天使の爪

  • 飛鳥新社
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本棚登録 : 78
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864102636

感想・レビュー・書評

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  • <閲覧スタッフより>
    ホドロフスキー&メビウス・コンビによる刺激的な性的妄想世界を描いた一冊。インモラルな猥雑ささえも二人の手にかかるとこのように甘美で魔術的になってしまう。

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    所在記号:726.1||メヒ
    資料番号:10225347
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  • B4サイズの巨大な判に描かれるのは初めから終わりまで全て性描写。あえてジャンル分けするならポルノコミックにあたるのだが、そっち方面の実用性はほとんどない。とにかく倒錯したエロティックなイマジネーションの奔流が60ページに渡ってつづく。クリトリスを封印し陰唇に4つのリングを刺し、患者のペニスを切り取り自らの身体に移植し、父の墓の上で天使と交わる。メビウスの背徳的な妄想がホドロフスキーの詩を得て成立した、不思議な作品。

  • バンド・デシネといえば、この人! というくらいに日本では認知度の高いメビウスによる問題作。ストーリーはアレハンドロ・ホドロフスキーなんだけれど、私が理解できるストーリーはほとんどなかった。『エル・ポト』の監督をした人でもあるから、パッと見で理解できるようには作られていないとは思うけれど。私が思うに、キリスト教やメビウスやホドロフスキーの文脈を知っていないとなかなか飲み込むことはできない。


    表面的になぞれば、父と娘の近親相姦や、SMなどの倒錯した性行為から、謎生物による触手責めまでを描いたポルノグラフティ。この感じは、最近の士朗正宗に似ているなぁ。ただ、描いているのがメビウスなので、オシャレな感じはあってもムラムラした感情を呼び起こすようにはなっていない。たぶん、一番感じる感情は嫌悪感じゃないかな~と思う。もしくは、ザラザラした空虚な感じ。


    正直、私にはこの本について語るだけの文脈を持たない。なので、面白いか面白くないかで言えば、面白くないかなぁという方向に行ってしまう。ただ、それは芸術品に対する目利きができないだけなので、価値が分かる人にとっては180度違う評価があると思う。1枚1枚、ストーリーを解釈していってこそ、作品の世界に入ることができるのかもしれない。そう言う意味では、私はこの作品の入口にも立っていないなぁと思う。

  • 「猫の目」も出るので、どちらも読みたい。。。

    Page Lines「フランス漫画の巨匠・メビウスを「日本語」で読む」
    http://wakuteka.ascii.ne.jp/2009/05/22/フランス漫画の巨匠・メビウスを「日本語」で読/

    飛鳥新社のPR
    「メビウスとホドロフスキーという黄金コンビによる、エロティックな絵本。
    少女がみずからの女性性を受け入れ、新たな生命体へと脱皮を遂げるまでの物語が、視覚と言語の臨界点に触れながら展開される。
    その蠱惑的な幻想世界は、見る者すべてのオブセッションと化すだろう。
    出版社からのコメント
    日本の読者にはあまり知られていないメビウスのエロティック・サイドが、いよいよその姿を現します! 」

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著者プロフィール

1929年、チリでロシア系ユダヤ人の子として生まれる。映画監督、映画プロデューサー、芸術家、劇作家、俳優、詩人、作家、音楽家、漫画作家、タロット研究家、サイコセラピスト。『エル・トポ』(1970)、『ホーリー・マウンテン』(1973)など前衛的作風の映画がカウンターカルチャーを代表する人々に絶賛され、カルトムービーの鬼才として名を馳せる。2013年には〈実現しなかった映画〉として知られる『DUNE』を題材とするドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』が話題を集めた。タロット研究家、サイコセラピストとしての活動も長年おこなっており、フィリップ・カモワンとともに製作した〈カモワン・タロット〉によるリーディングセラピーで知られるほか、芸術によって魂を解放する独自のセラピー〈サイコマジック〉の取り組みをライフワークとしている。現在はパリを拠点に活動しており、自伝『リアリティのダンス』を原作とする映画2作『リアリティのダンス』(2013)『エンドレス・ポエトリー』(2016)に続く3作目、『エッセンシャル・ジャーニー』を2021年現在製作準備中である。

「2021年 『サイコマジック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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