このミステリーがひどい!

  • 飛鳥新社 (2015年7月30日発売)
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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784864104142

感想・レビュー・書評

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  • センセーショナルな題名に思わず騙されてしまった

    語り口がとても軽快なところにも騙されてしまうのだが、要するに

    『〇〇殺人事件』→〇
    『△△殺人事件』→✕

    で、こと足りたような気もしないでもない
    あれが面白くない、これが面白くない、まぁあれは面白かったと言ってるだけなのです延々と
    まぁ書評なのでそれでいいっちゃいいのですけどね

    だったら、一Qさんの本棚の方がよほど役に立つ
    いや、そんなことないか
    うん、そんなことなかったわ

    • ゆーき本さん
      いっきゅーさんをオチに使うところに愛を感じます
      いっきゅーさんをオチに使うところに愛を感じます
      2024/10/02
    • ひまわりめろんさん
      (´∀`*)ポッ
      (´∀`*)ポッ
      2024/10/02
    • 1Q84O1さん
      今頃になって(*´ェ`*)ポッ
      今頃になって(*´ェ`*)ポッ
      2024/10/02
  • まあ、ミステリーもちょこちょこ読む身ではあるんだけれど、正直な話としては、名作で通るものでも「?」と思うものが結構ある。私の感覚がファン歴が長い人の評価とずれまくっているような気もするので、あんまりそこは言わないで黙っておこう…と思っていたところに、こんな本が出たのが昨年の夏。読みそびれていたものをこのたび手に取った。

    作家・比較文学者の小谷野敦さんによる、ミステリーのメッタ斬り書評…かと思えばちょっと違った。小谷野さんは小説の中でも私小説を至高のものとお考えのかたなので、「私小説にあらずんば小説にあらず」とばかりにばしばし切り捨てていくパターンを予想していたのだが、実はそうでなく、お若いころにガチでミステリーを読みあさり、今でも心が動けば手にとって読んだ末の、作品ごとの「ひどい」認定である。「あんなもんつまんねえよ」とジャンル全体をくさすのではなく、読んでみたうえでの「まあ自分にはよさがわからなかった」という、非常に個人的・紳士的なダメ出しである。ミステリーと非ミステリー文学が交互に出てくるので、私みたいにジャンルを問わずにふらふらと読んでいるものにとっては非常にうなずける部分も多い。ねちねちした怨嗟がなく、意外なことにすがすがしさを感じる。

    小谷野さんの人生が文章の端々から立ち上がってくるし、登場人物(特に女性)の好みが「ふふふ~、文系男子!」という感じだし、さすが私小説作家の筆致で面白い。それに、「むしろモンテ・クリスト伯のように、自分自身の恨みのために戦うやつのほうが私は好きだ(p162)」や、「私はノワール化の中にも二種類あって、静かだけれど恐ろしい人間の性を描くものはよしとするが、残酷趣味に走っているものは歓迎しない(p198)」をはじめとするいくつかの観点は私のストライクゾーンど真ん中だったので、「私、小谷野作品好きなんじゃね?ちゃんと読んだことないけど」と思ってしまった。

    文中に登場する作家に関する脚注と、巻末の推理小説年表、索引が充実していて素晴らしいので、この本をミステリーファンが無視しているとすればそれは視野が狭いのだと思う(まあ既知のデータだろうが)。ジャンルのマニアに突き付ければ嫌な顔をされる部分が多いだろうけれど、そういう部分が怖くてミステリーの話ができない読書好きも結構いると思うので、私はそういう人には「それでいいのだ」とこの本を勧めたい。ネタバレ続出なので、繊細なかたはちょっとよけたほうがいいかもしれないけど。

  • 注:この本には過去の名作などのネタバレが多数出てくるので注意が必要です。
    あらゆるミステリを様々な点から検証して酷評する本かな、と思いきや、ここに書かれているのは1962年生まれの著者による文句の垂れ流しである。
    「この小説はよかった」「これは良くなかった。途中で読むのをやめた」ではその本を読んだ者には勝てないし評価をしてはいけない。著者自身、様々なミステリを読んでいるようではあるが、そのどれも視点が独特すぎてついていけないよこんなの……というのが本音。ネタバレも含んだバカミス論はなかなかに面白かったが、この本、ギャグで書いているのならnoteかブログでやるべきだし、本気で書いているなら作者はどこかで人生の何かを大幅に間違えたのだろう、と思った。

  • 結局本書で小谷野敦の言いたいことは「僕たくさんミステリーを読んでるんだよ」程度なんです。百人組手よろしく古今東西のミステリーをバンバン斬っていくのですが、とにかくすべて雑。タイトル上げて一言ディスって、タイトル上げて一言ディスってのくり返りで掘り下げる気ゼロ。
    『このミステリーがすごい!』をもじった炎上狙いのゴミみたいなタイトルをつけてるんだから、せめてもう少しミステリー小説というジャンルとがっぷり四つで勝負して下さい。

  • ミステリーのこと「ちょっと性に合わないな」ぐらいだったのが、筆者の意見に激しく同調してめっちゃ嫌いになってしまった。

  • ミステリ愛好家としてはかなり構えて読んだのだが、意外にもうなずけるところが多い。
    ねちねちしたところのないさっぱりとした「面白くない」の断定は、ときにユーモアも感じられ、小谷野節健在だなあとニヤリとさせられる。ここ数冊の著書の中では最高の質なんじゃないかなあ。

    にしても「俗謡に合わせて人が死ぬと何が面白いのであろうか」には吹き出してしまった。えー!面白いじゃん!むちゃくちゃ面白いじゃん!
    そこの感覚の有無が、ミステリ好きになるか否かの分水嶺になるような気がするな。

  • ただつらつらとミステリのタイトルが並べられて、よくない、わからない、わからないとはつまらなかったということだ、などのぼやきが続くばかりなんだけどさ。読み進めていくと、これが意外と面白い。膨大な量のタイトルが出てきて、中には雑読みしたり、途中でやめたり、読んだけどわすれてしまった、というのもあるものの、それだけの本を手に取るだけでも今どき珍しい人ともいえるだろう。作品をとりあげ、こまかく評するのも面白いこともあるけど、こうやってざっくりとただひたすらタイトルと〇か×かだけを並べるだけ、というのもわかりやすくてよい。

    自分で読んで、あ、やっぱりつまんなかったんだ、という本もあれば、えー?あれ、そんなにダメかなというものもある。そういうものだと思う。本を読んで感じるものなんて、人それぞれちがうんだからさ。

    本について、ああでもない、こうでもないという話を聞く楽しみを味わえたね。

  • まえがきを読み、なるほどと思い購入し読んだが、この人の文書がすごく分かりづらい。私が馬鹿なんでしょうか。

    結局、好き嫌いがこの人の評価基準なんだから、ここまで作者やその作品を貶す必要もないのでは。そもそも、作品を批判する際に、細かい瑕疵をあげつらう人がいるが、それって本当にその作の価値を徹底的に貶めるほど重要なことなのでしょうか。

    この人が褒めている「ロートレック荘事件」は私も面白い作品だと思うが、筒井氏の作品ではそれより良いものもたくさんあるような気がする。

    いずれにしても、読後感は良くない。作者の書いた小説を一度読んでから、この人の批評眼を信用するかしないか判断したい。

  • 著者の好き嫌いを紹介しているのでしょう。
    SFもあれば、漫画も映画もありと、非常に幅広く扱っている。
    筒井康隆『ロートレック荘事件』は絶賛。
    良い作品ではあるが、この作品と同等かそれ以上に面白い作品もたくさんあるのでは、というのが自分の意見。
    全体的に海外ミステリの評価は低すぎない?

  • この人の本は読んでる時は面白いのだが、断定のもたらす爽快感によるところが大きいな、と気づく。

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著者プロフィール

1962年、茨城県に生まれる。東京大学文学部英文科卒同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術業博士。2002年、『聖母のいない国』でサントリー学芸賞を受賞。評論・随筆では1999年刊でベストセラーとなった『もてない男』をはじめ、『〈男の恋〉の文学史』『江戸幻想批判』『恋愛の昭和史』『谷崎潤一郎伝―堂々たる人生』『川端康成伝―双面の人』『江藤淳と大江健三郎』など著書多数。小説では10年「母子寮前」で、15年「ヌエのいた家」で芥川賞候補となる。(両作とも同名で書籍化)ほか小説集として『悲望』『童貞放浪記』『東十条の女』が、また最新刊として、自伝『あっちゃん――ある幼年時代』がある。

「2024年 『三木卓 単行本未収録作品集 ヌートリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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