棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えること

著者 :
  • 飛鳥新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864104487

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  • 棚橋選手は立命館大学を卒業後、1999年に新日本プロレスに入門します。

    2006年にIWGPヘビー級王座に輝くなど、数々のタイトルを獲得され、「100年に1人の逸材」としてプロレス界を牽引されています。

    棚橋選手が入門された90年代後半は、アントニオ猪木さん、ジャイアント馬場さんなどの有名な選手が活躍し、プロレスの人気が高かったです。

    しかし、2000年代に入るとスター選手が次々と引退・退団してしまい、格闘技の人気はK-1やPRIDEに奪われてしまいます。

    本書では、棚橋選手が新日本プロレスの低迷期をどのように乗り越えてプロレスの人気を取り戻したのか、ご自身の経験とともに語られています。


    プロレスファンの減少を食い止めようと、運営会社は新しいイベントを次々と試みます。

    新しい企画に「乗れない」というレスラーもいるなか、棚橋選手は「肯定」から入ることをずっと大切にされたそうです。

    新しい試みに自分から積極的に乗っかっていくことで、プロレスラーとしての幅が広がったといいます。


    ですが、運営会社による対戦カードのドタキャンや選手の退団が相次いで発生してしまいます。

    『何が何でも新日本をよくしていくんだ!』
    という情熱をもって全力で試合に臨んだにもかかわらず、棚橋選手は観客からブーイングを浴びる時期が3年近くも続いたそうです。

    追い込まれそうになったときは、このように考え方を変えて気持ちを切り替えたといいます。

    『よし!この逆風をどうやって逆転していこうか?』

    『僕に大ブーイングがくるということは、対戦相手には大コールがきている。試合を盛り上げられたのだから、いいじゃないか』


    そんな中、転機となったのは、2007年のタイトルマッチだそうです。

    対戦相手から「チャラ男」と言われたことをヒントに、どうすれば自分の、そしてプロレスのファンが増えるかを考えます。

    そこで、まずは棚橋弘至という人間、つまり自分自身をプロモーションしていくことを構想したのです。

    地方興行を全力でこなしながら、ラジオ出演、SNSでの情報発信、協力会社との食事会などを通じて、積極的にファンとの交流を深めていきます。

    そして「棚橋弘至」に興味を持ってもらってから、プロレスに興味を持ってもらい、会場に足を運んでもらうよう、懸命な努力を続けます。

    その成果が現れ、2011年に仙台で行われたタイトル防衛戦では3000人以上の会場を満員にして、試合は大いに盛り上がります。


    私は本書を読んで、どんな困難な状況であっても言い訳を一切せず、絶対に自分が成し遂げていくんだ!という棚橋選手のとらえ方、情熱、ひた向きさにとても感銘を受けました。

    自分の味方をしてくれる人がたとえ少なくても『絶対にあきらめないで続けてきた』という棚橋選手の体験から、私も事業で目標を追いかけるうえで、あきらめずに成功するまでやり続けようと心に刻みました。

    プロレスに懸ける思いはもちろんのこと、仕事に取り組む姿勢も学びになる点がたくさんあります。

    おすすめの一冊なので、ぜひ読んでみてほしいです。

  • プロレスの話かと思いきや、会社・モチベーション・夢の話とビジネスマンや学生などにも是非読んでもらいたい内容ばかり。もちろんプロレス好きにも響くでしょう。読んで損はない作品です。

著者プロフィール

棚橋弘至
1976年岐阜県生まれ。立命館大学法学部時代にレスリングを始め、1999年新日本プロレスに入門。同年10月、デビュー。2003年に初代U-30無差別級王者となり、その後2006年に団体最高峰のベルトIWGPヘビー級王座を初戴冠。第56第IWGPヘビー級王者時代には、当時の歴代最多防衛記録である「V11」を達成した。プロレスラーとして活動する一方で、執筆のほかテレビ番組等にも多数出演。16年にはベストファーザー賞を受賞、18年には映画『パパはわるものチャンピオン』で映画初主演などプロレス界以外でも活躍している。著書に『カウント2.9から立ち上がれ』『棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか』ほか

「2022年 『その悩み、大胸筋で受けとめる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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