題、歴史問題を含め、アメリカ支配の真実が隠されているかもしれない。
    マスコミ・米・政・官・財からの情報によっては、一般国民は歴史の真実を今も昔も知らされておらず、そのことにより、正しい判断ができなくなっていると解く。
    対米従属でなく、保守リベラルという新しい概念も披露。
    鳩山氏のイラン・中国訪問に於ける会談の内容も詳録。

  • 2013/10/03:読了
     243~244ページの鳩山さんの言葉がすべて。
     「日米関係を対等のもににしてゆくには、それを実現させるための手段を余程うまく作ってゆかないと、簡単に挫折させられてしまいます。結局、私も準備不足で、大きな力の前に歯が立ちませんでした。もう一度それに挑戦する場合は、再び同じ結果になってしまってはいけないと思っています。」

  • 戦後史の正体の 孫埼
    金融論で 小泉政権批判から 2回ほど逮捕歴のある 植草氏
    そして 政治家として ぶっ飛んだ 感じの 鳩山氏

    この三人の鼎談がどうなるかと思ったら

    実は 三人は 愛国という点でつながっていた。

    謀略は明らかにある。


    この本だけでなく 「本当のことを伝えない日本の新聞」や
    上杉隆の著作
    「人間を幸福にしない日本というシステム」などをみても

    日本が非常にブラックな国であり、民主主義の根底が揺らいでいるのは確かだ。

    そうは言っても 政治家や官僚にあなた任せにしていては強烈なしっぺ返しをくらうことを 国民は気づかないといけない。

    それにしても 鳩山氏は ぶっ飛んでいる。

    根回しをしてから 政治行動をやらないといけない。

    安倍首相の発言は ブレーンがいて 言葉尻をとらえられないように
    慎重になされているのに対し
    余に 能天気。

    正しい と思っていることを 言うとき 正さに守られているから 能天気になり
    人をだまそうとするときは 慎重になるのだ。

    これを見破るのは 簡単。 同じことを様々な表現で 言おうとしていれば
    本気。

    同じ お題目jがくりかせされるときは 危険。
    例 自民党をぶっつぶす。

  • 僕は物事を単純化したい方だが、その視点でいけば、この三人は、色眼鏡をかけて見ざるをえない、そんな顔ぶれだろう。しかしその色眼鏡は、「人物破壊工作」によって作られたものかもしれないし、その工作は、対米従属という宿痾故にメディアや官僚を中心に起こされたものであるのでは、と…。
    さらっと読むと、鳩山氏の恨み言、に見えてしまう本であるし、本人もいろいろ反省点もあるようだが、それを差し引いても、たしかにそりゃないよな、ということも感じる。しかし対米従属、と単純化すること自体もまた警戒しなければいけないし、政治家の言葉は、事前も事後も丸呑みには出来ない。それでも、2009年と2012年の選択が、果たしてそれぞれどんなことだったのか考えて、その経験も踏まえてさあどうするか、という材料にはなるのだと思った。
    惜しむらくは、三人が同じほうを向いて話しているので、傷の舐め合いに見えてしまう。菅、野田両氏等とも是非話をして出版して貰いたい。

  • 鳩山さんが沖縄の米軍基地移転で「悪くても県外」と主張したとき、思い切ったことを言うなと思っていた。しかし、そんなことはできるはずがなく、あっというまに鳩山さんは首相の座から降りて(おろされて)しまった。当時ぼくは、鳩山さんはお口の人だと思っていたが、孫崎さんが『戦後史の正体』で、あの主張は決してまちがっていなかったというのを読んで再評価しかかっていたところだった。植草さんは、もと大蔵官僚で政府批判に舌鋒をふるっていたそのさなかに痴漢容疑にはめられた人だ。孫崎さんももと情報局長で、ぼくはとても評価しているが、どうも政府からはほされているようだ。つまり、対談の三人はみな「ほされた」人たちである。しかし、それだけに一言一言に重みがある。世の真実はこの3人にあるのではないかとさえ思えるほどだ。ぼくは管さんも嫌いではないのだが、本書を読むと、あそこから民主党がだめになったようで、鳩山首相がもっと続いていたら、日本は多少変わったのではないかとも思える。

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著者プロフィール

1943年、旧満州生まれ。東京大学法学部を中退後、外務省に入省。
英国、ソ連、イラク、カナダに駐在。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学校教授などを歴任。現在、東アジア共同体研究所所長。
主な著書『戦後史の正体』(22万部のベストセラー。創元社)、『日本外交 現場からの証言』(山本七平賞受賞。中公新書)、『日米同盟の正体』(講談社現代新書)、『日米開戦の正体』『朝鮮戦争の正体』(祥伝社)、『アメリカに潰された政治家たち』河出書房新社)、『平和を創る道の探求』(かもがわ出版)ほか。

「2023年 『同盟は家臣ではない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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